しろくま: では、時間もすぎましたので第3回合評会をはじめさせていただきます。ホストのしろくまです。よろしくお願いします。
イコ: よろしくお願いしまーす
甲斐 寛樹: よろしくお願いします
緑川: よろしくです
あんな: 宜しくお願いします!
小野寺 那仁: よろしくお願いします
しろくま: では一作目、イコさんの「五月の同行」の合評をはじめさせていただきます
イコ: お願いします
しろくま: ここにいらっしゃる皆さんは 全員感想をサイトに挙げられた方のはずですが。イコさん本人もいらっしゃいますし、どなたか質問等ございますか? いらっしゃらなければ、私から指名させていただいて、ここでも感想等述べていただきたいと思いますが
あんな: 何かテーマがあると話しやすいですかね
しろくま: テーマ、そうですね……
イコ: みんなの感想読んだら「光などの表現について」「同行者の扱いについて」「一体何を語っているのか?」ってとこが焦点だったと思うんだけど、どうかな?
しろくま: 多かった感想は、「一体何を語っているのか」確かにこういったものが多かったように思います
甲斐 寛樹: 僕は、感想に書いた通り、背景描写のスケッチだと思った。ただ、ストーリーが無いというか。同行者がなんか癖のありそうな感じだったのに、ただ一回見失っただけなのが残念だった
あんな: ドライブしてイオンで買い物して…という場面からいきなり飛躍するんですよね。
しろくま: 「一回見失っただけ」とはどういうことですか?
緑川: そもそもイオンに何をしに行ったのか分からない
甲斐 寛樹: イオンでどこかに行ってしまったって部分、ありましたよね?
緑川: 同行者を見失ったとこですね
甲斐 寛樹: そうです
緑川: 車のとこでまた落ち合う
しろくま: そこにストーリーを膨らませる要素があったと
あんな: この同行者が難なんですよ。人間ではないような気がするし、会話文もかみ合ってない
甲斐 寛樹: それ思った
緑川: ですね。 一応、彼女と仮に決めて読みましたが。女性ぽいので
小野寺 那仁: この同行者はもうひとりの作者のような感じでしょうか、やはり何か芸術的なものを模索してますよね
あんな: 宇宙という単語や光の描写が、何か関連しているのかと思いましたが
緑川: 食べ物とか、痒いとか
あんな: 噛む、という行為がなんなのか、関係しているのか、謎でした
緑川: 同行者に直接対してない感じですね。メタファー(?)を貼りつけてる感じ
甲斐 寛樹: 僕は、同行者の痒さが気になった。主人公も痒くなったりするのかな、とか。痒くないのに痒く感じてきたりとか。これは僕の受け止め方だろうけど
あんな: きっと同行者が語っている内容というのが、何かしらの現実に対する描写だとは思ったんですけれど
甲斐 寛樹: 主人公個人の主観世界を描きたかったのかな
しろくま: あんなさんのおっしゃった「何かしらの現実」とは。目の前にあるものではなく、ほかの社会的なものの描写ということですか?
あんな: そうですね、神崎さんの意見に少し近いかもしれません
小野寺 那仁: 私もそれは感じます。むしろ同行者というのは元カノか元彼の亡霊のようなものでその時の思い出と現在が交錯しているのかもと思いました
しろくま: なるほど。甲斐さんのおっしゃる「主人公個人の主観世界」というのは、同行者の描写を通じてそれを表現しているということでしょうか
イコ: (どの感想も興味深く読ませていただきましたが、とりわけ神崎さんのご意見は、「なるほどなー」と思わされました。「ああ、やっぱりな」ではなく、「くそ~」でもなく、「なるほどなー」でした)
甲斐 寛樹: 語り手の視点から考えると、自分対その他、という風に世界が二つに区切られていて、主人公はあくまで自分の中から出ないで自分以外の世界を見ている、という感じかな……
る: (こんばんはしばしログをおいます)
イコ: みなさん、曖昧でつかみきれない!って印象をうけたように、感想読ませていただいて感じました。甲斐さんはストーリーを盛り込むべきともおっしゃった。このやり方は、皆さんの文学観に照らして、是ですか、否ですか
あんな: たしか小野寺さんがおっしゃってたと思うんですが、表現が難しいものが多かった印象です
小野寺 那仁: 私はストーリーは特に必要なく思います
緑川: 自分とはずいぶん作風が違うので、はっきりとは言いかねますが。会話はさせたいですね
小野寺 那仁: あんなさん、おれ云ってないって(笑)
あんな: あれw
小野寺 那仁: ひょうげんいついて
あんな: えっと、バターを塗り込んだ~などの表現が
甲斐 寛樹: 別にストーリー無くて良いんです。ただ、シーンの繋ぎは最低限分かりやすく示して欲しいというか、
小野寺 那仁: 表現についての疑問は何人かの方が詳しく言われていました
あんな: 何を表現しているのか掴みきれない感じ
イコ: ふむふむ
しろくま: 読んでいるのだけど、掴みきれないという印象は僕も受けました
イコ: いらんとこで難解だった?>甲斐さん
緑川: 凝りすぎかと思いました。そこまで凝った表現がここで必要なのかと
甲斐 寛樹: 画が飛んじゃうんですよ。イメージが繋がらない
イコ: その表現に説得力がないということですね
緑川: 内容に見合ってるのかなと
イコ: なるほど、内容に見合うのは重要だと思います
甲斐 寛樹: 表現は追及していいと思う。ただ、メリハリ欲しい
小野寺 那仁: 比喩があってもいいのですが、あまり的確な比喩に思わないんです
イコ: 小説の効果を得るために、表現と伝達のバランスを考えるということですね>メリハリ
甲斐 寛樹: そう思います
イコ: たとえばどこが的確でないですか?教えてください>小野寺さん
あんな: これだけの比喩や描写を羅列しているのに終着点がない
小野寺 那仁: 神崎さんの感想、昨日と変わっているような気がしますが
イコ: 終着点とは?(それが必要?)>あんなさん
しろくま: なかなか厳しい意見が飛んでますね(笑)
あんな: うーん、読むからには少しでも読者にとって得るものが欲しいかな、と。必要かどうかでいったら人によると思いますし、もちろん得られた方もいるんと思うんですが
イコ: (厳しい意見大歓迎です。おれの作品を踏み台にして、もっと態度表明してください)得るもの、という意味での終着点、なんですね。終着点、というと、オチとか、カタルシスのようなものを考えるけど、
小野寺 那仁: たとえば、4ページの三倍に薄めたような水っぽい・・・まぶたを鋳る。というところまでなどは一文の中に比喩的表現が多すぎてどこに重点を置いていいのかわからなくなるんです。
甲斐 寛樹: 確かに、目に映るもの全てを同列に語っている気がする
イコ: 今、読み返して、我ながらひでえ比喩だと思ったw
る:フックがない。小説全体を通して感情移入出来る場面が余りにも狭すぎて、途中で読むのを辞めてしまいたくなった、『大宇宙の直上から絶え間なく降り注ぐ光が、自動車の外殻にぶつかって、粘膜のように車体をすっぽり包み込む。』この表現からもう、読ませる気はないなと感じた。細部には確かにうまい比喩が盛り込まれているけど、ストーリーライン全体がもはやなにかの象徴、自分とは全く関係ないものにしか思えないので、無かったことにして素通りしたい作品である
イコ: だいぽんも言ってた。なぜか今日いないけど。>自分とはまったく関係ないもの
小野寺 那仁: るさん、なかなかぶっ飛んだ評です
イコ: いやもっとぶっ飛んでください
る: たとえば、同行者が口にする、大量消費社会について、とかこの辺は入っていけるから窓口を広げてほしいと思った
小野寺 那仁: 同行者は、表現者なんですよね
緑川: 冒頭部に関しては、るさんに同意。読者をひかせてしまう
しろくま: 別に読ませる気がないなとは思わないけれど、読者のためにわかりやすくしてほしいとは思いました
緑川: 表現に興味を持ってる普通の女の子かもしれないですね >小野寺さん
小野寺 那仁: あるいは表現、そして流通を考えている。女の子なんかな
イコ: 小野寺さんはこの作品を以前、すごく分かりやすいと述べていましたね
小野寺 那仁: 女の子には掻いてほしくない
緑川: なぜw
小野寺 那仁: いやあ、比喩に眼をつぶればですよ、イコさん。 同行者の言葉とイオンに行ったということだけに絞れば。
甲斐 寛樹: 僕は、分かりやすさをほんの少しでも加えるだけでこの作品は変わると思う。
小野寺 那仁: 比喩に意味があるならお手上げです。少なくとも同行者の言葉は信じてもいいんじょでしょうか。でも最後近くに輪郭が溶けちゃうんですよね
緑川: そういう比喩なんじゃないですか。薄暗がりで、輪郭がぼやけてきてるのを誇張した表現
あんな: 不可解な出来事も連続する比喩も積み重なって何かになると思うと読めるんですよねぇ
甲斐 寛樹: 語り手の何気ないつぶやきとか、あったらいいなあ
イコ: なるほど、そうですね、>積み重なって何かになる
あんな: るさんの言う大量消費社会の部分、もう少し読んでみたかったかも
緑川: 最後の部分の「夢」の例えもよく分からない
イコ: もっと俗っぽい、くだけた言い方ということ?>何気ないつぶやき
甲斐 寛樹: いや、本音を漏らすというか
イコ: この作品では本音が隠されていた?
甲斐 寛樹: フラットなとこからはみだして思わずこぼした言葉が聞きたい
小野寺 那仁: これはたくさんのコードがあってどれか一つには電気が流れているかもしれないけどほとんど流れていないような作品に思う
イコ: なるほど。>思わずこぼした
小野寺 那仁: 一部分でも納得できればいいかなと
緑川: 「ふつうの言葉」で語ってる部分が少ないってことかな。甲斐さんの言われてること
甲斐 寛樹: 語り手が内面をまったく出さないので
小野寺 那仁: でも本音を漏らすような作品はイコさんは書かないように思う。いえ、そういう作品もあるけど
イコ: 小山内さんの、主知的な面が~という意見につながりますかね。物語の楽しみに立ち返るということかな
小野寺 那仁: いえ、小山内さんはやや言い過ぎに思いました。物語はすでに解体方向にあるので。だから私は大量消費社会云々というのをイコさんからはききたくないですね
しろくま: あと5分ですので、そろそろまとめに向かおうと思うのですが、イコさんのほうからみなさんの感想を聞いて、思うことはありますか?
イコ: 色んな意見が出てきて、非常にありがたく思いました。この作品は、行き詰ったときに、自分の棚を広げるつもりで、無理やり、ある部分にこだわって書いてみたもので。その成功、失敗の様子が、皆さんの意見の濃淡で、はっきりしたように思います
しろくま: ちょっと質問なのですが、この作品は新作ではなくて、以前に書かれたものを修正されたものなんですよね?
イコ: はい
しろくま: どこを修正されたのですか?
イコ: 最後の比喩です。あ、最後、といったらあれですね、イオンから出た場面の、女子高生の腕振りの描写です
しろくま: なるほど、確かに意味深な印象を覚えたシーンだったなと思い出します
緑川: 動きが出てますね。この作品、ドライブしてるのにもかかわらず、あんまり動きが感じられなかったんですよ
イコ: ふむふむ、
緑川: 私だけかな、そう思ったの
イコ: ではここで動きが出たことは、緑川さんとしてはどうですか?
緑川: 時期的にどのくらい離れてるのか分からないんですけど。イコさんの技量の向上かなと、僭越ながら
イコ: 2年前、「三箇所」完成の数ヶ月前です
しろくま: みなさんありがとうございました。ここでいったん切りますね
イコ: ありがとうございました
しろくま: 次の作品に移ろうと思いますが
甲斐 寛樹: はい
しろくま: 休憩は必要ですか?
甲斐 寛樹: トイレ行きたいです
イコ: いつでも。
しろくま: では10分からはじめましょう
緑川: はい
しろくま: ここで雑談されてもかまいませんので、少しリラックスしていてください
しろくま: るさん、こんばんはー
る: 言い残し、細かい比喩とかの表現がやっぱ巧いと思った。こんばんはー
小野寺 那仁: こんばんは
イコ: ありがと!
しろくま: みなさんの感想、正直自分のよくわからない部分で語られてるからまとめるのがきつい(笑)
イコ: w
しろくま: ホスト、肩こった(笑)
イコ: しろくまさんの肉声があんまり聞けてないなwホスト楽しめ!
しろくま: 仕事残したくないから、実は意見をまとめながらやってるんです。 反則?
イコ: いいんじゃないw でももっと意見述べて!
しろくま: 正直、同行者はイメージじゃなくて実在してると思ってたから
予想外の流れでテンパってた(笑)
る: 「マンションの歯型に産みつけられた卵が孵化する瞬間を想像しかけている。建物のなかでの経験が消化され、意識が息吹くのを感じる。」ここ凄い
イコ: どう凄いと思った? あ、10分だww
小野寺 那仁: るさんの引用した箇所はすごいですね
る: 比喩って結局作者の視点だから、作者がどうマンションというものを見ているか簡潔に表現されていると思う、
イコ: ありがと!また教えてくれ
しろくま: では、2作目いきましょうか
る: はい
甲斐 寛樹: よろしくお願いします
しろくま: では甲斐さんの「スイッチ」ですね
イコ: (ようしのびのび語るぞ)
甲斐 寛樹: さあこい
しろくま: いきなり僕からみなさんに質問があるんですけど
イコ: どんとこい
あんな: よっしゃ
しろくま: 最後の「まったく分かっていない」についてみなさんはわかりました? 「彼は自分が何のスイッチを押したのか、まったく分かっていない。」
緑川: 感想に書いたとおり、よく分かりませんでした
しろくま: ほかのみなさんは?
あんな: 男女の仲のわからなさを単純に表現したのかな、と
る: あんなさんといっしょ
小野寺 那仁: これでうまくいくと思っていたのに連絡が途絶えたのは想定外だった
イコ: 思考に溺れて女を見てない男を表現した一文。①~③のどれでもいいけど、どれでもないかもしれない。こちらがそれを分かる必要はないと思いました
しろくま: 読み手の僕も、彼女が何を必要としているのか分からなかったんですよね
緑川: 「答え」を言われてもすっきりしないかも
イコ: 答えを言われたら、それはそれで興ざめですよね
しろくま: なるほど。ほか気になったことありますか?
イコ: スイッチについて、この作者はきちんと考えたのかってこと
る: この導入部で果たして読ませる気があるのかってこと
小野寺 那仁: 感想にも書きましたが、こういう語り口で話をはじめる男性っていないことはないと思います
甲斐 寛樹: それはやはり、ダラダラし過ぎているということですか?>読ませる気
しろくま: スイッチについて考えるとは。もともとスイッチがON・OFFという概念しか表すことがないと思うので、しっかり考えるというのも難しい気がしますが
る: どちらかというと、ありがちって意味です
イコ: ↑この導入は、めちゃくちゃ軽い分、とりあえず続けて読もうかな、という気にはさせると思う。甲斐さんが想定している読者は、硬派な文学好きってより、ダヴィンチのような軽い雑誌の、コラム的な文章を読むような人だと思うから、アリ。
小野寺 那仁: ありがちかもしれん(笑)
る: その心配はしてたんよね、多分想定されている読者が違う
甲斐 寛樹: イコさん、確かにそうです
緑川: ありがちが長いかな、いつまで続くんだろうかと思いながら読みました
甲斐 寛樹: ありがちかー
イコ: もう硬派な文学好きとしては、我慢ならん考察だよね
緑川: もしかして、このまま本題に入らないんじゃなかろうかと不安になったり
る: 「スイッチがあるかないかのスイッチがある」とかやって泥沼に引きずり込むとか
イコ: そうそう、もっと哲学的なところに、思考をもっていけるんだよね
甲斐 寛樹: スイッチのスイッチ……
イコ: 表層にとどまる。ただし、この男の造形を考えると、そこまでやらなくてもいいとは思う
あんな: たしかにスイッチに対して軽い気はしましたね(スイッチが軽いって何なんだw)
イコ: でもなー、作者が十分に「スイッチ」について思い悩んで、思考の迷路を表現してこそ、「世にも奇妙な物語」になってくると思うんだけどな
る: 証明のスイッチと、テポドン発射のスイッチの違いとか 笑
甲斐 寛樹: 小野寺さんのご意見には、意図したものではないですが、図らずも書きながらそのような感覚を覚えたしゅんかんはありました
緑川: 主人公がいきなりスイッチを発見して、これは何だ? と思い悩むところから話が始まる
緑川: あ、これはプミさんが言われてたことか
イコ: 「スイッチ」は劇的な転換を示すものなのか、ゆっくりとした変化を示すものなのか、そこまず悩んでほしい。一般人の「スイッチ」のイメージは、劇的な転換じゃないですか?
小野寺 那仁: いろいろ考察があるんだけれどもけっこう一般的な方向に行ってしまったという印象はあります
イコ: テポドン発射のスイッチ、おもろいね>るさん
甲斐 寛樹: テポドンか。なるほど
あんな: 劇的な転換→男女間では通用しない、というのを表現したかったんですかね?
小野寺 那仁: あんなさん、笑った~
あんな: え?w
しろくま: 個人的には、そういう悩み込んでいく、深さみたいなのはこの作品の目標にはなかったように思えました
イコ: どういうことが目標だったんだろうかなー
しろくま: るさんもおっしゃってた読者の違いというものと同じ考えなんですけど、なんていうか、表現が悪いですけど、もっと軽い思想で楽しめる作品だと思います。そして、それはそれでいいと思います。深いものを探ろうとしてないものに対して、こちらが「いや探ってほしい」というのもへんに思いました
イコ: ふむふむ
緑川: なるほど
る: じゃぁ軽いものとしてちゃんと洗練されているかを考えよう
イコ: でも読者は勝手だからね。願望というのはあるものさ。それをどっちもうならせるのが大事じゃない?
緑川: 構成面で、もうちょっと考えて欲しいかな
あんな: 素朴な疑問なんですが世耕亜夢てなんて読むんだろう
甲斐 寛樹: せこうあむ
イコ: デスノートに出てきそうな名前(すぐ殺される人)
緑川: ラノベ系の名前?
甲斐 寛樹: 思いついただけですね
あんな: 名前を出すメリットってなんかあったんですかね?
小野寺 那仁: すぐ殺される(笑)
る: 改行が多いのはなんでなんでしょうか
あんな: 質問攻撃
イコ: ww いっぱい出てきたな、まとめていこう
甲斐 寛樹: 改行は癖のようなものかなー
る: ごめん、周り見えてなかった
イコ: ・劇的な転換→男女間の関係・軽いものとして洗練されてるの?・どんな読者もうならせろ・名前を出すメリット・改行が多いのはなぜ? イコ: いちばん上から処理していきませんか。劇的な転換が男女間の関係で通用しないって、もう少し具体的に言うと?
あんな: えっと、人間関係はスイッチのように単純ではない、と
甲斐 寛樹: はい
イコ: あ、なるほど
あんな: それの説明のための長い導入部なのかな
イコ: それ、たしかに分かりますね
しろくま: 男の短絡さがテーマなのかな
イコ: やりてえやりてえたまんねえ。だもんなw
あんな: スイッチはこういうものだ、と。で、結局わからない、と。
しろくま: なるほど
甲斐 寛樹: プミさんの言う通り続きを書いておくべきだったと思いますか?
甲斐 寛樹: それ以前の問題?
しろくま: 物語としては、ちゃんと終わりの場所までは来ているように思います
イコ: 物語なのかな、これw
しろくま: ストーリーの流れとして
緑川: 押してからの紆余曲折があれば物語でしょうけど
イコ: でも一応起承転結はあるな・・・
あんな: プミさんは続きというよりも視点を変えて、という意味だったような
緑川: ですね
しろくま: あれ? プミさんそんなこと言ってました?
緑川: 「少なくとも女の首筋にスイッチを見つけた所から始めた方がいい」続きを書けという意味ではないですね
あんな: そこからとなると、かなり変わってきますもんね
イコ: そうですね。でも、つかんでおいて、論に入ってもいいと思いますけどね
緑川: たしかに。話しが具体的になってくる
しろくま: スイッチの話をして、彼女の首にそれを見つけたという流れは、別に悪くないと思います。どちらかというと一般的な話の流れに属するのでは?
小野寺 那仁: そうですね
緑川: あまりに既定路線なのかなという気はします
あんな: 冒頭から読む気が失せている人にはそれだと弱いかも
イコ: 一般的な話の流れ→悪くない、っていうのは、ちょっと異を唱えたいな
小野寺 那仁: 甲斐さんが望んでいらっしゃる方向とは限らないです
イコ: 逸脱しているもの、突拍子もない出だしの方が、惹かれると思う
あんな: これ、質問2にも繋がりませんか?
イコ: だね! ・軽い読み物として洗練されてるの?
る: 軽い読み物って自分で言っといてよくわからない、
あんな: 私はイコさんに同意で、うならせろタイプなのかもしれません
しろくま: どこに力を注ぐか、ということだと思いますよ。既定路線を使っても、ほかで個性を出せばいいわけだし
る: カラマーゾフの兄弟をまっさきに思い浮かべるけど<軽い読み物
イコ: 軽い読みものならいっそう、一行目から目を吸い寄せられるようなものがいいです
緑川: それはたぶん、るさん特殊な読者です
イコ: w
あんな: 軽い読み物として洗練という概念が自分の中にない
る: いやw それは前にイコさんか6さんとも話して納得してもらったんだけどなぁw
イコ: (ドストは確かに軽いけどさ、本の重量が、まず重たいからね)
緑川: まあ、またの機会に
る: まぁ、想定する読者の違いってのは大きいと思いますよ。 なんでもいいからうならせるのはりそうだけど
イコ: とにかく時間をかけずに読めるもの、それでいて、引っかかるもの(思考の入り口になって、何かを残すもの)→この場合、こういうのを軽い読み物と認識してもいいんじゃないでしょうか
あんな: ふむふむ
イコ: たぶん甲斐さんの狙いはそのあたりで。甲斐さんの目指すメフィスト賞も、それに近い賞かと思う
小野寺 那仁: なるほど
イコ: だから、その狙いが、達成されているかどうかを読むのは、非常に甲斐さんにとって、重要なことかな、と思います
甲斐 寛樹: はい
緑川: 規定路線を使って他で個性を、というのはその通りかと。今のままだと、その個性が感じられない
イコ: ないですね、たしかに>個性
しろくま: 時間も時間なので、どうすればより洗練されたかというところについて、意見をうかがいたいと思いますが
イコ: 作者が、読者の誰よりもまずスイッチについて考え抜いたという痕跡がないということが洗練されていない一番の原因だと思います。
る: 「吾輩はスイッチである」から始まる
緑川: いっそ、主人公をスイッチマニアにして、スイッチを押すことに快楽を感じるタイプにする。どうすればいいんだ、俺? みたいな
緑川: で、身近な女性にスイッチがついてることに気づいて慌てる
しろくま: (笑)
あんな: 笑った>吾輩
る: いたってまじめです
イコ: 名前はないわなw
る: 主人公にパラノイアックな傾向を持たせるのはありやと思います
小野寺 那仁: それいいですね
あんな: 作者にこれ!絶対!ていう意志みたいなものが必要なのでは
しろくま: 甲斐さん、コメントはありますか?
甲斐 寛樹: 一言でいえば悔しいがありがたい
しろくま: 感想をもらうって、そうですよね(笑)
甲斐 寛樹: 作品にかける執念が足りなかったという事だ
イコ: スイッチでオナニーできるくらいの変態にすればいい
甲斐 寛樹: 突き抜けなきゃ駄目ですね
あんな: 変態が過ぎるだろ
緑川: 変態以上な気が・・・
しろくま: う~ん、でも本当にそういうところを目指した作品だったのですか? とどまることで成立する小説も数多くあると思う
イコ: けっこう重要なことを言っている気がする
甲斐 寛樹: いや、ここまで色んな意見があちこちで出てくるというのは、根本的な問題ですね
しろくま: 自分も人以上に深いことを考えて書きたいという衝動は常に持ち得てはいるんですけど、それがすべてでもないように思います
緑川: 彼女とのあれこれが主眼なわけだと思うし、もともとスイッチは副次的な要素かと
イコ: まあスイッチオナニーは冗談としても、突き抜けるっていうのは、作者が読者よりも上位にいて、そこから効果的になるように、表現内容を選択するってことですよ
しろくま: では、さっきの「対象とした読者」というところにくると思うのですけど、甲斐さんは、どのように読まれたいと思われていましたか?
甲斐 寛樹: イベントの原稿書いてた意識からの継続でもあるんですけど、中学生から老人まで内容が分かるように、ってのがある。幅広すぎるとは思うけど
イコ: 甲斐さんの「五月の同行」評にもつながってきますねえ
る: 中学生にわかられてたまるか、みたいなとこあるからなぁ純文て
しろくま: ある意味ぼくたちは対象外だったんですよ(笑) 。しろくま: 中学生から老人の間には入っていない
あんな: 改行の部分もイベントの影響かな、とか思ったりした
緑川: 改行が多いのはネット向けだからかなと思ってました
あんな: どこか脚本ぽい感じがしたんですよね
イコ: おもいました!>脚本
甲斐 寛樹: 短編乱発してた時期があって、そのときついた癖でもあります
イコ: 甲斐さんのブログ、「ぺろっと読める短編を書いています」って言葉が、印象的だったなあー
あんな: 人前でやるとなると、わかりやすさ重要ですものね
甲斐 寛樹: ましてや朗読ですので
イコ: 読者に寄り添おうとする姿勢は、見習わねばと思います・・・
しろくま: (笑)
小野寺 那仁: (笑)
甲斐 寛樹: この癖はどうなのかな……
しろくま: 大江健三郎や三島由紀夫みたいな人もいていいんじゃないんですか?
イコ: どういう人ですか?>大江三島
しろくま: 読者に寄り添おうとしているようには思えないんですけど
イコ: やー、表現を犠牲にしない程度に、沿ってると思うけどナー
しろくま: なるほど、そうなんですかね
る: 主観ですが改行の癖は直した方がいいと思う、紙として手にとったとき、下半分いらんじゃんってなる
しろくま: 改行は、確かに甲斐さんは損をされているようにも思いました。枚数は同じでも、文字数が圧倒的に少なかったので。しろくま: みんなの半分くらい。今回の話ですけど
イコ: スイッチの羅列は、ちょっと、げんなりするなあ。原稿用紙の基本、みたいなのが、自分のなかにしみついてるからかもしれませんが。
しろくま: では時間になりました。第3回合評会、一日目はこれでひとまず終了とします
甲斐 寛樹: ありがとうございました!
しろくま: みなさま、お疲れ様でした
しろくま: では、第3回合評会の二日目をはじめましょうか
常磐 誠: よろしくお願いします。
しろくま: さっそくなのですが、私の小説なので、この回だけ司会?を代わっていただきたいと思います。いつもの人がやってもおもしろくないので、きのうも参加されてた緑川さんにお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか
緑川: わお
小野寺 那仁: 賛成です
緑川: では、承ります。よろしくお願いします
しろくま: ありがとうございます。よろしくお願いします。
イコ: よろしくお願いします
常磐 誠: よろしくお願いします!
神崎 裕子: よろしくお願い済します
しろくま: では、ここからはいったん緑川さんに司会を託しますね。よろしくお願いします
緑川: はい。では、いくつか論点が絞れると思うのですが。まず、どこからいきましょう?このリセットというシステムから入りますか?
イコ: 「リセット」というシステムに、説得力はあったか?
緑川: はい。書かれ方として
小野寺 那仁: 説得力はあったとおもいます
イコ: ハンパにSFの冷凍睡眠みたくしなかったのが説得力につながったと思います
緑川: なるほど
常磐 誠: 確かに。
神崎 裕子: うん
イコ: 1年しか眠れないっちゅーのが、地味。ものすごく、地味。
緑川: 例えば、これでは不自然だから、もっと工夫をとか、そういう感想抱いた方とかいませんかね
小野寺 那仁: 比喩みたいに思いましたね。病気などの
常磐 誠: 工夫、という点については思いつかないんですけど、どうにもリセットのきっかけを思い出せないのは何故なのでしょう。何らかの記憶の調整、というか操作を受けている?
神崎 裕子: 不自然といえば冬眠というシステムを使っている以上、運動能力の低下や体のやせ、あと冬眠後の馬鹿食いしないのは不自然かも
常磐 誠: あー。言われてみれば、冬眠
常磐 誠: これって、一年365日眠り続けてるんですよね? 確かにそこら辺の描写ないですもんね。
緑川: 読んでるときは、なんだかその辺りに突っ込もうという気が起きませんでしたね
神崎 裕子: 冬眠が比喩であるならそこらの説明になるものがない
常磐 誠: 確かに。自分も一切そこら辺はスルーして、というか意識にも上らずに過ぎ去っていきました。>緑川さん
緑川: そこは、しろくまさんご自身も、あまり考えておられなかったのかと
あんな: 遅れましたすみません。こんばんわ(ログ追います)
小野寺 那仁: リセットの内容にはそれほど深い説明がないと思うんですよ
緑川: ですね。これも、さくひんとしてはありなのかな、と思ってしまう
小野寺 那仁: だからこれは各人の想像に任せるって感じです。で、文章がリアリズムっぽいのでSFとはとうてい思えないです
イコ: 想像に任せていますね、こういうのは曖昧な方がかえっていいと思います。そちらに目がいきすぎて、書きたいことが見えにくくなってしまうから。リセットって制度を問題にしたいんじゃないととらえました。
常磐 誠: 自分が思うのは、あ、もうイコさんが言っちゃいましたが、リセットというタイトルでも、中心にあるのはリセット制度ではないっていうことなんだと思います。
緑川: ふむふむ
常磐 誠: それを使った僕と、使っていない周囲。使った自分に気付くことが出来ない世界。
そういう僕の気持ち、心情が中心にあるような気がするのです。
イコ: ちょっと難しい言葉で、実存主義的にいえば、「選択した人間と、選択しない人間の差異」みたいなものが問題なんだと思いますよ。
イコ: 常磐さん、同意見ですねえw
常磐 誠: おもしろいくらいにw
小野寺 那仁: 罪意識みたいなものですかね
常磐 誠: 少し後ろめたく感じているようではありますね。
緑川: 重くは感じられない印象です
イコ: 少し後ろめたい、社会に対して、同化できないことを責められるんじゃないかっていう気持ちがあって、それをなんとかして避けるために、かれは働く。でも、親戚の人たちは、自分を、同化してない人間、とは見ない。それは「まゆちゃん」への親戚の考え方と、つながってくると。考えれば、よくできた作品だと思います
常磐 誠: あぁ、リセット制度使うくらいならもっとできることあったはずなのに……。みたいな気持ちがありましたね。国の制度には認められても、社会からは認められないんだろうな。という。そして、そこから、その意識から逃げる、というか避けるために働く。これって四十九日のシーンですよね。
あんな: 差異の部分でもう少し心理描写があるといいと思いました(追いつきました)
小野寺 那仁: そうですね
緑川: 淡々とし過ぎてる?
神崎 裕子: たしかに
あんな: そうですねぇ
緑川: この静的な感じは、しろくまさんの持ち味でもあるようですね
神崎 裕子: 主人公にとって重大なことなんですよねリセットしたのは。しかし周りは何も変わらずに接する
あんな: そこで葛藤があると思うんですよ、個人的には
緑川: かなり重いですよね。一年間ものリセット
常磐 誠: そこは母がある程度ぼかして伝えていたことで周りに"僕"がリセットしたことがわからなくなったことが関係するのでしょうね。>周りは何も変わらずに接する
緑川: 親戚たちも知らないわけですね
イコ: 知っているか、知らないかは、重要だなあ
あんな: 親戚で集まるとそういう雰囲気ありますよね。無職だって知ってても言ってこない、話題に出さない、という感じ。例えですが
緑川: えと、母親は、この親戚にはリセットのことをどう伝えていたのでしょう? 親戚たちに
イコ: 『「まゆちゃんの葬式に行けなくてごめんね。実はついおとついまで、リセットしてたんだ」「体調が悪いって聞いたけど、そうだったの」「体調というのもあれだけど。きっと母さんがあやふやに言ったんだ」』
あんな: 本人が言ってますね
常磐 誠: 18ページでは、体調が悪い、と伝えていたっぽい会話がありました。
イコ: という文章があるけれど、あるけれど・・・
常磐 誠: そう、あるけれど……。
イコ: ひとちゃんにはぼかし、親戚には伝えていたのではないか・・・
常磐 誠: という可能性を今私も考えてます。
イコ: 常磐さん、かぶりますねえw
常磐 誠: 何だか、あんなさんの親戚で集まると~のくだりで考えざるを得なくなってしまって……。それまではもうバカ正直に、母はみんなに体調悪いと伝えていたはずだー! って考えてました。
イコ: みんなが話題に出さないのを、主人公は肯定的にとらえていますね。おれだったら、こういうとき、相手に気を遣わせたくなくて、アンガジェマン(社会参加)できないなw
あんな: この主人公相当ハート強い
常磐 誠: 自分はただ単に怖くて引きこもりそうです(笑)。一応"僕"は前日の帰宅時に引きこもってしまう可能性の危惧をしていましたが……。
イコ: 相手が気を遣っている、というのを、人に頼られる、という風に、良い風に解釈できるのは、しろくまさんという作家の、長所でもあり、短所でもあり。しろくまさんって、性善説に立ってるよなーって思います
常磐 誠: だからでしょうか。作品全体が暖かく、緩やかであるように感じられました。
イコ: 自分もです
緑川: だいたい皆さん、そういう共通認識のようですが
あんな: 淡々とした印象は受けました
小野寺 那仁: この淡々とした調子が私は不気味でかえって滅入るわけです
イコ: 滅入るんですか?
緑川: ふむ
常磐 誠: 滅入るほど、でしたか。
神崎 裕子: 私もです
緑川: もうちょっと詳しく聞かせて欲しいかも
イコ: 同じく聞かせてください
小野寺 那仁: なんか自分が失業してた時に似てるなあと。やる気がおきない。何かしなければいけないのに何もしないまま過ぎていくときの気持ちのリズムがこの淡々さとあっているんです
常磐 誠: 自分自身の感覚に悪い意味でマッチしていく。みたいな感じでしょうか?
小野寺 那仁: そうです
神崎 裕子: なんて言うか倦怠感がある
イコ: それ作品がよくできてるってことですねw 形式と内容が合ってる
小野寺 那仁: 神崎さん、あります
神崎 裕子: わたしは受験で失敗したみなのですが
緑川: (「小野寺の感想」より)「文章がその深刻さを裏打ちしている」この辺りですかね。小野寺さんの感想
神崎 裕子: その時に感じた倦怠感がある
小野寺 那仁: その証拠に「まゆちゃん」への印象が淡白ですよね
常磐 誠: 確かに自分が聞いていても、お二人のお話がリセットという作品に対してネガティブになっている気がしません。>形式と内容が合っている。
あんな: 16ページの「人に自分を確認してもらいたくなった」という状態がそうなんでしょうね。倦怠感
イコ: まゆちゃん、たしかに、なんか薄いよなーw 四十九日の主役なのに。
神崎 裕子: 儀礼的にやっているようですね
イコ: 四十九日が、作業って感じがするんだよね、主人公が働いてる様子が描かれるのが、とくにそう思わせる
小野寺 那仁: それでそうやって役立つことで少し気が晴れたってのが、重い気がします
イコ: なるほど。
あんな: (なんだか自分もだんだん思い気持ちに…)
神崎 裕子: 死が道具になっているのはありますね。主人公が回復するための道具
小野寺 那仁: それは感じました
イコ: そういう話聞いてると、表面を覆っている「暖かさ」が、逆に作者の底意地の悪さを感じさせるな
神崎 裕子: それがいいことかどうかはわからないけれども底知れなさがある
あんな: うーん道具とは思いませんでした
常磐 誠: 道具だと自分も思いませんでした。ただ、まゆちゃん確か知恵遅れ持ってましたけど、そこに必然さは感じませんでした。何故彼女知恵遅れだったのだろう?
小野寺 那仁: 道具というよりも転機のように思いました
緑川: う~ん、主人公、前に向いてると思ったのは私だけなのかな
小野寺 那仁: 前は向いているとおもいます。わずかかもしれませんが。
緑川: わずかでもいいんじゃない、と思ったりしますけどね
常磐 誠: まゆちゃんへの書き込みの薄さと必要性をあまり感じない濃い設定は何だか……と思う。
あんな: そうとう前むいてますよ。笑顔を我慢するくらいですから
常磐 誠: 自分も前向いていると思います。
イコ: 自分もー
緑川: まゆちゃんへの書きこみの薄さは、小学1,2年生の頃の記憶しかないから、濃く書くのはちょっと難しいんじゃないかと
常磐 誠: 確かに。その知識しかないから、障害っていうインパクトのある要素だけが記憶に残ってしまうのはしょうがないですね。
イコ: そう思うと、納得できます。自分は、まゆちゃんの書きこみが薄いことは、まったく問題だと思いません。
小野寺 那仁: 書き込み薄いのは問題ないとおもいます
緑川: えっと、そろそろ時間ですかね。20時5分までということで如何でしょう?
あんな: 了解です!
緑川: 21時5分ですね^^;
小野寺 那仁: しろくまさんへの質問は?
緑川: では、最後に。そうそう、それとしろくまさんから、皆さんへの質問とか、一言欲しいですね
しろくま: はい、みなさんありがとうございました。ログを読みながらまとめていましたが、めちゃくちゃ長くなりました(笑)
緑川: 作者として、お聞きになりたいこととかありませんか?
しろくま: そうですね……。SFという感想があったので、意外に思ってましたが、自分の思っていたような意見をいただけてよかったです。全然今回言われなかったことで、「僕と父親の距離」と「名前を呼ばれる」ことも少し書きました。父親との距離は全然情報が足りないと自覚してるのでいいのですが、最後になって「ケン」という名前がはじめて出てきたことを、意識された方はいらっしゃいますか?
緑川: 意識しなかったかな
イコ: しませんでした
常磐 誠: あ、そうでしたね。全く意識に上りませんでした。
小野寺 那仁: それはわからなかったです。申し訳ない
しろくま: やはり書き方がよくなかったですね。ありがとうございます。参考になりました。
緑川: では、時間のようですので司会者の権利(?)お返しします
しろくま: はい、みなさん貴重なご意見ありがとうございました。緑川さん、司会ありがとうございました。では、少し休憩時間にします。次は15分からはじめますね
る: (バイトから帰りましたすいませんしばしログを追います)
小野寺 那仁: こんばんは
常磐 誠: るさんこんばんはです。緑川さん、司会お疲れ様でした。とても良い司会っぷりで凄かったです。
しろくま: るさん、こんばんは
イコ: ういっす。緑川さんの司会、落ち着いてますね。
緑川: わお。至りませんで^^; >常盤さん
緑川: いえいえ、どこで口を挟もうかと・・・
常磐 誠: 申し訳ないです。しばし今から一時席を立ちます。家事を片して戻ります!
る: リセットについて、文体は無理のない文章で読んでいて辛いと思うことはあまりなかった、ただもっというと文体レベルで刺激的ではないのが残念。全体のテーマはわかるんだけどありきたりで、そこにひっかかるの?と言う感じだった、俺だったら最後の一文で主人公が一年前にマクドナルドの雇われ店長をやってて…みたいに全部ひっくり返すと思う、その辺はしろくまさんの人のよさなのかなぁとか思ったり
イコ: しろくまさんの文章は刺激がない、これは一長一短だなあと思った
しろくま: ありがとうございます。これからなんかの工夫はするつもりですよ
イコ: 休憩時間ってことだけど、ここに集まってるみなさん、エッセイ書いてください。「エッセイ競作」エッセイを馬鹿にするな。つまんねーエッセイは、ほんと時間の無駄。悪いけど文芸誌はエッセイに限っちゃ、素人のブログよりつまんないものがゴロゴロしてる。あなた方の思う、「おもろいエッセイ」というのを書いてみてよ! こんなんだったら読むよってやつ。昨日、こういうtweetをしました
小野寺 那仁: 小説書きますからエッセイは無理です
イコ: 部員を挑発します。挑戦してみませんか?
あんな: このtweetで俄然やる気でました(笑)
イコ: さすがあんなさんだぜ
しろくま: はい、では時間になりましたので次の合評をはじめましょう
イコ: ww しろくまさんにも書いてほしいのに~
小野寺 那仁: コマーシャルみたいですね
しろくま: 書けたら書きます(笑)
イコ: (いいもんいいもん、めげずにコマーシャルするもんね)
しろくま: 「明け方の焔」崎本 智(6)。作品を書かれた本人がいらっしゃらないのが残念ですね。でも、時間ですのではじめていきます。神話が組み合わさってたのがおもしろかったですね
イコ: 神話ってね、ギリシャ・ローマ神話あたりを引いてくる人は多いんだけど。日本の神話を引いてくるのは、いいよね。日本人だもん
しろくま: ですよね、僕も古事記好きです
イコ: でもね~、おれはこの作者の狙いが見え透いてて、いやだな
しろくま: それはテーマですか?
イコ: 神話使えば、深くなるでしょ、っていう
しろくま: え、そういう印象ありますか?
イコ: ありますよ。けっこう常套手段です
小野寺 那仁: そういわれればそうですね
イコ: おれ、この作品に関しては、徹底的にdisるので、皆さん、頑張ってください(挑発)
小野寺 那仁: 構造主義が流行ったころにはなんでもかんでも神話だ
神崎 裕子: そういう目的だとしたらむしろ出さない方がよかったね
イコ: ザ・文学なんだよ
小野寺 那仁: ははは。どこを切っても文学の金太郎飴
イコ: 作者は、文学らしい文学書きたくて書きたくて、「文学」のための文学を書いちゃった
神崎 裕子: 教科書といった感じかしら>イコさん
小野寺 那仁: イコさん、ひとつくらいはいいんじゃない
イコ: お手本っぽい感じはあるねえ
小野寺 那仁: 次もされたら怒るけど
イコ: こんなの出したら深くなるでしょ、っていうような要素のオンパレードだもの
神崎 裕子: 神話や音楽ね。
る: 一定水準満たしてる作品ではあった
小野寺 那仁: 6さんはテクニシャンだなあ
イコ: 神話、音楽、血の因縁
小野寺 那仁: 墓のうんちくなんかもそうですね
神崎 裕子: だけどそれが機能的に働いているかと問われると頭に?が浮かぶ
イコ: ですね、墓のうんちく入れて、読者をちょっと、突き放す。んだけど、なんでそこにその一文やねん
あんな: 急に関西弁w
イコ: 作為でかためているのだ!
あんな: 作為というよりは、その時熱心に漱石読まれていたので、そういう影響かなと思ったり
小野寺 那仁: 私は初めのペースでダーと行っちゃったほうがいいんじゃないかと思いましたね
イコ: 影響は、本人も言っていましたね
小野寺 那仁: 誰か古井読んでませんか? 古井と激似ですよー
イコ: 古井とにせられるのもすごいけどねw
小野寺 那仁: 古井は漱石に似てる
あんな: 古井読んでないです
小野寺 那仁: 残念だなあ
イコ: 妻隠には似てましたね。杳子には似てない
緑川: 聖・棲、その辺りも?
小野寺 那仁: 短編集「水」や「櫛の火」はもっと似てます。ちょっとメンヘル妻をいたわる夫。人物よりも火や水を描く姿勢。神話的イメージ
イコ: ふむふむ。辻原登っていう作家にも、文体が似てます
小野寺 那仁: 聖等は読んでいません
る: 「愉快」って最後までピンとこなかった
小野寺 那仁: きませんね
イコ: 泣きたくなるほど愉快な気持ちで~ってやつだっけ
る: うん。なんか裏があるから「愉快」なんだろうなぁと読み進めてたらなんもなかった
あんな: 愉快で笑っちゃうくらい衝撃ってことじゃ?
る: 滑稽とか使いません?
イコ: 衝撃、かー
あんな: 私は結構突然絶望になった時、愉快だなーと思う
イコ: 衝撃、感じてるように見えないんですよね~。感情の起伏が、この男にはない。妻の失踪を受け入れる用意が、整っていたような
緑川: 私も、そうかな
る: 妻がまんまと逃げだして愉快だ ってことだと思って読んじゃった
緑川: 動かない男ではありますね、いろいろと
小野寺 那仁: それが普通ですよね。だいたいこの一家は何をして食べているんだ
緑川: 妻が逃げだして、なんか自分の代償行為をしてもらってる気になったのかも
イコ: 相反する思いが、色々あるんだろうなー、とは思ったけど、「泣きたくなるような愉快な」というのは、やっぱり、6さんの失策、比喩のための比喩、だと思う
小野寺 那仁: 爺さんの遺産か
緑川: まあ、不思議な世界ではありますね。社会との繋がりがそもそもあるのかと
る: あと最後の台詞もっと頑張ってほしかった
イコ: この一家が何をして食べているのかどうか、まったく気にならずに読めたかどうかが、この作品の「説得力」につながるんかなと
小野寺 那仁: ホシオが働いていないのが漱石や古井に似てる要因でもある
緑川: なるほど
小野寺 那仁: 彼らは高等遊民を描いているからか自給自足なのかな
しろくま: 山の中で、高等遊民という印象でもなかったですけど。それも、僕のリセット制度と同じで、考えなくていいことなのではと思います
イコ: 考えずに読めたかどうかが問題だと思うんですよ
しろくま: ぼくはあまり気になりませんでした
あんな: 考えなかった
る: 特に考えなかった
小野寺 那仁: しろくまさんのリセットとはやや違うように思います
神崎 裕子: ぼくもかんがえなかったな
しろくま: 小さな畑でも持ってるのかなとか、自給自足のイメージでした
緑川: 働くとか、どうやって食べるとか社会性の問題だと思うんですけど。そこは、前提とされてない家庭なのかなと
イコ: 現実と切り離された、一種の幻想小説としてとらえられるんじゃないかね
小野寺 那仁: けれども叔母は金がどうのこうのいいますよね。あれが、気になったわ
緑川: で、ですね。一般社会はともかく。この今、小野寺さんが言われた叔母とか、猟師とか、その辺りの親族の扱いまで、社会に準じてしまっちゃてるのかもちょっと中途半端
イコ: 『「世間には、死ぬまで後悔するような額の金を借りる人間が幾人いるだろうね」』このセリフ、なんか俗っぽくないんだよな
緑川: そこは、語り手が浸食しちゃってるのかと >イコさん
イコ: 幾人なんて言い方されて、むずむずするんだけど・・・
小野寺 那仁: でも少なくとも叔母は社会性はあるわけだと思うなあ
神崎 裕子: 文学的(笑)と?>イコさん
イコ: もう、現実的じゃない、一種の神話世界のなかの話として読むしかなかった。そうそう、文学的! 「異化」という文学の妄想にとらわれた作家による、文学的ユートピア
緑川: はい >小野寺さん。で、この後、ほとんど叔母さん出てこないし
常磐 誠: ただいま戻りました。私も叔母が途中から完全に記述されなくなったのが気になりました。
る: たしかに叔母さん宙ぶらりんだったなぁ
イコ: (皆さんは皆さんでけっこうdisっているなw)
小野寺 那仁: でも叔母がいなかったら妻が出ていく理由が希薄になるから出したのかと思う
緑川: で、妻が出ていった後とか出てこない。だから、中途半端って言ったわけです
イコ: 話を多角的にしたいから出した>叔母
緑川: それは、分かります >イコさん
あんな: 叔母は星夫の成長過程を語る上で出した?
常磐 誠: すっごいなぁ! と思ってもツッコミどころ0なんてありえないですよ>イコさん そこまで希薄になりますかね?
イコ: ああ、バックグラウンドが明らかになりますよね、叔母によって。
緑川: ええ、登場する理由、必然性はあるわけです。だけど、中途半端
小野寺 那仁: まあね
神崎 裕子: 叔母が陰気な説明書に成り下がっているb
イコ: 叔母がもっと絡めばいいですね
常磐 誠: なんだか言いたいことがどんどん言われまくっていく!
イコ: 陰気な説明書ww
小野寺 那仁: 叔母によってユートピアがぐらぐらしてる
神崎 裕子: (陰気な…は余計か)
常磐 誠: いや確かに陰気かと。流石にネガティブな方向でのお金の話は嫌……。
イコ: 数本の人間の線(人生)があって、それが、強度を保ったまま、一本の線の、フィールドからの脱落を示すなら、もっと面白くなったと思う
小野寺 那仁: 焚火のくだりはたとえ文学的装飾にせよ面白かったです
イコ: 6さんが、妻の冒険を書きたいって言ってしまったのは、すごく、もったいないことだったと思う
小野寺 那仁: そうだ。あれは言わなくてもいい
イコ: おれは妻じゃなくて、この星夫に注目していたのに
常磐 誠: 何だか視点が移ろってしまったような気がします。>6さんの発言によって。いや私にとっては面白かったんですけども。
イコ: 主眼が妻にあるって分かってしまうと、星夫も、叔母も、父親も、引き立て役にしかならんじゃないか~
小野寺 那仁: ふむふむ
イコ: どれも人生を背後にしのばせた、得体の知れない人間になれば、ぐっとおもしろくなる!(短編じゃ書ききれんけどね)
常磐 誠: 私も(確かに妻中心でも面白くなるのかもしれないけれども。ムーミン的な感じで)星夫がこのまま中心にいて完結していても、良かったように思えます。>この星夫に注目していた
イコ: ムーミンママの話は、聞いておもしろいと思ったけどねww
小野寺 那仁: この話がムーミンとはどうしても結びつかない
イコ: 黙ってる人間にも、誰にも言えない冒険心があるってことですよね
あんな: この妻が冒険に出たというのは考えにくい。きっと里に帰った。
イコ: あははw
神崎 裕子: w
小野寺 那仁: (笑)
神崎 裕子: 現実的だな
イコ: 実家に帰らせていただきますってw
小野寺 那仁: 猟師が嫌だから?
る: あぁ、それで「愉快」なのか
あんな: もうあんな叔母とか焚火とか無理
イコ: 「冒険」って言葉も、かなり文学的
常磐 誠: 旅に憧れを持っていても……。あんなさんの発言で何故か吹いてしまった……(汗)。
神崎 裕子: 6による文学的言葉全集だったのか
イコ: 猟師と性関係を結んだりすると、なお良し>文学
小野寺 那仁: 猟師に一家は借金してたのか
しろくま: 普通に考えたら里に帰るかもしれないけど、夫との生活で抑制していたものを解いて冒険に出た、とも考えられますね
イコ: 6さんって、そういえば、あまりエロスを書かないな。
常磐 誠: 私は文学的言葉全集に終始した、とまでは思わないのですが……。>神崎さん 常磐 誠: 旅への憧れ→実家に帰るまでにあれやこれや寄っていこう! 的なイメージが浮かんでしまう私はやっぱり全体的に発想が軽い。俗っぽいww もうこんな文学めいた世界はいやよ! 俗世に帰るのよ!
神崎 裕子: (冒険と聞いて死に場所を探しに行くとすぐにつなげてしまう…)
しろくま: 死に場所というよりは、自分のやりたいことのほうへという、イメージを持って読みました
イコ: 自分もです
常磐 誠: 神崎さんは格好よすぎるのよ! そしてしろくまさんの、「夫との生活で抑制していたものを……」を曲解すると何だか本当に俗世に~なんて流れに頭の中で勝手に繋がってしまった。一応自分も自分のやりたいことへ、という流れでイメージしています。
しろくま: 星生はどうするんでしょうね。再婚するのかな
イコ: 嫁は来ないだろうなあ・・・
常磐 誠: いや、何だかずるずると奥さんのことを待っていたりしそうです。
小野寺 那仁: 単純に田舎だから都会の子は耐えられんかったとも読めますね
イコ: 血の因縁が出るとこなんか、まさに、「田舎」らしいですね
小野寺 那仁: 神話だからまた繰り返しそうですね。田舎の雰囲気は出てるとおもいます
イコ: この神話、短いなりに、わりと周到に重ねられてるんですよね
小野寺 那仁: 後半の書き込みをもっとすればいいのに
イコ: やっぱ後半にも祖父、父、叔母が出てくるべきですね
小野寺 那仁: 少なくとも叔母はほしいですね
緑川: 一般社会とはほとんど切れていても。家族・親族も小社会なわけで
常磐 誠: 家族は社会を構成する最小単位、なんて言いますからね。>公民の教科書
しろくま: 家族からも消えることで、完全にそういう社会から離れてしまったことの表現にもなっているのでは
イコ: 妻は今、圧倒的に自由でしょうね~
る: トラックの光の描写とか圧巻だったな、6さんの描写は立体感がある。それが登場人物の情緒まで行き届けばすごいんだけど
常磐 誠: 離れて「しまった」とまで言い切るのは難しいような……。
離れたい、はあっても。
イコ: あの描写はよかった>光 漱石をパクったと自ら申したがw
緑川: 描写は私も評価したい。力入れて書かれてます
る: うん、パクッてるってのは聞いたけど、どんどんぱくるべきだと思う
小野寺 那仁: そういうのはいいとおもいます。漱石もパクってるだろうから
緑川: 文章そのものへの姿勢とか、とても好感が持てます
イコ: 先行作品からの影響が、如実に出るようなものじゃなく、しっかり自分の作品に落とし込めているかどうかを、評価したいな! 漱石は、言われるまでわかんなかったし、光は、いいと思うよ
小野寺 那仁: 6さんの他の作品も読んでみたく思いました
イコ: 悪口ばっか言ったけど、こういう作品超好きなので、頑張ってもらいたいです・・・
しろくま: さて、あと5分を切りましたが。
常磐 誠: イコさんは感想でものっそいこの作品褒めてましたからここではdisるのが必然でしょう。むしろスキじゃなきゃ悪口言わないですよね。イコさん。
イコ: ダイスキヨ! いやそんな褒めてたかなあw 水原涼の、甘露って作品思いだしたよ。鳥取の旧家が、因縁に縛られて、沈み込んでいくって話なんだけど「ああ文学だなあ、好きだけど、クサいなあ・・・」って、鼻をつまみたくなるようなもので文学書こうとして書いた文学じゃなくて、結果的に、そうなるようなものが、読みたいんだよ・・・
しろくま: そろそろ出尽くしましたでしょうか。ではここまでにしましょう。5分休憩とします。次は20分からはじめます
神崎 裕子: ====イコのコマーシャルが始まります====
イコ: エッセイと短編を書きましょう!
小野寺 那仁: 書いてますよ
イコ: 小野寺さんすげえなー
常磐 誠: タイミングピッタリwww>神崎さん
小野寺 那仁: 緑川さんがぺナルテイを恐れてます
しろくま: 常磐さん、連載を出されたら?
常磐 誠: 考えています。実は。
しろくま: そうでしたか。ほかのみなさんもお待ちしています
イコ: しろくまさん、書けたら書くってのは・・・どういうことなんだい
しろくま: 紀行を書きたいと思ってはいますが、出掛ける機会がとれるかどうかなんです
イコ: なるほど。今、特集3人なんだよね。これじゃ特集とはいわん
神崎 裕子: エッセイむずかいい
小野寺 那仁: るさんはどうでしょう
る: 書こうと思ったら書ける
イコ: 書こうよ、るさん
る: いいよ
イコ: るさんの文をもっと分析させてくれ
る: をれのぶんをぶんせき。。
イコ: 異質だかんね、twi文で。海外の詩人から来てるから、勉強になるよ
る: ほんとは今回の6さんみたいな文体で書いてたんだよ
イコ: ww
る: あ、昔はね。文学っぽくしてやるぞーみたいな
イコ: なるほどね
しろくま: では、本日最後の合評をはじめましょうか
る: ういす
しろくま: 最後は小野寺さんの「いざ起て戦人よ」
小野寺 那仁: みんな自由に語ってくれ
しろくま: 題名、漢字の変換ができないんですよね(笑)
常磐 誠: 私もです(笑)。
神崎 裕子: ぼくもだ
常磐 誠: いくさびと→戦日と せんじん→先人
イコ: 起きてって書いてから、きを消してる
常磐 誠: たて、の方はいけるのですがねー。
しろくま: この「戦人」とは主人公若者たちのことも表しているんでしょうか
イコ: あ、そうなのか。そこまで深く考えんかった
しろくま: みなさんどう考えました? このタイトルについて。ただの課題曲の名前と思っただけ?
常磐 誠: 私は根が単純なのでそう思ったのですが……。
あんな: 歌のタイトル
る: 俺も深く考えようとまで至らなかった
小野寺 那仁: http://www.youtube.com/watch?v=VZmkAzhMr2I これね
イコ: 戦人、というのは、「この世の罪悪と戦う人」って意味らしいよ
常磐 誠: リンク先辿ると私のPC固まるので後回しです。でも是非聞きたい。そんな意味があったとは……。
る: まず、文章が物凄くたどたどしかった、同じ主語を繰り返したり、意味的に同じ水準の文章の繰り返しだったり
イコ: 小野寺文体
神崎 裕子: わざとなのかしらとスルーした
しろくま: 喧嘩の描写が、すんなりとは分からなかったですね
イコ: 分かりづらいすね
しろくま: 主人公が物凄く冷静だと感じましたけど、それには一役かっているのかもしれない。外から喧嘩を見ているよう
常磐 誠: かなり怯えた、と記述されてはいましたが、まぁ確かに全然本当に外からケンカ見てるようですね。
る: 事実の伝達だけの文章だから
イコ: さっぱりしてるよね
緑川: 書き急いでる感があるかと。プミさんも言われてますけど、唐突感が随所に
あんな: 展開や人物登場がすごい早い気がしましたね
緑川: ですね
イコ: 200枚分くらいの内容を、20枚にまとめた感じ
しろくま: 話が途中で終わってしまった感がありましたか? ぼくはありました
緑川: ネットの小説とか読んでると、もっとエピソード詰め込もうよなんて思うことが多いんですけどこの作品は逆でした
イコ: 途中で終わった感じは、しなかったけど、、もっとなんか、思わせてくれよ~って思いました
あんな: それぞれの人物の魅力を引き出し、ラストを際立たせるならもっと枚数いるかな、という印象だった
常磐 誠: 十分の一! もし本当にそれができたのならすごいことなのですがね……。私も途中で終わった感を感じました。そしてエピソードのダイエットしてほしいな、と思いました。
緑川: >結果を聞かなければ・・・。これを変えれば、この締めでもいいと思います。最後の一文を少し変える
しろくま: イコさんの解釈では、あの内容で200枚と書かれているけど、僕はあの後にも続くという意味で短く感じました
イコ: なるほど。そうすると、タイトル、変わるかもしれなくないですか
しろくま: 卒業式まで続きそうだと思いました
緑川: 創作意図に合唱だけではなくて、高校生の日常を描くっていうのがあると思うので。枚数欲しいかな、もっと。途中も
イコ: バラバラだった四人が、合唱を通して、まとまっていく話なんかなーと読みました。みなさんどうですか?
常磐 誠: >創作意図に~高校生の日常を描く 私もそれがあると感じました。だからこその前半部分のエピソードかな、と。なのでやっぱり枚数が欲しいです。
神崎 裕子: 私もそれ>イコさん
あんな: そう思ったんですが、最後のシーンを見ると、どうなんだろうと思った。
緑川: 合唱を通してまとまっていくというのはたしかしそうなんですけど、そう考えると、それにとどまらない要素が多いかと
イコ: 上に書いたような作品だとしたら、ハッキリ言って、ぜんぜん書けてない気がするんですよw だから迷っている・・・
常磐 誠: まとまりきっては、いないのでは。
る: うーん・・
緑川: 不必要な要素が多い
神崎 裕子: 煙草とか
緑川: まあそれで、自然主義的に高校生の日常を描いていこうという意図をお持ちなのかなと
る: 合唱ってなんだったんだろう、と言う感じだった
イコ: 結局、まとまったように見えない。各自で練習してたし。
しろくま: 合唱で、人をまとめるなら、最初喧嘩した子たちと仲良くなってほしいですね
イコ: 最初喧嘩してた子、いなくなりましたよねw
常磐 誠: 自分の中学ではコンクールがありましたね~。>合唱。単なる授業で、しかも4人では厳しいか。>各自で練習
あんな: 竹虎
イコ: あ、その人w
しろくま: 起承転結におさまってないんですよね
緑川: 面白くなりそうな要素、いろいろ含んでると思うんですけどね
イコ: そうですね。なんか、王道の、青春小説の筋を、ぼきぼきに叩き割った感じ
緑川: 恋あり、バイオレンスあり、社会に対する関心あり
あんな: 叩き割ってばらばらにくっつけた感じ
イコ: そう、ばらばらにくっつけたw だからぎこちなく感じるのかもしれない。おもしろい要素いっぱいですよね>緑川さん
緑川: そうなんですよ。惜しい
イコ: しのぶちゃんの恋心は・・・
緑川: 誰が書かれてましたっけ。ぶった切り方がすごい
あんな: 付き合って→ううん すごいシンプル
イコ: ww
神崎 裕子: しのぶちゃんそのもの否定してるし
イコ: 「ううん」っていう言い方もすげえ
常磐 誠: 即答すごいです。でも結局はその後くどくど理由説明してますけれども。
イコ: あれで諦められたら、薄い恋心だけどなあw
緑川: で、次の行で、クラッシックギターを抱えて唸る・・・
あんな: すごい展開はえぇ
緑川: どう繋がるんだ?と最初、思った
神崎 裕子: むしろ理由のほうが気になった
常磐 誠: 薄いというより、軽薄です。でもそれが若いってことなのかなぁ……。
イコ: 登場人物に思想がない。思想のない人物を描けるっていうのは、ある意味すごい
あんな: その部分が6さんが言われてた青木の作品とかぶったのかもしれませんね、人物がコマでしかない、というような。
イコ: ああ、そうかもしれないですね。学校でアウトロー気取るにゃ、それなりの思想が必要だと思うんですけどねえ。るさんの作品みたいに
る: ん、、
しろくま: 年上の小野寺さんが、なぜに青春小説なのだろうと思いました。プミさんが書いた「ほうたれの木」とはまた違う感じで
緑川: アウトローぽい人物たちですね。みんな
る: アウトローになるための思想ってなんだろな
イコ: 反逆精神、みたいのでいいと思うんだけどねw
常磐 誠: でもアウトローの堅気な思想って、昭和な気もしたりします。私には。
イコ: なんかいまいち、何を思って生きてるのか、わかんないんだよな~
常磐 誠: 何だか良くも悪くも現代っ子?
緑川: この4人、でこぼこカルテットなんですよね、意図的なんでしょうけど
あんな: なんかアウトローなんですけどやけに素直というか…ちゃんと課題練習してるし。
イコ: そう、やけに素直ww
緑川: まあ、留年がかかってるから
常磐 誠: それは色々と事情があったからでは? 卒業とか。
イコ: そのへんきちんと考えるあたり、素直だなあと
あんな: 麻薬関係の付き合いとか出てるのに?
しろくま: この子たちはアウトローじゃないと思いますよ
る: 実際作者はアウトローではないなとは感じたかな
常磐 誠: あれデマだと思います>麻薬関係
しろくま: 少しクールなだけに思う
常磐 誠: 特に主人公の敏雄なんかは特に>クール
イコ: 噂に尾ひれがついただけの、弾かれ者なのかもしれませんね>しのぶ
緑川: ですねえ >クール
小野寺 那仁: デマというのは非常に重要な要素ですね、常磐さん
しろくま: 麻薬は、どちらかといえば印象としてフィットしていなかったように思う
イコ: アウトローに、仕立て上げられちゃった四人って感じなのかも
小野寺 那仁: 作者は黙っていた方がいいかあ(笑)
イコ: ww(つい言いたくなるんですよねw)
神崎 裕子: そうですねえ
しろくま: 落ちこぼれ扱いは受けてますけどね
常磐 誠: この高校は進学校であるようには思えないんですけれども、でも特にアウトローに見える人や、弾かれ者にはこういうデマをよく擦り付けられる気がします。>小野寺さん あ、作者様には何も言わないほうがよろしいでしょうか? 手遅れですが。
緑川: それもまた、高校生の日常ですかね
イコ: この人らの悪行は、ぜんぶ、語られてることばかりだもんね。伝聞・推定
しろくま: 失礼な言い分ですが、小野寺さんの年代のアウトローって尾崎豊の世界だと思うんですが、この子たちはすごく現代的で、そしてアウトローにまでなれる強さも持っていないように思う
る: テクニックとして、犯罪行為をさもあたりまえのように語ると、そういう世界なのねって素直に納得できたり
常磐 誠: その通りです。>伝聞・推定 私もその通りだと思います。>しろくまさん
神崎 裕子: たしかに
イコ: おれは古っぽく感じたけどなあw リーゼントとか似合いそうってw
小野寺 那仁: しろくまさん。私の高校生は尾崎の5年ほど前です
常磐 誠: じゃあやっぱりリーゼント!?
小野寺 那仁: リーゼントにそりこみですね
イコ: 昭和の香りがぷんぷんしたんだよな~、随所に
神崎 裕子: 尾崎前の学生が盗んだバイクで…みたいにしてる印象はあった
あんな: 時代設定気になるなぁ
しろくま: 小野寺さん、失礼しました(笑)
緑川: 原発ではなくて、原爆ですしね
しろくま: 絶対この子たち、窓割れない(笑)
小野寺 那仁: 思想なんてないですよ。デマと間抜けなだけです
常磐 誠: 私の個人的な感覚では、校舎が古臭い木造でもやっぱり人物は(敏雄除いて)結構窓割れない気がするんだよなぁ……。
イコ: 小野寺さんが、、語っている・・・w
小野寺 那仁: あ、すみません。どうぞ
しろくま: 逆にぼくは、きわめて現代の学生に読めました
あんな: じゃあアウトローじゃないってことで!
神崎 裕子: 無気力こじらせたアウトーロ読みました敏夫
緑川: 昔と読みました
イコ: しろくまさんの話聞いてると、そうかもって思えました
しろくま: どっちなんでしょうね
緑川: 改稿の際の描写で語ってもらうしかないかな。小野寺さんに
イコ: でもね、比喩がまずいですよ。「侍女」とか
緑川: 女子高生のスカートが長いか短いかとかで
イコ: 現代っ子に、侍女なんて比喩当てはめちゃいかんと思う
神崎 裕子: w
小野寺 那仁: ふんだ
神崎 裕子: 娼婦みたいなもんだし
イコ: そうですよ、失礼ですww あと今の高校生って「いざ起て戦人よ」歌うんすかね
緑川: パンチパーマもたぶんしない
イコ: 高年齢層が歌うイメージがあるんだけど
小野寺 那仁: さっきのユーチューブ中学生です。たくさんありますよ、この課題曲の合唱
緑川: 歌の存在自体知らなかった
イコ: ふーむ~
しろくま: いまの高校生って、僕たちの年代のときよりおとなしいですよね
緑川: 学校によるんじゃないですかね
イコ: 僕たち>20代中・後半ですね
常磐 誠: 冷めてる。という感じ? でしょうか。
しろくま: 女の子も、ヤマンバとかいなくなって、清楚な子が多くなったし
緑川: 底辺校と、ハイソなとことでめちゃくちゃ違うかと
イコ: でも、おとなしくなってるのは感じます、ほんと。
神崎 裕子: 少なくとも二年前まで高校生やっていた僕から見たらこいつら暴力的だと思いましたね。攻撃の手段がネットになって陰湿になっただけかもですが
イコ: あー、陰湿化してるのか。暴力の手段が、変わってきてるんだな
小野寺 那仁: 私はみなさんに高校生の頃を書いてほしいって思ってこれ書きました
しろくま: そういう元気のない印象が、作品の子たちと合うところがありました
常磐 誠: 何だかこう、肉体的攻撃がなくなったのに、その分精神的攻撃に変わってきている感じです。
イコ: ネットの炎上とかね
神崎 裕子: (クラスの女子が裸さらされていた画像を見た)
イコ: そうだ、肉体的な描写が、この作品を現代っぽく感じさせないんだ
神崎 裕子: (暴力の形がそんな風になっている)
イコ: 序盤で戦ってるもんな
緑川: 70年代の雰囲気
常磐 誠: あとパンチパーマとかの細部に案外70年代が紛れ込んでいるのも現代的イメージから離れちゃう原因に。
緑川: いちご白書とか
イコ: 噂にしたって、ネットの書きこみで流れてたら、現代らしさ出るかも
神崎 裕子: ああ
緑川: 私は知ってるけど、ここ知らない人いるんじゃないかな
イコ: いちご同盟なら分かりますけど、いちご白書は名前しか
しろくま: そう、喧嘩だけ現代じゃないんですよね
緑川: 小野寺 那仁「私はみなさんに高校生の頃を書いてほしいって思ってこれ書きましたさっき」言われた小野寺さんの発言、流されましたけど
緑川: これ、どうですかね、皆さん
イコ: 小野寺さんの、高校生の頃ってことなんでしょうねw
緑川: この作品が小野寺さんの高校生時代で、小野寺さんが投げかけられてるのはそれぞれの
イコ: そうです
しろくま: いいですね、書いてみようかな。さて、そろそろ時間ですが、小野寺さん意見ありますか?
常磐 誠: というかこんな音楽の授業があるのはむしろ良いなぁと思ってしまう。私の高校音楽の授業なかったですもん。
小野寺 那仁: 自分の高校が底辺校だったのでそれ以外の高校はどうなんだという興味があります
る: 俺は今回書いた、高校時代
小野寺 那仁: 常磐さん音楽は選択科目だったんですよ
あんな: じゃあ書こうか
神崎 裕子: (エッセイでこれかこう)
イコ: あ、それいいな神崎さんw
常磐 誠: うちは選択すらできませんでw>小野寺さん
小野寺 那仁: いやあ音楽の苦手な私には苦痛でしかなかった
イコ: ハイスクール競作 各自の高校の頃を作品化する
あんな: 嫌な記憶色々呼び覚ましそうだなw
緑川: フィクションなら書けるかな
常磐 誠: ええ本当に。
神崎 裕子: とっきーさんがソノアイディアぱくりそうw
緑川: そのまま書いたって碌なもんじゃない
イコ: ごめんただの冗談ですww
常磐 誠: パクリませんパクリません。私高校時代嫌なことばかりで自分が書けないですもん(笑)。
イコ: とっきーさん、ぱくっちゃだめよwww よかったw
小野寺 那仁: まあ嫌ならいいですよ~
常磐 誠: それにこの競作は小野寺さんが編集長になった時に発表すればよろしいのですよ。
イコ: たしかにw
小野寺 那仁: ただ小説のリアリズムとしては書きやすいですし、社会があるからいろいろ出せるかなと思いまして
イコ: 5月の定例会ホストが空席ですからね>小野寺さん
しろくま: では、第3回合評会の二日目はここで終わらせていただきます。みなさんお疲れ様でした
しろくま: それでは合評会をはじめましょうか。みなさん、よろしくお願いします
小野寺 那仁: よろしく
常磐 誠: よろしくお願いします
あんな: よろしくおねがいします
しろくま: 三日目は緑川さんの「目覚め」から合評を行ないます
甲斐 寛樹: よろしくお願いします
しろくま: 時間は22時5分まで。では、はじめましょう。この作品は二人称が使われていました。私はこの作品が初めての二人称の作品でしたが、ほかの皆さんはどうでしょうか
あんな: 記憶が曖昧ですが、はじめてだったような…
常磐 誠: 恐らく私も初めてです。
小野寺 那仁: あったような気がしますが、記憶に薄いです
常磐 誠: 二人称って、書きたいなーとか思っても、書き方がわからなかったですし、アイデアも全然わからなかったので私は書くことも出来ませんでした。
神崎 裕子: いくらか読んだ覚えがありますが作品名までは覚えてないですね
甲斐 寛樹: 多分読んだ事ないです
だいぽむ: なんか最近の新人賞取った小説に「おまえ」が主語のがあったような
あんな: なんかあった気がします!題名思い出せませんが
しろくま: めずらしいですよね
神崎 裕子: あまり書かれていない形態ですね、この作品では二人称のつかず離れずの距離がいいかと思いました
甲斐 寛樹: 心理テストでしか見た事無い
常磐 誠: 心理テストっていうとどんな感じになるんでしょう?
だいぽむ: これは2人称なのかな。最後の私の1人称じゃ
常磐 誠: イコさんが仰っているような、主人公の「自我」の目覚め→(「君」というように自分の存在を語るのは、自分を客観視できるようになった「私」だということ)という感覚でしょうか? だいぽむさんの言い方だと、何か違うような気がしますけれども。
甲斐 寛樹: 僕も一人称だと思いました。それを二人称で書いてる「あなたは今一本の道を歩いてます」とか
だいぽむ: 「君」は作中の幽霊である「私」の呼びかけにすぎなくて作者が読者に呼びかけるような二人称とは違うと思ったけど。「君」がメインで使われてたら二人称小説ってことになるのかな
小野寺 那仁: なるほどね
あんな: いままであまり二人称って意識したことがなかったので、二人称かどうかはわからないですが、たしかに最後に私、と出てくる部分は一人称っぽいですね
常磐 誠: あ、理解できました理解できました!
二人称小説っていうと、「作者が読者に呼びかけるような」二人称でないと定義から外れる、ということなのでしょうか? 自分それがよくわからないです。
だいぽむ: そういうことですけど、定義から外れるかは僕も定かではないですw
常磐 誠: あー。何だか早速勉強になりました。>だいぽむさん じゃあこの作品は実は二人称の皮を被った一人称小説だった! みたいにも取れますよ、ということですか。
だいぽむ: と思ったのです
神崎 裕子: 若い小説家に宛てた手紙ではそのことに言及されてますね。持っている方は53頁を
あんな: 若い~の53頁を見てみると、やはりそのへんの定義は曖昧な印象。何者かがわからない存在
小山内 豊: 守護霊みたいのが宿り主に話しかけている一人称によめますね
だいぽむ: 君は馬鹿だなぁ。と私は思った。って1人称ですよね。この君の部分がぐっと引き伸ばされてるだけの印象
神崎 裕子: そうですね。
常磐 誠: 結局"私"が存在してますからね。確かに引き伸ばされてるっていう感じです。
小山内 豊: 引き伸ばされているだけ、ってどういうことですか?
あんな: しかしここに出てくる君、は明らかに読み手ですよね
神崎 裕子: 私がいてたまたま君について語っているのですね。長々と
小野寺 那仁: 君は店員だと思います
だいぽむ: 読み手なんですかね? 私の息子と受け取ったけども
神崎 裕子: どうだろう。登場人物のひとりとしてみました
小山内 豊: 鏡に映ってますからね
小野寺 那仁: 37ページにこの単調な4年とありますけど
だいぽむ: ずっと2人称だと思ってたら、最後の最後で人称のどんでん返し食らって、うまいなぁと感心した次第です。
あんな: 私の息子、と言われてもう一度目を通すとそれらしい文章がいくつもありますね…
だいぽむ: そうですね
る: 二人称小説という込み言った形式はおいておいて。日本語として難なく読めたのはよかったです、ストーリーラインというかオチもしっかりしていると思うので、あとはどう読ませるかの問題で、そもそも君が誰だか議論されている時点で、読者が作品に没頭できていない証左だと思う。どう読ませるか、別言すると、いきいきとした語り(今回だいぽむさんが成功しているような)が次のチャレンジになってくるのではないかと思いました。
しろくま: 形式がうまく作品に合っていましたよね
小山内 豊: いや、私はひそかに不満に思ってましたよ^^ ギミックの部分が焦点になっていることが。でも、それ以上のところがあるのかどうかわかりませんでしたけど。文章はうまいと思いましたし、二人称のようなものもいいアイデアだと思いました。しかし、この作品って、エンターテイメントなんでしょうか? そうだとすると、肝を外しているような不満が残るなぁ……
だいぽむ: イコさんは私=君と捉えたみたいだけど、そうするとなぜ中年ヤンキーを見守ってるのが老婆で、おっさんを見守ってるのが妻なのかわからない。自然と連想で、君を見守ってるのが家族とか血縁者であると想像してしまう。僕は家族愛だと思い、エンタメに近いと捉えたな
常磐 誠: 確かに。>自然と連想
小野寺 那仁: そうですね。この作品は人称を定かにしないと何が書かれているのかわかりにくいです
あんな: 肝をはずしている、というのはエンタメとしてってことでしょうか?>小山内さん
る: エンタメとしてはダメだけど純文としては合格といった趣旨の発言に思えた
小山内 豊: そうです。エンタメだとしたら、もう少し話を膨らませてドラマを盛り込む余地があったと思います。
小山内 豊: いや、純文としてでしたら、守護霊の意味合いをもう少し踏み込んで欲しかったかな……みなさんは位置づけ的にはどのように思われましたか? 必ずしもどっちかでなければいけないということはないと思いますが。
る: あ、了解。特に位置づけて読むことはしないです
あんな: 私はエンタメはほとんど読まないので位置づけはわからないです。純文として読んだと思います
神崎 裕子: エンタメ、純文とかそんな区分にするならどちらでもないとおもう。どちらにしても中途半端かなと。しかし位置づけに意味があるのかはわからない。守護霊というのはどうしてそうよみましたか>小山内さん
小山内 豊: 位置づけというのはこの際は問題視されるべきだと思います。この作品の意味合いを考えるうえで、どこまで深読みすればいいのかという点で一つの指標になるんじゃないでしょうか。
る: ならエンタメを読まない俺は黙っておきます、純文としか読めないので
しろくま: 僕も小山内さんの意見です。純文学として考えるのかと思うところもあったけど、そう読んだところで答えはわからなかった。だからこの作品はエンタメとして読むべきだと思った
常磐 誠: エンタメ風味を感じはしますが、純文寄りのイメージで読んでいます。
小野寺 那仁: うーん何とも言えません、どっちにしても中途半端なのか?
イコ: 位置づけってなんだろう、作者の考える意図を読みとるってことですか? 純文学として書いたか、エンタメとして書いたかを議論したいってことですか?
小山内 豊: そうです。問題を提起させてもらっているつもりなので、決め付けるつもりはありません。私は守護霊?に得に意味づけはないと考えたので、この作品は、人称を工夫した習作であると読みました。
る: むしろどの種類の読者に迎合するかって問題じゃないのかな>位置づけ そうすると、メッセージや、現代性に向けた問題提起などもないので、読者を楽しませるためのに書かれたエンタメ?なのかなと。
小野寺 那仁: るさんの意見に同意ですね
る: あらゆる本が読者を楽しませるために書かれていると思うんですが
あんな: 純文として読むならギミックに頼りすぎてる、という意味ですかね
小山内 豊: テクスト論者的には不満かもしれませんけど^^
イコ: なるほど、ありがとうございます、小山内さん。
しろくま: 話題が人称や分類についてとなっていますが、作品のより深い部分での意見はありませんか?
小山内 豊: ギミックしかないと思います。
小野寺 那仁: 死者にそんなものがあるかって?まあ、自分で考えなさい。という部分がよくわからなかったですね。
あんな: 私、が誰なのか謎なまま読んでいったので部分的な印象は薄いかもしれません。ラストありきという感じかも。
甲斐 寛樹: この作品は最後の一文が全てで、あとは飾り。より良く飾るために霊的な視線で客を見てみた。という事だと思ってます
る: もっと客を見ていて楽しめるように書いてほしかったかなぁ
常磐 誠: この作品って、確かイコさんが代理で提出された作品でしたよね? この作品で皆に色々考えてもらいたいって仰ってましたっけ。
イコ: 言いましたね
常磐 誠: 何だか、「異形の者」との比較で考えてみるとどうにもこの作品で色々考えることってなかったように常磐個人では感じます。何だかかなりスー、と流れて行っちゃった感じがします。
イコ: 人称についての議論を含めて、作品の世界をそこに立たせる方法について、語れるんじゃないかなーと思って、言いました。
常磐 誠: 確かに人称については自分の中で学べました。
イコ: 「是非」を含めて、です。今常磐さんが仰ったように。
る: まず君、と呼びかけるからには共感が無いと無理、
イコ: 共感って?誰が誰に共感する?
だいぽむ: 驚きを与えるという意味では成功していると思いますけどね
あんな: 私は緑川さんの作品は「異形の者」しか読んだことがないので、このような小説も書くんだ、というのが面白かった
る: 例えば、この間読んだ「冬の夜一人の旅人が」が二人称小説だったんだけど、書き出しから、完全に「あなた」と、読んでいる自分が同期する、
イコ: ふむふむ
常磐 誠: かなりオチが読めていたという意見が多く出ていますけれど、オチではなく人称の扱い方とかでってことですか?>だいぷむさんの「驚き」
る: 方法としては、色々とあると思うけど、共感のさせ方、 誰が誰に、っていう問いに答えるとしたら、読者が作中の「君」にかな
だいぽむ: あ、そうです。実は二人称じゃなかった、的な。>常盤さん
イコ: (今日は自分もほとんど離席してたから、申し訳ないんだけど、ぜんぜん議論が奥に届いてなくないですか?時間内にまとまんない気がする)
常磐 誠: 二人称じゃなかった。……私完全に二人称と思い込んで今日まで来たもんだから、そういう驚きもなかったですねー。やっぱ知識もいるんだなぁと痛感中。
あんな: 自分も含めてよく読み込めてないんでしょうか
小山内 豊: 私はこの作品に奥行きがあるように読めなかったからなぁ……、それが用意されていたとしても、希薄なんじゃなかろうか。
小野寺 那仁: ところどころノイズっぽく君に感想を漏らす書き手の意識が何か意味ありげに思う
イコ: 「異形の者」と段違いで奥行きを感じました。軽い読み物ではなく、私の精神の流れを詳らかにする小説だと感じたからです。
あんな: イコさんの言う、何に目覚めたのかという部分がよく理解できませんでした
小山内 豊: うーん。
イコ: あ、目覚めというのは、自分の解釈では労働に自我を摩耗させた三十男が、徐々に精神を、研ぎ澄ませていく小説だと感じたということです。それが、「幽霊」が見えるという現象になってあらわれる。この場合の、外部に存在する幽霊とは、他者を想像できるようになった自分を示す。他者について思いを巡らせることができるようになったからこそ、最後に、「私」を発見することができる。スーパーのレジ打ちとかしてると、なんか、だんだん、何にも考えなくなるじゃないですか。この小説は、その逆で、考えるようになってきた小説だと思うんです。この男はそのうち、スーパーやめるんじゃないですかね。そんな気がします
あんな: 自分はもう少し違う視点で読んでいました。スーパーの幽霊の部分は自分の意識なんだけれども、最後、自分という存在自体を客観的に見る、というような…あれ、一緒ですかね?
イコ: いっしょです!
小山内 豊: イコ「他者について思いを巡らせることができるようになったからこそ、最後に、「私」を発見することができる」ここがよくわからないです。
神崎 裕子: 同じような読み方しましたね
る: そういった感慨は得られなかった、残念ながら
イコ: 世界への想像力が欠如していく単純労働からの、脱却のシナリオと読んだんです>小山内さん
だいぽむ: もしそれを狙ったなら、まず摩耗が描けていませんね。そして幽霊が見える様になったのも唐突すぎる。それからさっき書いたけど、家族・血縁者の守護霊であるという連想が強すぎる
しろくま: あんなさんとイコさんの意見は違いませんか? あくまでイコさんは主人公が他人に気づくと言っているのに対し、あんなさんは自分を客観的に見えたということを言っているから
あんな: 似ているかもしれませんが、他者を見るようになったというよりは自分の意識的な部分かと思いました
小野寺 那仁: でも最後に君は私を見つけるのだから私は君の想像ではないような気がしますね
イコ: 他者を知ることによって、自分の内側に存在する「私」を発見するんです。
しろくま: すみません、時間ですね。緑川さん、意見はありますか?
常磐 誠: あんなさんは最初から最後まで自分という世界ですよね。一方、イコさんは他者に気付いてから、自己という世界に触れることが出来た。
小山内 豊: 他の客は、やっぱり守護霊であるし……。ただ、「君」にだけ発見されることにはなにかあるんでしょうね。でも、やっぱり希薄です。
イコ: あとで語り直します。あんなさんと自分の意見は違うようで一緒だと思います。うまく語れず申し訳ない。
だいぽむ: 十年以上もぼんやり過ごしてた割には、なんのきっかけもなく急激に他社が見え始めるというのは唐突かな
イコ: うん、それはそうだね
しろくま: 緑川さんからの反応がありませんね。では、いったんここまでとします。次は20分からはじめます。
緑川: 非常に興味深く聞いてました。休憩します
イコ: ごめんなさい、最後かき乱して。
小野寺 那仁: いえ、よかったです
神崎 裕子: いえいえ建設的な意見交換できたと思います
常磐 誠: 最後のアレのお陰でめっちゃ自分の中で「もう一回考えよう!」ってなりました。
小野寺 那仁: 教訓としてあんまりややこしくすると伝わりにくい
神崎 裕子: この作品は「合評やりなおしたいな
小山内 豊: いろんな切り口があったほうがおもしろいです
あんな: 君、というところから読み手である自分を意識しすぎました。他の方の意見は参考になった
イコ: 親戚からの電話があって・・・w
イコ: 必死にトイレ我慢しながら四十分間相槌打ち続けるイコ
あんな: イコさんてっきり居眠りしてるのかとw
小山内 豊: イコさんが深く読んでくるという予感もあったし、それでも「エンタメ!」で責めるつもりでした^^
常磐 誠: ずーっとトイレ長いなーとか思ってました……。
イコ: あははw 我慢させられてたんですよ!トイレw エンタメ!で責めてくるのに対して、いや深い!って、もっと切り込みたかったな
る: その対話って何か意味あるの?
神崎 裕子: 尺がたりなかったですね
イコ: 作者には意味あると思うよ
る: エンタメが責め文句になる意味がまずわからない
イコ: 小山内さんは、エンタメであること自体を責めてはいないじゃん
小山内 豊: 私の場合は、自分が捜索するうえで、問題意識をどこに据えるかの再確認になりますね。捜索→創作
常磐 誠: 「自分は○○のつもりで書いていたけど読者は逆に受け取っていた、ということはやっぱ書き込みが足りなかったのかなー」とか、色々考えることができると思います。
イコ: 解釈をエンタメで押してくる、って意味での責めで、小山内さんの批判の文脈は、中途半端さ、ってことでしょ
る: あー、なるほど合点いった。攻めじゃない?
小山内 豊: そうです
緑川: 作者からも最後に言いたかったのですが、時間もおしてるので、別に一文どこかに書いておきますね
神崎 裕子: OKです
小山内 豊: おねがいします
しろくま: それでは次にいきましょうか。劣情に惑う剣:常磐 誠
常磐 誠: よろしくお願いします。
しろくま: それでははじめます。まず私の感想ですが、よい評価はできませんでした。悪い意味でのネット小説、そういう感想です。批判内容については個人の感想にまとめてありますので、常磐さん本人には参考にしていただければと思うのですが、ほかの方のご意見はどうでしょうか
る: まず日本語として非常にまずいと思った、誰が誰に何をしているのか状況が一発で入ってこない。
小山内 豊: ネット小説ということだけども、それは私も賛成です。いい足すならば、ネット小説的な面白さを追求する一助となる場になったらいいかなと。
小野寺 那仁: 楽しく読めましたけど
イコ: 元々日本語って、誰が誰に何をしているのか分かりにくい言語だと思うけどね、論点ズラシごめんなさいw
小山内 豊: つめこまれた読みにくさは感じました>るさん
緑川: 主人公の心理の説明部分がかなりの分量を占めている。その分をもっと簡潔にして、「絵」を見せて欲しかった。私は小説を読みながら「絵」というか場面を頭に思い描いてることが多いんですけど、そこが浮かびにくい文章だったと
神崎 裕子: リアリティーを削いでいるかな。誰が誰に何を..ってのもその一因なんだろうけど。
あんな: 前回の一人称はすごくはまっていると感じたが今回は少し物語と距離をおいてほしかった感じがした
イコ: でもこういう小説って、海外の翻訳のように、多少ぎこちなくても、主語と述語がばっちりハマっている、分かりやすい書き方の方がいいような気もするんだ
甲斐 寛樹: 常盤さんはおいくつですか?
神崎 裕子: 23ですね
る: 分かりやすい書き方を習得してから、日本語独特の欠如的な表現にチャレンジすべきだと思う
だいぽむ: ステレオタイプがあまりにも多い。既視感ハンパなかったです。少女漫画にでてくる男たちのよう。会話のリアリティもないです。揃いも揃ってクサイです。
小野寺 那仁: うわあ、みんなとかなり意見が違う!
甲斐 寛樹: 僕は好感持てたけどなー
緑川: あぁ、マンガ的、だから絵が欲しいと思ったのかな、私
小山内 豊: 読めないなぁ^^ もったいない。
イコ: 自分はその既視感ハンパない感じこそ、この小説の魅力だと思います
神崎 裕子: だいぽむさんとおなじことかんがえてるなあw。漫画的なんだ漫画だから否ってわけじゃないが
だいぽむ: まあ確かに少女漫画はステレオでもおもろい
小山内 豊: 常盤さんいらっしゃるし、どんどん感想を書いたらうれしいはず>カエデさん
イコ: こういう作品って、多少クサい方がおもろいと思うんですよね。もう、王道のラノベ節
甲斐 寛樹: 同感
小野寺 那仁: だけど常盤さんが少女漫画的な小説をめざしているのなら別にいいのではないかと思うのです
る: 少女マンガ??
イコ: かれはメディアワークス文庫入りを狙っているそうですよ
あんな: 漫画、アニメみたいな印象はあったんですが、あくまでも小説としてはこういう雰囲気は馴染みがなかった
カエデ•アグ: では、僭越ながら……。他の方が書いていた通り、僕も何度か読み直して、状況を理解するのに苦労しました。あまりラノベを読んだことがないので、イメージですが、ラノベ的だなあというのが一番最初の感想です。
小山内 豊: ステレオタイプでいいと思います。しかしですね、この主人公、あまり魅力がないんですね。なんだかうじうじしているし、主人公の超人性も、このお話では説明文で書かれている。そこがかなり不満です。
イコ: ふだん読まない方は、そうなのかもしれないな、この文章
神崎 裕子: ライトノベルではあったと思うな
小野寺 那仁: この作品は長い小説の中の一部分のような印象です
イコ: おれもそんなにラノベ読んでるわけじゃないけど、一発で、すーっと入りました。
カエデ•アグ: 語ってるのか、物語が進んでるのか、そのごちゃまぜ感が良くも悪くもあるように思います。
イコ: ふだん読むものとは、頭切り替えた上での読みですが
緑川: ちょっと読みにくかったですね、私も。
小野寺 那仁: 私も一発ではいれましたよ、イコさん!
イコ: ふだん読むものの方が、ずーーーっと読みにくいですw
あんな: 読みにくい小説はいっぱいありますけれど、読みにくくする必要性はあったのだろうか
る: ある意味一番難解だったかも
神崎 裕子: たしかに
カエデ•アグ: 最初の一行目で「あ、ラノベっぽい」と思ったので、そういうつもりで読んでました。
イコ: 同じです
カエデ•アグ: 女の子の手紙を読んでいるような気分にもなったのは、いろんなものが同時進行していたからかな……?
イコ: 読めたといっても、ものすっごく、平面的な形でとらえましたけどね、二次元の世界で読みましたから。
カエデ•アグ: 脳内でアニメ補完してました>二次元の世界
イコ: 短編競作で唯一、アニメ絵になった
る: 6さんがへたうまって言ってるけど、どうなんだろ
あんな: 魅力はあると思いますよ、文章自体には
る: ふむ・・・
イコ: とりあえず、ひどいラノベ読むくらいだったら常磐さんの作品読みますよ。それくらいの文章力はあるなーと思いました
あんな: ラノベを読まないので何とも言えませんが、この文章でもっと内面をえぐるような作品を書いたら6さんの言うようにすごいことになる予感がします
小山内 豊: アニメ絵ということだけど、この話、あまり動きがない。主人公の頭の中以外は。いつもどおりの部活か何かの風景です。物語としても、振幅は小さいと思います。どうだろうか?
カエデ•アグ: だからこそ、脳内補完が必要でした
だいぽむ: 少女が読んでる書籍のタイトルは伏せたほうがいいかもしれません。少女がとある書籍を深刻そうに読んでいて、主人公が衝撃を受けた、それだけで十分伝わったのではないでしょうか。そちらのほうが想像を掻き立てられます。
イコ: こういうのって、大体図式化されるんよね。ツンデレ、とかヤンデレとか。どのキャラクターも、差異は微妙なものでしかない。パーツの組み合わせ方も、実はパターン化されてる。
カエデ•アグ: ところで、これはラノベってことで良いんですか?
あんな: この作品で作者が何を伝えたかったのかっていう部分を考えると最後はやはり、うーんという感じがしてしまった
イコ: 本人は、かなりラノベに寄ってるけれど、もっと上の年齢層も読めるようなものにしたいというように語っていた。(違ったらごめんなさい、常磐さん)
常磐 誠: 大丈夫です。合っています。メディアワークス文庫は、「大人も読めるラノベ」が中心となっています。
カエデ•アグ: あ、嫌みじゃなくて「キャラクター小説」であるなら、登場人物たちはこれで良いと思うのですが。
甲斐 寛樹: 主人公のキャラが薄い感じは否めない
緑川: んと、悠のキャラクターは、現代の高校生というより、中世ファンタジーの、盲目の騎士にこういうキャラがいそうな
小山内 豊: 作者が伝えたかったこと、というよりは、主人公が迷いを絶って、好きな異性にアプローチするというカタルシスを受け取るってことだと思います
あんな: カタルシス、感じなかったなぁ
小野寺 那仁: 確かに私でも違和感がなかった
イコ: ラノベの主人公、むっさキャラ薄いんだよね。あれは読者が自己投影できるようにしたくてそうしてるんだろうと思う。けどその目線でいくと、この主人公に自己投影することは、たぶん、若い読者でも無理だと思うw
神崎 裕子: そういう意味ではこすぎるものねえ
小山内 豊: いや、私は概観しただけで、共感したわけではないです^^ >あんなさん
イコ: あんなさんの言うように、もっと内面を掘り下げていくと、おもしろくなるような気がしますね。そうでなければ、エロを出すしかない!
あんな: イコさんw
甲斐 寛樹: 読者に自己投影させるなら、「もっとがんばれよお前!」って思わせて欲しい
カエデ•アグ: 語るわりには、薄い気がしました。
小野寺 那仁: 主人公の恋慕が主題であってそのまま書くのは羞恥があるので物語化したようにも思いました
イコ: 冒頭にラッキースケベがあれば、男の子は鼻息荒く、先を期待してワクワク読み進めるものです
小山内 豊: 内面を掘り下げるのは冒険じゃないかな。もっと簡潔に、カタルシスを高める工夫を考えたらいいんじゃないでしょうか
イコ: この作者、タイトルにもあるように、「劣情」を表現したかったんでしょう・・・内面を掘り下げようとする意図があると思うんですよね。でもそれが、表面的なところにとどまって、「既視感」という言葉で片づけられることに問題があるのかな、と思う
神崎 裕子: 定型文であることも原因の一つかな
緑川: 女の子のことを気にして自分のペースを失うことが劣情だろうか
る: 劣情っていうからにはオナニーはしないと
イコ: 「劣情」っていうタイトルもなー・・・
神崎 裕子: 一目ぼれという非論理的行為をした劣等感
イコ: オナニーするのはいいですねw でもラノベの暗黙の制約で、ラノベに出てくる男子はオナニーをしない!
だいぽむ: ww
る: なぬw
あんな: そうなんだ
緑川: ん~、それを主人公が感じるなら分かるんですけど、作者がタイトルにする言葉かなと
甲斐 寛樹: 高校生の劣情とは
イコ: 主人公のオナニー見るくらいなら、女の子の裸が見たくて読んでるんですから!
甲斐 寛樹: 裸とおっぱいとパンツ
イコ: なんかおれがエロだけ求めてラノベ読んでるみたいな、遺憾な空気がする
神崎 裕子: (ちょっと男子落ち着きなさい)
小山内 豊: 私は主人公の前にもっと説得力のある困難を据えたらいいんじゃないかと思います。ライバルでもいいし、宗教的なことでもいいし、金銭的なことでも。
あんな: 常磐さんがおっぱい方面を目指してないならやはり香織ともっと色々あってもよかったかもしれない。自殺指南書のところはあまりにも軽い気がする。
イコ: たしかに自殺指南書、軽いっすね。香織をまったく書けていない、ですよね
る: 自殺指南書の角でオナニー
イコ: w
緑川: ライバルとか、これもまた定型ですけど、ありと思います >小山内さん
小山内 豊: 対立構造ですね。わかりやすいし、カタルシスもある
イコ: 宗教が入ると、作品は大きくなってくれる気がする
小山内 豊: 宗教的に、ハンディのある人とは付き合えない。いいとおもうな
緑川: とにかく、あんなさんも言われましたけど、主人公と香織とのかかわりがなさすぎるし
イコ: 20枚という紙幅を気にして、駆け足で進めすぎてるんですよね、だから香織とのかかわりがない。常磐さんは中盤のぐだつきを気にしておられたけど、そんなの、まったく問題ないと思う
緑川: プミさんも言われてますけど、登場人物の唐突な出方も枚数の問題ですかね
だいぽむ: すいません、諸用により落ちます
小山内 豊: 便乗じゃありませんが、私もここらで。ありがとうございました。おつかれさまです。
神崎 裕子: 枚数が足りない感は短編競作全体にあった
緑川: やっぱ、書き始めると、いろいろ詰め込みたくなるかな
あんな: 20枚に見合う濃度で仕上げるというのも難しい作業ですね
イコ: 表現したいことって、20枚じゃ、なかなかね
あんな: 自分は10枚も書いてないがw
イコ: 自分は、短いもの書くなら、実験するしかないなって思ってる
緑川: そのせいか、小野寺さんの作品と似てる気がする。雰囲気は違いますが
あんな: 最初私もちゃんとプロット練ってたんですが、無理だ思って実験方面に走りました
イコ: なりますよね
緑川: 恋あり、アクションあり、唐突感あり
イコ: いいと思うラノベは、青春の、ドタバタした様子を、とにかく全力で、読ませてくれるものなんだよなー
小野寺 那仁: 高校生って唐突感のある日常を送っていませんかね。
緑川: 青春のドタバタ感か、なるほど
イコ: けっこう送ってると思います。考えることもコロコロ変わるし。
緑川: 送ってますね、行動に脈絡なかったりするし
あんな: 学園もので人間関係広く描くと枚数的に難しそう
イコ: シリーズものは、この、ドタバタの繰り返しの後に、「成長」が入ってくる
緑川: この作品も、「成長」は入ってますね
神崎 裕子: この主人公は好きな子に手を差し伸べる勇気をもっているなあ(うらやましい
あんな: 成長までの積み重ねがないから最後ぐっとこなかったのかもしれない
緑川: ですね、まだ手を出しただけだし
イコ: この作品では、まだまだ成長が説得力をもっているとはいえない。それは紙幅のせいにしてしまえばおしまいなんだけどやっぱ、要所要所、いらない部分があって、そこに、積み重ねられるものがあると思うんだよな
あんな: 削ればもっと良くなりますかね?
イコ: んー、もっと削れると思います
緑川: 文章、冗長なところとか、けっこうあります
イコ: 自分の心情を、説明してますからね
緑川: そうですね
神崎 裕子: ああ指摘しようとして忘れていた。それがラノベ的に見せてる原因でもあるな
イコ: それを、何かしらの表現に置き換える。想定読者は、そこまで表現の奥を読んでくれないかもしれないけれど・・・そのあたりのバランスは、もっと考えられるんだと思うな
しろくま: 成長を描く場面の数としては程よかったと思います。枚数的に不必要な文を減らしても場面数自体はあれ以上は無理だと思います
イコ: 香織を掘り下げる場面が、もう一、二、必要じゃないですかねえ。
緑川: 嶌ちゃんをもっと早めに出した方がよかったのかな。いきなり出てきた感がありました
イコ: いちばんアニメっぽかった子だw
緑川: 役割分かりやすいですね。そのために登場したみたいな
イコ: そうですね~~。ああいう、人から聞いて知るんじゃなくて自分で気づいてほしいですね。せっかく激励されてるんだから
甲斐 寛樹: 主人公の主体性はラノベの命だと思います
イコ: そういえばどいつもこいつも主体性ありますね
緑川: キャラがはっきりしている
イコ: 踏み出せない読者に対して、踏み出せる主人公。だから読者が願望の世界を味わえるという構造
神崎 裕子: (ハーレムか)
緑川: ハーレム作れるほど、枚数ないかと^^;
イコ: 現実の女の子が言われて嬉しい、されて嬉しい行動かどうかは分からないけどねw
緑川: この香織って子は、けっきょく何が原因だったんでしょ? 交通事故? でも、それだったら担任が隠す必要はないし
神崎 裕子: 怪我したよねだけで終わってますね
イコ: 誰かの嫉妬
緑川: 自殺未遂?
甲斐 寛樹: そこも含めて、香織ともっと話すべきですね
イコ: 弓道部の親友の裏切りならなおドラマチック
あんな: 嶌と悠がグルになって本屋までつけてたとかなんか怖いな
神崎 裕子: (ホモかと思った)
しろくま: それでは、常磐さんも何か意見がありますか?
常磐 誠: えっと、まずは嶌も悠も香織の後をつけたりはしてないですw。嶌が偶然本屋で香織に合って、その話を悠にした、というだけなのです。
あんな: すいません、妄想が過ぎました
小野寺 那仁: 香織って魅力的なのに友人がいないってのが不自然に思う
常磐 誠: そして本題ですが、あんなさんが仰る、「この文章でもっと内面をえぐるような作品を書いたら6さんの言うようにすごいことになる予感がします」という発言を中心に、非常にこれから参考にさせていただきたい助言ばかりで、本当にありがたかったです。
イコ: でもそのへんが、常磐さんの考えと食い違う辺りが、常磐さんの作品の、問題のような気がするなー。魅力的だから友人がいないんじゃ?>小野寺さん
常磐 誠: 香織=根暗さんのように見えますし、そしてルックス良い成績良い品行方正ってのがかなり影響しているかもです。
イコ: 見えます、というのは、作者の解釈?
常磐 誠: 周囲の人間からは、です。
イコ: そこが、伝わるのがまず大事じゃないですか? 常磐さんの作品は、大事な情報を、説明で書きすぎるがゆえに読者が、その場面や人物の造形を、表面的にしかとらえられない。だから、そもそもの「伝達」の部分を、うまくとらえられない
緑川: 友人が一人もいなくて、文学作品とか読んでて、だから自殺未遂って妄想しました
小野寺 那仁: 香織はステレオな感じがしない。というか、書き方が足らないか
しろくま: それでは時間ですのでここでいったんしめさせていただきます。みなさまお疲れ様でした
しろくま: では第三回合評会の最終日、四日目をはじめます
常磐 誠: よろしくお願いします。
しろくま: 一作目はあんなさんの「オレンジの巣」です。句点ではなくスラッシュが使われていたり、ほかの作品とは違った作品で驚きました。詩のようなイメージ、という感想もいくつか出ていたと思います。私も同感で、とてもおもしろくは感じたのですが、なかなか作品を理解することができませんでした。まず、タイトルである「オレンジの巣」とはなんだったのでしょうか。意見のある方はいらっしゃいますか?
イコ: 子宮ですよね
常磐 誠: 同感です。女性ならではの内側。真っ先にそこが思い浮かびました。
イコ: 30日経って→月経
小野寺 那仁: オレンジというのは斬新に思います
常磐 誠: 自分もオレンジってのがずっと(今でも)引っかかり続けています。
イコ: オレンジって言われると、女性の身体の内部が、イメージとして浮かんできますね。赤でも青でも白でも黒でもなく、オレンジってのがいいと思いました
常磐 誠: 確かに赤青白黒は違う感じですね。確かに言われればオレンジって付かず離れずで良い。
小野寺 那仁: きれいな感じがします
イコ: とっても詩的な言葉の選び方ですよね
小野寺 那仁: 洗練を感じる。詩というとミクシー関係の知人などいましたが、なんかえげつないものが多くて評価されていても積極的に好感を持てなかったです。その点あんなさんの作品は自己主張がそれほど強烈に思わなかったです
イコ: 自己主張がないってのにうなずけるんですけど、この作品、タイトルのイメージ喚起力は素晴らしいと思うんですが、それ以外で、読み終わって、残るイメージがないんすよ
常磐 誠: 確かに。読後が肩透かし感あったかもしれません。女性の普通の日常に戻っちゃったからかなぁ。
小野寺 那仁: 使ってる言葉はけっこう動的で激しい言葉が多いのに、全体としては静かな感じです
イコ: スラッシュが動的にしていると思います
小野寺 那仁: なるほど。これスラッシュの入れ方が必ずしもひとつのイメージの区切りではないんだ
イコ: この書き方は、「短編競作」のなかで出されたから、意外だったけど、「詩」ですよといわれたら、ふつーに納得する。そして、首をかしげる
常磐 誠: 改行じゃない分自分の中では駆け足な読み方をしちゃって動的に感じたのかも。
イコ: 駆け足になりますよね。詩ならもっともっと言葉のひとつひとつを、異化させていくべきかと思うし。短編なら、その書き方は意味あるのか? と疑問が残る
小野寺 那仁: 動画を言葉で追いかけてるような感じになりますね
常磐 誠: 最初に読んだ時は、(常磐の中で)詩なら普通に改行しちゃえば良いのに何でスラッシュ? っていう感覚になっちゃいました。紙面の節約かとまで思ってしまいました(汗)。
イコ: この改行なしの密度は、意味ある気がしましたよ
常磐 誠: はい。二度目以降に読み直して考えてみるとそこに意味があるんだなと思い至ることができました。あ、でも、後半、終わり際に章毎の空白が二行になる理由はわからなかったのですが。あれは後で訂正されたんでしたよね。
イコ: あ、そうなんですか
しろくま: 僕は直していないですよ。直したのは他のところです
常磐 誠: あれ、そうですか。すみません。じゃあ、この二行になることにもちゃんとした理由があったのか。何なんでしょう。
しろくま: 確認すべきでしたが意図されたものかそうじゃないのか判断がつかなかったので。これはもう、直接本人に訊いたほうがいいと思いますが。あんなさん、どうだったのでしょうか
あんな: 最初は無意識で、後から見直してみると一人称になるところで何か意識を切り替えたかったんだと思います。そのままのせてみましたが、これは無意味ですね、そろえた方がいいかもしれません。最後の章の一字開けてないのは意図してやっています。
常磐 誠: ありがとうございます。恐らくミスではないのだろうなと思っていました。>最後の章
しろくま: 文字のない行が途中から二列になっているのは意図したものなのか、という質問ではないのですか?
常磐 誠: あ、はい。そうなのですけども、今読み直してみて、今は「一人称になるところで何か意識を切り替え」ている感覚を感じ取ろうとしているところです。常磐 誠: 本当に無意味なのかなって、少し気になっています。
イコ: おれはその二行と一行の変化に気がつかなかったす。それを知ってなお、どっちでもいいなあ、と思います
あんな: わかりづらすぎますねーやるならもっとわかりやすく、やらないならそろえる、と徹底するべきでした
イコ: そうですね
しろくま: 後ろから四つめ、「カーテンの……」からはじまる段落からは、一人称になっているということでしょうか
小野寺 那仁: 内容からしてイマイチわかりにくいのですが、結局双子は一人は亡くなってしまったのかなあ
緑川: (帰宅までもう少し、今、携帯からです)
イコ: 自分はそう思わなかったなー。これ、女性の経験する、さまざまなことが、集合的無意識のような形で描かれていると読みました
しろくま: これは双子の話だったのですか。そうか、だとしたら僕はまったく読めてないですね
イコ: いや、解釈は人それぞれでいいでしょう>しろくまさん
小野寺 那仁: はじめに右の子と左の子とあるので途中の会話は「わたしたち」なんですが、終わりは「わたし」になってる。それで「不機嫌なマスクが一列に並んでいる」というのが不気味な描写なので
イコ: 右の子 30日経って右のあの子は震えてる/小刻みに痙攣しながらこちらを見ている/彼女は誰にも認めてもらえない/ただ機械みたいに生産するだけ
左の子 左のあの子はやたら精気に満ち溢れている/彼女はまだ気づいていない/飲みこまれる前に逃げ去ろうとする
常磐 誠: 私も双子の二文字見たときには「!?」となりました。
でも、その二つの子は両方とも命なのかな? と私は思いました。
イコ: 30日経って、ただ機械みたいに生産するだけ、認めてもらえない、っていうのは、月経のことなんだろうと思うんだけどナー
常磐 誠: 私もそう思いました。
イコ: 卵子
常磐 誠: 排卵
る: なるほど
小野寺 那仁: ああ、卵子たちのことかあ
イコ: あと30年、閉経するまで、それだけやるんでしょ
小野寺 那仁: そのなかのひとつが生命になるわけだ
イコ: そんなイメージです
小野寺 那仁: これはイコさんのように女体に詳しくないとわかりにくい
イコ: www いやいやいやいやw
常磐 誠: 一応教科書レベルかとwww
イコ: でも男ばっかで話してても、これきちんと評価できない気がするな
小野寺 那仁: 解説ありがとうございます
イコ: いいとこ悪いとこ、女性の方が正確に挙げることができる気がする
常磐 誠: 私も教科書レベルの次元でしか話はできないです。流石に体験はできませんし、ホントにイコさんの否定ができないw
イコ: でもわざとぼかして書いてるとこあるから、想像は自由なんじゃないすかね。おれは一人の女性のすがたから、すべての女性のすがた、細胞から宇宙までの広がりを、立体的に感じさせる作品だなーと、ものすごく、面白く読みました
小野寺 那仁: 細胞が少女になる過程の話なんですね!
常磐 誠: 自分は逆に、すべての女性の姿、細胞から宇宙まで行って、今度は一人の女性に収束しちゃいました。
イコ: ここの表現が不正確ですよ、とか、女性じゃないから、わかんねー、言えないや
小野寺 那仁: いや女性でもここまではわからないんじゃないんですか。
イコ: 最後、収束してるとこも、また一興ですね>常磐さん
る: 感想を持つまでにいたらなかった
小山内 豊: 九時からだと思っていました。すいません。
イコ: 何か感じるまでに、あっさり流れて終わっちゃった?>るさん
常磐 誠: そこを一興と取るか、あれ? スケールダウン!? と取るかの問題でもあるように思います。disが始まりますか?>るさん
る: ハンターハンター風に言うと わかんない×わかんない×わかんない って感じ
しろくま: そう言われて読み返すと、なるほどそういうことなのかと思いますが、作品のまんなかにある会話の中にある「宇宙」とはなんなのでしょうか
小野寺 那仁: そうですよね。ここの会話があるから双子かなって思ったんですよ!
常磐 誠: あー。私の場合はもうここを読んで理解しよう! と思ったときには既にこの二人が人間じゃないって思っていたものだから、器官同士の無機質なお話なのかな、みたいな意識に終始してしまいましたね。
イコ: 人間も細胞の集合だから、どっちでもいいやって思いました
常磐 誠: あー。何だかあー。が多くなっちゃいますけど、何だか楽な読み方ですよね。上手い具合に肩の力が抜けていて。
イコ: 一読目はるさんと同じで、わかんない連なりだったんだけどなんだか引っかかったんすよね。イメージが残らないのに、なんだかもやもやしたものだけ残る
る: 10回読んでわかんなかったので諦めてしまった
イコ: 再読すると、あ、これ子宮か、これ月経か、これぜんぶひっくるめて「女」だなーと。でも結局、タイトル以外、キラーフレーズに出会うことはできなかった。スラッシュで切り分けてるから、余計に、そういう、一言で殺される体験を期待するのかも。小山内さんや緑川さんの感想も聞きたいなー!
小山内 豊: 子宮というか卵巣かな…
緑川: 私も、よく分からなかったですね。
小山内 豊: そのように感じさせられましたが、ところどころなにを言っているのかわかりませんでした
しろくま: 僕も卵巣に近いイメージ。もっといえば、カマキリの巣が思い浮かんだ
イコ: カマキリ
常磐 誠: カマキリ!?
緑川: このようなスタイルを取られた理由も考えてはみましたが分からなかったです
しろくま: わっさわさ生まれでてきそうだなと
イコ: ww
小山内 豊: 二枚目の、「ようやく……落ちていった」まで、ちょっと何のことかわからなかったです
小山内 豊: 後半は排卵なのかな
しろくま: でも、いつその巣の外に出てきたのか、いきなり(比喩なのかしれないけど)太陽が出てきたりして、それがはっきりと分からなかった
イコ: ようやく・・・は一枚目?かな? これ胎児だと思いました
小山内 豊: ぜんぜん違うけども、乳と卵みたいのもありますよね。もっとずっと直接的ですけど
イコ: 川上未映子のイメージに、すごく近いと思いましたよ
小山内 豊: ようやく目覚めた彼女は…からです。
しろくま: そう、確かあんなさん、好きなんですよね。僕もその影響かと思った
小山内 豊: 私もあれは読みましたが、影響と言うほどではないかなぁと
イコ: 初期の未映子の文章の、前のめり節が、この作品に反映されてる気がして、それがイメージを結びつけたのかもしれないです
る: わからなかったけど感想でみんなおもしろいって言っるから、どう楽しむのかここで判ると思ったけど、ここでもわからないが連発で笑った
小山内 豊: この作品では自然(体)の摂理を謳っているという印象を受けましたが(最後少女をながめたり)、川上さんのはそうでもないかと。
イコ: ねw みんなわかんないっつってる。わかんないけど「面白い」と思われた方は、どこに面白さを感じたんでしょう?
しろくま: 言葉選び、イメージではないのでしょうか
イコ: しろくまさんが、そこに面白さを感じたということでOK?
しろくま: 僕はそうですね
小山内 豊: 白石公子さんという詩人がいますが、あのかたの作風に通じるところがあるかな。ええと、ちょっと資料を…
イコ: イメージか~、どういう場面が印象的でした?>しろくまさん
しろくま: 後半以降は分からないというのが強くて、イメージも出にくいのですけど、最初のところはさっきも言いましたが、カマキリの巣みたいだな、マトリックスの中で寝ている人たちみたいだな、蟻のようだな、そんなことを序盤に連想しました
イコ: なるほど、人間的なものじゃない連想まで。自分も、よくまあこの枚数で、これだけ巨大な作品をつくったなあと
しろくま: そろそろ時間ですね、作者のあんなさんも交えて、質問などありますか?
イコ: (いちばんdisりにくい作品だと感じておりますw)
あんな: 印象が薄いというのは今後の課題になりました
しろくま: 作品自体の印象は強いですけど、中が具体的につかめないという感じでした
イコ: 女性部員フランツがこの作品をどう読むのか、聞いてみたいすね
しろくま: ただ、読める人には絶賛されるような
イコ: つかまえようとしたら逃げる感じは、円城塔にそっくりですよ
あんな: ただ男性が複数で子宮とか卵子について語る図は大変面白かった(すいませんw)
しろくま: それは、僕たちのせいじゃないというか、不可抗力ですね
イコ: あんなさんがそんな風に読める作品を書いたのが悪い!ww
常磐 誠: つかまえようとしたら逃げる、手をするりと抜けていく。をイコさんに先に言われましたが、私もそう感じました。
イコ: 男たちにこんなにまじめに女体について語らせて~
あんな: いやー男性が読んだらどう思うのだろう?というワクワクがちょっとあったんですよ。悪気ではなく、興味として。
しろくま: カマキリの巣……
小野寺 那仁: うんチャットだから語れるが音声だと問題のある会話だった
しろくま: 次の合評は30分からはじめます
る: 了解
小山内 豊: 詩をやっている人はもうちょっと踏み込んで、行為のほうをあからさまに書く方がいますね。そうした一群に比べておとなしいと言うか、学問的というか、まぁ主知的というか、踏みとどまった感があるのかな
しろくま: 緋雪さんの詩を合評したときを思い出しました
る: 俺がむちゃくちゃいったやつか
常磐 誠: その時私は合評に参加していなかったからわからないですけど、傾向的に似通ってたりとかしてましたか?
しろくま: 第一回合評会のときです。ただ緋雪さんの作品を思い出しただけですが
イコ: (神崎ちゃん今日来ないんかね)
る: ああ、じゃぁしらなんだ
しろくま: 得たイメージを言い合って、答えを探っていく感じが似ていました
小山内 豊: 現代の詩として、読者がどのように回収するかそうした目論見と言う点では、おとなしいというよりも楽観的、なのかも知れない。うたっているないようがですけど。
イコ: 小山内さんのご意見は、観点が違うから聞いてておもろいです
小山内 豊: それはずれているという^^
しろくま: けっこう僕の意見は小山内さんに近いものが多いですよ
イコ: しろくまさんはもっと発言してほしいなw
小山内 豊: ですよね。昨日も賛同いただいて、ひそかに安堵することがありました。そういうものでもないですけど。
しろくま: イコさん、そうですか?笑
しろくま: では次の合評をはじめましょう、だいぽむさんの「親子の敗走」です
る: 唯一、語る楽しさ読む楽しさを感じた作品でした。この作品も文章が洗練されていて、物語もおもしろかったので個人的には質の高い作品に思いました。しかし、感想を見ると批判的なものも多く驚きましたが、まず皆さんはこの作品をよかったと思いますか、それともよくなかったと思いますか?
小山内 豊: 私は不快だったな。作者はなにが言いたいのかと。
る: グランプリあげるならこの作品だと思う
あんな: 感想で、良いと書きました
小野寺 那仁: この作品は完成度は高いけどそれゆえに内容的に突っ込まれやすいと思います
イコ: えっ、おれ、みんな絶賛してるように思って、「なんで~~~」と笑ったw
緑川: きっちりした文章で、しっかりとお話し作りもできている、ただですね、そこは評価できます。ただ、この作品、洋太が主人公じゃなくて、語り手が主人公のように思えます
イコ: 緑川さんの意見をくわしく聞きたい!
る: 緑川「洋太が主人公じゃなくて、語り手が主人公のように思えます」それがよいところでは
緑川: う~ん。ですかねぇ・・・
常磐 誠: あぁ! そうそうそう! 私もそこをすっごく気にしてました! >緑川「そこは評価できます。ただ、この作品、洋太が主人公じゃなくて、語り手が主人公のように思えます」
小山内 豊: 創作として、文章がきっちりしていると言うのは、それは志望者としては評価できることなんでしょうけど、本当に重視すべきなのは内容の価値にあると思います。この作品は余韻などもなく、単に貧乏の負けっぷりを書いている。
イコ: 小山内さんに同意
小山内 豊: 本質的に評価できることがない
小野寺 那仁: いえ、私は貧乏がどうのということよりも貧乏も書けてないようなきがしました
る: いや、内容なんてどうでもいい、まともに読める文章書けてる
イコ: なんか笑える流れだな。みんな好き勝手言ってらw だがそれがいい
緑川: 語り手ってことでいえば、ナレーションがたっぷりあるテレビドラマのような感じもするんですよ
小野寺 那仁: 作者は三人称をきっちり書いてる、それは評価できる
イコ: まともに読める文章ってなんすか>るさん
小野寺 那仁: だけど「獅子」がいきなり出てくるのはなんなのかと思う
小山内 豊: まともに読めるのはどういします。すらすらと読めます。言葉遣いもこなれている。それでも、詩的かと言えばそうでもないし、こなれた口調で会話は進みますが、特徴付けるというほどでもないんじゃないかなぁ
る: 途中で読むのやめたくなる文章は、まともに読めない
常磐 誠: るさんの言うこともわかります。確かに本当に読める文章を書いていらっしゃると思うのです。ただ、内容で感動が無いし、本当に登場人物の気持ちを表しきれているのかどうか、という点で常磐は腑に落ちない部分を感じます。
イコ: 常磐さんに同意(同意してばっかw)
小野寺 那仁: 「獅子」という言葉から喚起されるのは獅子舞しかないです
小野寺 那仁: 「獅子」のロボットってなんなのだろう
イコ: おれやだいぽむが小さかった時に、そういうロボットものが流行ってましたね。獅子の形をした車みたいなのが、人型ロボットになるんすよ
小野寺 那仁: それはわかるけどほかに言いようがあるだろうと
イコ: でもあれライオン、じゃあ、ないなー。だから自分は、しっくりきましたです
小野寺 那仁: 沖縄のシーサーみたいなものですか
小山内 豊: 何か比較対象をあげるとすれば、宮本輝の泥の川とか。
イコ: ほう、どういう比較ですか
小山内 豊: 貧乏一家を書いてみせるという意味において。ようはその完成度を言いたいんですけどね
イコ: あ、なるほど
小山内 豊: ちょっとイメージしてみると、作者の姿勢もかなり投げやりです
イコ: 輝ちゃんの泥の河は、すごいっすよ
小山内 豊: 河ですね
イコ: 蟹を焼くイメージが、頭にこびりついて離れないですもん
小野寺 那仁: 貧乏だろうが裕福だろうが子供にトロを食べさせるというのは贅沢の部類だと思いますね
イコ: 寿司を取ろうとする手を叩き落とす、というのは、直接的すぎるんだ。それに比べて、蟹を焼く、という行為の、奥行き。
る: 子供の手をたたき落としたお父さんが今回の競作の中で一番詩的だった。
緑川: あぁ、それは分かる気がします
小野寺 那仁: 貧乏とは「父」のセリフからしか感受できない
小山内 豊: ああいった世界を書いてみせるという観点から、この作品がどの程度、現代性を取り入れ、表現としても新しいのかと言うのを考えたとき、一歩も進んでないんじゃないか。最近の創作の姿を劣化コピーの群れと批判した人がいましたが、そのそしりをまぬかれていないな、と思います。
イコ: 貧乏が感受できない、ですよね。うん。ふつうですよ。トロ食ってる一家が異常ですよ
小野寺 那仁: 「泥の河」というのは失われていく日本の風景という風情があるけど、本作にはそういうのはないと思う
小山内 豊: イコ:「寿司を取ろうとする手を叩き落とす、というのは、直接的すぎるんだ。それに比べて、蟹を焼く、という行為の、奥行き。」そのとおりですね。宮本輝はモチーフ消化はものすごくうまいと思います。
イコ: 失われてないんですって。なのに中途半端に古めかしく書いてるから、違和感がある
る: 古めかしく書いてある??
イコ: うん
小野寺 那仁: 客観小説として成功しているようにみえるのは「洋太」があまりに単純な子供だからだと思う
小山内 豊: 古いというのは、だいぽむさん自身の経験が含まれているからなのかな。詩的に書かれていないというよりも、そもそも、いわゆる下流の家庭を馬鹿にしている雰囲気がある。そこが不快でした。
イコ: 共感してんだけど、笑ってるんですよね、作者は。
小野寺 那仁: 「待ってましたとばかりに」「苦虫を噛み潰すような」「てこでも動かぬ」「欲求がいや上にも高まる」「頑是ない」……ちょっとあげただけでもこんなに「常套句」がある。これは手垢のついた表現だと思う
イコ: 21世紀の日本の小説じゃめったにお目にかかれない言葉遣いですね。だから敢えて使ってる→古めかしくしてる
しろくま: そういうのがなかなか使えない僕としては素直に上手だなあと感じました
小野寺 那仁: しろくまさん、こういうのは使うのは恥ずかしいんです
る: ってか敢えて使ってるでしょ。子供が主人公なんだけど、饒舌すぎる語り、このコントラストがこの作品の面白さ
小野寺 那仁: るさん、それはないと思うな
イコ: 子どもと語りが距離を取ってるってことだよね。まあそれはいいと思うんだけど……
る: 古いとは思わなんだ、それを古いって言うならそうだけど
緑川: 意図は分からなくもないですが、私もちょっとそういう表現は好ましいとは思えなかった
小野寺 那仁: もし、かりに敢えて使っているとしてもそれなら昔の小説を読んでいた方がはるかにいいということになってしまう
イコ: 小山内さんも言ってらしたけど、言葉遣い一つとっても、新しさに踏み込んでいこうって意思が感じられないんだよね
小山内 豊: この常套句がユーモア狙いであり、それは違うんじゃないですか、と。
緑川: >傑物、それはまさに傑物であった。コンベアの上流から、シャリを覆い隠さんばかりの霜降りのトロが
イコ: ユーモア狙ってる、んだけど、①滑ってる②内容にそぐわない
小野寺 那仁: なるほど
る: もういい
緑川: 意図はおかしさを狙ったってことかなと。でも、おかしさより大仰さを感じますしね
イコ: ですね、大仰さ
小山内 豊: 逆に、そこのところを抑えて表現していくといい味が出てくるんじゃないでしょうか
イコ: そう思います
緑川: ところで、友人、なぜ名前じゃなくてMなんでしょう?
小山内 豊: ごくり……
イコ: 金持ちの一人、として書いてるんじゃないですかね
小野寺 那仁: 悪しきプロ文の影響かと思う
緑川: この語りのせいとか、語り手がもっと洋太に寄り添ってると、友人も名前で出てくるかも
イコ: 記号化すると、個別化から免れる
小山内 豊: 指摘するほどでもないですけど、だいぽむさんの個人的体験を予感させている点です
しろくま: 金持ちそうなたとえば伊集院って名字でもつけたら、またおもしろかったかも
イコ: それもおもろいですねw
しろくま: なんで伊集院(M)にはお母さんがいなかったのでしょうか
イコ: w ぜんぜん気にしなかった
緑川: 盲点でした^^;
イコ: だいぽむの小説って、読者をぐいぐい引っ張る語りがあるから、細部に目が向きにくいんだよね
しろくま: なんだかそれもステレオタイプの一つに思いました。お金持ちで、眼鏡っ子で、お母さんは生き別れでお父さんと二人暮らしか家政婦さんがいる家。
あんな: たしかに面白いという感想は残ったんですが、引っかかるところというのは最後くらいだった
イコ: 一読したら再読しようってことにならない……だよなーw もうぜんぶ飲みこめたような気にさせる、それってすごいことだけどw でも、怖いことだなーと思う
小野寺 那仁: 最後はもうたまらんですね。絶対プロ文だよって、くくってるよ。だから金持ちになろうよみたいに
あんな: ああ、だいぽむさん自身のことあまり考えて読まなかったので貧乏批判みたいには取らなかったんですけど
イコ: 父「貧乏はつまらん」→「闇はいよいよ濃く深く~」家族の今後を暗示。だからプロ文っぽいんでしょうね
あんな: そう言われると貧乏なので若干腹立ってきたw
小野寺 那仁: おなじ建具屋としてかなり腹がたった
イコ: 腹立たせたかったのかなw
小山内 豊: ほらやっぱり^^
イコ: ww
常磐 誠: あ、そういえばだいぽむさんってそういう方だった! 全く意識せずに読んでいました。今の今まで全く意識に上ってこなかったなぁ。
イコ: 作者が笑ってっからなー
しろくま: 小野寺さんとあんなさん、僕の小説の合評のときもそうだけど、そんなに作品と自分を当てはめようとしなくていいんじゃないですか?笑
小野寺 那仁: うまいから腹も立つんですよ
あんな: はい、自分と重ねるのはよくないですね
イコ: 自分と重ねやすいテーマだからな、これw
あんな: んーでも単純に読ませる力はすごいと思いました。今回の中では一番短編の長さがしっくりきた作品でした。
イコ: たしかにしっくりくる長さっすねw過不足ない。
しろくま: 同じ長さでも、体感する長さはこの作品が一番長く感じました。なんでだろう、漢字が多いからだろうか
常磐 誠: あの方貧乏を笑うような方だとは思っていないのです。>作者が笑ってっからなー 短編の長さがしっくりくるというのも、体感する長さが長いというのも同感です。
あんな: 見た目入り込みにくそうだったんで最後に読んだんですが、一番すらすら読めましたね
小野寺 那仁: だいぽむさんにはもっともっと書いてほしいですね。私も一番読みやすかった
イコ: 常磐さん、甲斐さんと同じくらいの読みやすさで。つまり読みやすかったですw
常磐 誠: オーソドックス、というかテンプレート的な展開もあって、読みやすいのは本当ですね。
イコ: だいぽむの作品はすごいですよ、200枚こえる作品でも1時間あれば読めますからね
あんな: そう考えるとあれだけ文章がうまいので、もっとシリアスな立ち止まらせるような作品も読んでみたいですね。(6さんが言われてたかな)
イコ: そうですね、立ち止まらせる作品。
小野寺 那仁: 彼の評論はもっとすごいと思った。それだけに少々がっかりしたんだ。この作品
イコ: イコはすごいってのを、若干皮肉で使いましたw
小山内 豊: 『親子の敗走』が人を立ち止まらせる力を持つには、たとえばどうした工夫が考えられるでしょうか?
しろくま: 立ち止まらせたいなら、おちゃらけた?文体ではなくてシリアスに書けばいいのかな
小野寺 那仁: クラスのみんなが平然とトロばかり食ってるとか金持ちをたくさん出す
しろくま: その孤独感はすごいですね
イコ: 映像じゃないイメージが浮かんで来ればよかったかな。かれは視覚に頼りすぎてるので。
あんな: これはこれで短編としてまとまってるので立ち止まらせる、というのは少し違うかもですが、そうですね、イメージですかね
緑川: 視覚、なるほど男性的でもありますね。この文章
イコ: 音や匂いがほとんど書かれないですよね
しろくま: 映像、意図、思想がはっきり見えすぎているのかな。それよりはもう少し言葉下手な作品のほうが色々考えさせてくれるのかもしれない
イコ: そうかもしれませんね
あんな: すいません、るさんまだいますかね?
る: はい
あんな: 父親がたたき落とすシーンが一番詩的だったと言われてたのが気になったんですが
イコ: おれも気になった
る: え、情緒があるじゃないですか。る: 一つの行動に、複数の意味が
緑川: 頭で考えてない、計算してない行動
あんな: たしかにあのシーンは私的にはぐっときたんですが(詩的かはわかりません)、あのシーンはみなさんどうだったんでしょう。ぷみさんはアクションがないと言っていましたね。
小野寺 那仁: 私は「職人」というのは言葉よりも行動に出やすいというのを熟知しているので違和感なく読んでいました。
イコ: 一瞬、あの行動で空間が止まりますよね。流れを止める、「あっ」と思わせる、いい表現かな、と思います
小野寺 那仁: まあるさんの云うようにいろんな意味はあると思います
る: なんかそうだな、詩的って、俺もようは「あっ」と思わせる良い表現、って意味で使ってる
あんな: なるほど、じゃあ一緒ですね!
る: 色んな意味があると同時に感じたから、あっと思ったのかもしれないし
イコ: るさんの詩的という言葉に納得いきました
しろくま: では、時間ですのでここまでさせていただきます
る: ういす
しろくま: 時間も押していますので、最後の合評に入りましょう。るさんの「出来そこないのマリア」の合評をはじめます
る: よろしくおねがいします
しろくま: 普段は詩を多く書かれている、るさんの小説ということで、興味深く思いました。個人的には言葉に凝るのではなく、それよりも物語作りに重点を置かれていたところが、意外だったというか、好印象でした
小山内 豊: 構造がとかメッセージが意味合いがとかではなく、物語ですね
あんな: 自分ももっと凝った作品が来ると思ったら意外とストレートだったので好感持ちました
緑川: 作中で挙げられてる、ロックンロールやブルースの歌詞を読むように読みました
イコ: るさんはよく好きな作品をあげるときに、物語のダイナミクスを感じさせる作品をあげられるからなー
しろくま: 押尾学や『愛の流刑地』も同時に想像したのですが、『限りなく透明に近いブルー』もそうですが、実際にこういう世界があるのかなと、身近にないものを知りたいとも思う気持ちも読んでいて湧くようでした
小野寺 那仁: 2以降が感情の吐露で物語を語っているのは単なるテクニック以上のプラスがあってこれは狙っても難しい
常磐 誠: 私が思う気持ちがものすごく簡潔に述べられていて悔しいようなありがたいような。>しろくま「押尾学や『愛の流刑地』も同時に想像したのですが、『限りなく透明に近いブルー』もそうですが、実際にこういう世界があるのかなと、身近にないものを知りたいとも思う気持ちも読んでいて湧くようでした」
イコ: この主人公、るさんぽいなー、とw こういう先輩が大学にいた。さびしそうだった
常磐 誠: 文学的な先輩がいらっしゃる……。
あんな: 以前私小説だ、みたいなこと言っていたので少なからずそういう要素はあるのかもしれない、と思って再読したがほんと身近にないので実感できなかったかな
イコ: 書き方もね、「いかにも!」って感じだもんね
常磐 誠: また先輩話なんですけど、やっぱりこういう人って、外から見たら、本当にさみしそうに見えるんだろうなぁ、と思うと何だか切ない。
小山内 豊: 作品の背景を読者がつかめないということかな
あんな: いや、逆にそういう世界観が面白いという意味です
小山内 豊: なるほど
イコ: 外から見たら、さみしそうに見えるというのは、その人の生きざまが、もっと書かれてないと無理ですよ。ぜんぜん枚数足りない
しろくま: 『ノルウェイの森』もそうですが、こういう作品って、実際にそういう恋愛的境遇に近い人じゃなくても書けるものなのでしょうか
る: あ、作者よりしろくまさんへ、書けると思います、実際この話全部でたらめなんで。
しろくま: そうなんですか、例えばロックの話とか薬の話は、しっかり身近なものとして詳しくないと書くことに躊躇すると思ったので
る: 当時聞いてた音楽はそのまま書きました、薬は適当です
しろくま: なるほど。ちょっとホラをふいてみるような度胸も必要なのかもしれないですね
イコ: 適当でも、そういう世界があるかもって思わせるのは、さすがだね
小野寺 那仁: しろくまさん。その小説にとって必要ならば調べてでも書くべきだと思います
あんな: わたしは大小あれど経験がないとこの説得力はでないと思いましたけどねーでたらめならしかたないw
しろくま: もちろん調べますけど、調べたものは結局調べたものでしかなくて、やっぱり書くことができないんです
イコ: 多くのアマチュアの課題ですね
しろくま: 最近それがどうもいやで、いまは実体験をもとにしたことしか書けなくなってきました。逆に実体験をもとにしたことのほうが、変に作り話じゃないので、読者にとっては意外性が強くなるとも考えられるので。事実は小説より奇なり、のような考えもあって。
る: いや、あんなさんには悪いことした、私小説って言ったのは、説得力ますかもとかいう下心があってです。
あんな: また、るさんトラップにはめられたw
イコ: なんて卑怯なやつなんだ、るさんw
る: ww
小野寺 那仁: でたらめじゃないでしょ
る: 何を持ってでたらめなのかによりますね
あんな: 完全に実体験をそぐことは不可能に思います
イコ: リョサが言ってますからねw
あんな: そうです
る: たしかに、
しろくま: 比重の問題です
あんな: やはりうまい作家はそのへんの比重は色々でも説得力はあるもの
小野寺 那仁: さて、1の箇所がどうもひっかかるんですね
る: 1はひどいねぇ
小野寺 那仁: 感情が流れていない
しろくま: るさんらしくなくて、文章が幼稚に感じました
る: 何事にも物怖じしないことが周りの人間を俺から遠ざけていた、その異端視は心地よいものでもあったし、まるで汚物を見るような目で見られるのは羽毛で胸をくすぐられるような快感だった。 これが最悪..
小野寺 那仁: 「煙草」に必要以上に付加をしているように思う
イコ: ほんまに最悪やと思ってるんかいね、この人は。自分でそう言えば言い訳になるとでも思ってるんとちゃうかw 邪推ごめん
小野寺 那仁: 視点が俺を客観視している
あんな: そこまで最悪と思わなかった。比喩は微妙だけど
る: 煙草はどうだろう、確かにアイテムとして使ったけどそれほど思い入れはないなぁ、普通に吸ってたし。いや、まじでここは吐き気がでるほど訂正したい部分ですよ、
しろくま: 「セカチュー」の世界観。らしくない。でも高校生ということか。らしくないなと。そこからは段々変わってくるけど意外だった。
る: 異端視→かっこいい みたいなのは本来この主人公のステイタスではないはずだったのに、
小野寺 那仁: そうですね。1とそれ以降は時間のズレがあるのでしょうが、それがうまくつながっていない
イコ: 「汚物を見るような目で見られるのは羽毛で胸をくすぐられるような快感」この比喩あかんやろ
る: 詩人失格
小野寺 那仁: イコさん自分で言ってるから~
イコ: 自分で言ってることに突っ込んじゃダメですか? ほな何も言えませんね。詩人失格だと思うなら、直して出せばいいのに
しろくま: (るさん、あとで機会を用意しますのでしばらくはご静観ください)
あんな: ところどころそのような比喩が見られたんだけれども。。
イコ: なんかその、自分でそういう風に言うくせに、直してないのはどういうことなのよ
る: 汚物を見つめるような視線が、まるで羽毛のように胸をくすぐった
イコ: 羽毛が胸をくすぐるなんて、最悪じゃないの?
る: だから快感は抜いた
イコ: んーー、「羽毛が胸をくすぐる」そんなの誰でも書けるじゃん
る: 化粧筆のように胸をくすぐった
イコ: 余計ダメだな
イコ: 身体性ゼロ
小野寺 那仁: その比喩を使う以前に具体的な汚物感を出してほしい
あんな: 化粧筆はもっと
イコ: るさんの卑怯な態度に、ちょっとカチンときてます。とめてください
る: 古着系女の子が身につけているような帽子についているぽんぽんが胸をくすぐるように
あんな: (イコさん落ち着いて)
神崎 裕子: 汚物感と言ってもなかなか難しい(すぐに思いついたのがゲロくらいしかなかった)
あんな: るさんふざけすぎ
緑川: 私は、常套句あんまり気にならなかったけど。全部がそうだと困るけど
小山内 豊: 話をぶった切るんだけども、物語的な帰結を考えたとき、どうでしょうか。この主人公は英雄的ではなく、考えもって行動するわけでもない。不良なのはそうなんだろうけど、たとえば舞台に拳銃が出れば、お話のなかで発砲される事件がおきるという、いわゆるモチーフ消化という視点で見たとき、人物や、薬物・音楽にしても扱いがつかめなかった。それぞれ悪ぶりたくてぱっとでたような印象を受けた。
緑川: ていうか読まないけど
小山内 豊: 物語であればアイテムの扱いなどは工夫のしどころじゃないかと
イコ: ロック、セックス、ドラッグ……「限りなく透明に~」でもありましたが、使い古された悪タレの道具ですね
小野寺 那仁: 1の部分は、彼女との出会い、俺の説明だけど、ごっちゃにせずにそれぞれ分けて書いた方がいいと思う。
緑川: 私の読みが特殊なのかな、これ、叙事詩的なロックの歌詞だと思ってそんな語り口を楽しんだ
しろくま: モチーフが主人公たちの生活に溶け込んでいるように書いているけど、出てきただけで溶けきれていないんですね
小山内 豊: そうですね。かなり感情移入して書いたようで、でも私小説ではない
る: ガジェットが使い古されていると言うのは反省したい
イコ: その人物を立たせるために機能してないってことですね
あんな: 緑川さんと読み方似てるかも
小山内 豊: はい。物語の振幅に、ドラッグが影響することはないわけですから
イコ: 「きれいな詩」とモチーフは似てるんだけど、あっちの方が薬は効いていたな
あんな: 異物感を楽しんでいました
緑川: なんか小説的な読みができなかった
イコ: なるほど。
しろくま: 不細工な男の子って、こういう不良になれるんですかね
る: なれましたよ~w
小山内 豊: 主人公は不細工って、どこかありましたっけ?
イコ: るさんは勝手にイケメンやと思ってるけどw
あんな: ぺんぺん草
しろくま: 自分で不出来と
る: イケメン説は6さんに聞いたけど、全力で否定するw
イコ: 自分で不出来といったからといって、不出来とは限らない。騙されちゃいけないよ! これは信用できない語り手の小説だ
小山内 豊: なるほど。薔薇とぺんぺん草
しろくま: るさん、書き手の人がいまここに意見を書かれると話がこんがるので控えてください。あとで機会を用意しますから
る: はい
緑川: でも容姿の違いが、後になった判ったというのはなぜだろう? と思った
神崎 裕子: 薔薇とぺんぺんそうは面白いね。薔薇は棘のある花だけど
イコ: 信用できない語り手だってことを、もっとみんな自覚してもええんちゃうかなあ。この「俺」は、ほんとはこんなこと、まったくやってないかもしれませんよ
あんな: それを言われると、何も信用できなくなるなー
緑川: 信用するもしないも、最初からこういうものだと思いながら、聴いてた。吟遊詩人の語り
小野寺 那仁: 容姿の違いはどうでもいいと思いますね
緑川: ですね。後に何も繋がってない
イコ: 信用ならない小説と読むと、この「俺」の身勝手さが、際立つっていうか
緑川: 後になって判った、に引っかかった
小野寺 那仁: うん
イコ: 自我が、覆い尽くした世界だから……だって彼女のことをマリアだなんて……
小野寺 那仁: でもあってもおかしくはない
あんな: いろんな読みはできる。1は実際の出会いであとは妄想かもしれないし
小野寺 那仁: ロックンローラーが派手に化粧して舞台に出てきたような小説かな
イコ: つまり道化なんですよね
小野寺 那仁: デトロイトメタルシティのようなものか
しろくま: 出来損ないなのは彼女なんですよね、主人公じゃなくて。そこがどうしてかと思いました
緑川: いろんな読みができるというか、だから逆に読まなかった
あんな: だから私も深いところまでは読まず、ただ楽しんだという印象
イコ: そういう小説に、どこかに、(読者にだけは)現実に「ある!」と思わせる何かがあれば、主人公の一徹っぷりは引き立つ
あんな: でも全体的に見ると切実さは、ある気がする。そこまで道化とは思わない
しろくま: 彼女に殺されたのが自分だったらよかったのに、というところかな。切実さを感じたのは
小野寺 那仁: 血、や赤と書いてあるけどあまり伝わってこないんですね
イコ: ただ楽しむことは、自分もできました。切実さは、感じませんでした。いらいらしただけで……。いらいらが、いらいらいらいらいらいらいらいら、くらいになると、切実さに変わります
常磐 誠: 自分は切実さを感じた派なのですが、イライラできるのが逆にすごいよなぁ、と思います。
小山内 豊: この作品がケータイ小説に含まれるか否か
る: ケータイ小説に見えたかどうかちょっと気になります
常磐 誠: 言われてはじめて意識しました。自分はあまりそれを感じません。
あんな: 最初からそのような意識で読んでません
緑川: 改行が少ないので違う
常磐 誠: web小説(常磐が活動しているような)ならばまだ存在するかもですが、ケータイ小説と呼ぶには何だか次元が違う気がします。
小山内 豊: 感情移入を感じさせるせいか、かなり直情的、短絡的なところがあるので、わたしはそのように感じました
イコ: ああー、言われて、分かった気がします
る: すんません流れぶった切りました、あざっす
小野寺 那仁: 村上春樹っぽさも感じた
イコ: ラノベっていうより、ケータイ小説だ、たしかに。
小山内 豊: 改行が多ければケータイ小説ですか?>緑川さん
緑川: すいません。ちょっと冗談入りました
常磐 誠: ケータイ小説の一要素ではあるかもです。
横読みで読みやすくするならやっぱりこういう風に
した方が読みやすいのです。
常磐 誠: 確かにこれはラノベではないですね。断固として。絶対。>イコさん
小山内 豊: ジャンルとして成立しているわけですし、卑下するつもりもないのですが(ちょっとある)、創作志望としては、ケータイ小説というと、ちょっと作業的な意味合いがあるんじゃないかと思う。モチーフの一つ一つを、印象のみで扱い、踏み込んでいかないところは、少なくともそうしたケータイ小説的なところがあるのかなと思います
常磐 誠: ちょっとある、の部分が面白いなぁと思うちょっと失礼な常磐。確かにここで皆さんがそういう風に仰るのは、今少し分かる気がします。>印象のみで扱い、踏み込んでいかない
小山内 豊: ちょっとわたしは自分の考える真摯さにこだわりすぎるので場違いなところもあるかもしれません。論点がおかしいなど反論がありましたらお願いします。
小野寺 那仁: 小山内さんは文学である以上は世界観や思想を単なる感情・情緒から立ち上がらせたいとお考えと思います
小山内 豊: そのとおりです。時代性を考えたら、そうしたものが文芸に求められているのではないかと。ただ、文学と言う言葉は使いませんけど
あんな: そこは同意します。ただ全部がそうである必要はない、といった感じです
小野寺 那仁: この作品では「喉に棘が刺さった子供」の逸話がありますがそれは、世界観にはつながらないですかね
しろくま: 時間になりましたがよろしいでしょうか。るさん、コメントがありますか?
る: イコさんのいらいらについてききたかった、それと喉に棘、ってのはこの作品の中の唯一の世界観なのかな
常磐 誠: 唯一。
小野寺 那仁: いや、唯一とは言ってないですよ。例として
イコ: あ、呼ばれてた。あのカッコつけた主人公が、ずーーーーーーーーーーっと描かれれば「こいつカッコつけてんなー」ってのが、だんだん「この人かわいそう」に変わってくるということです
る: ふむ
小野寺 那仁: とにかく、もっと長く書いてほしい
イコ: 喉に棘は、いい比喩だと思いました。あの会話は、光っているように思いました。
る: 最後に首をちょっぴり傷つける、ってのは「かっこつけ」には入りませんでした?
常磐 誠: 確かに、読ませる作品でしたし、長くても良かったですよね。自分も喉に棘は好きです。
イコ: めっちゃかっこつけですよね
あんな: w
小野寺 那仁: (笑)
る: うん、
あんな: 刃を買った、はちょっと萎えた
る: 俺としてはずーっとかっこつけを書いたつもり
常磐 誠: 言われてみてようやくそういう発想に行き着く。
る: かっこいいことはなんてかっこわるいことなんだろう by早川よしお ってな感じで
イコ: そうそう、だから、それはそれでいいんだよ。
る: うんうん
緑川: かっこいいじゃん、って感じで読んだ
イコ: それにいらいらするおれを、もっといらいらさせてよ!
る: もっと長くかけと
小野寺 那仁: 文芸はカッコつけなきゃだめだよ。つまり詰め込み過ぎ
イコ: そうです、もしくは、現実にばっちりいそうなやつを書いて、相対化させるか、です
る: ダイジェストかよ、ってのは自分でもあります、リズム感を考えたうえで、詰め込みも、考えていきたい
イコ: 主人公が絶対権力をふるう世界に、その絶対権力の影響下から逃れた人物がいれば、読者の視座が生まれる。そうすると、主人公がよりカッコ悪いやつに。
る: ふむふむ
小野寺 那仁: それってカミュの「カリギュラ」を思い出した。イコさん
あんな: こういう内容の場合、巻き込んでいくのは難しいですかね?
イコ: 「あんたはカッコ悪いやつね」って、言ってくれるような人でもいいですよ
る: 第三者かぁ
イコ: そういうやつがいないじゃない
る: 読者の視座ですね、なるほど
イコ: カリギュラ読んでないです、ごめんなさいw
しろくま: ではここでいったん切らしていただきます
る: ありがとうございましたー
しろくま: みなさん四日間おつかれさまでした。これで第三回合評会を終わります