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創作合評(2014秋号その1)

日時:10月26日(日)20時~(約2時間)

対象作品

小説「ビートを鳴らせ」(13枚):あんな 

小説「鈍行にて」(24枚):新嶋樹

レビュー「アレクサンドリア読解」(7枚):あき

 

参加者:る、6、Pさん、あんな、日居、彩、ふかまち、イコ 

イコ: こんばんは。合評会です。

る: こんばんは。

Pさん: こんばんは。

6: こんばんわー。

イコ: 一作40分程度で話しましょう。よろしくお願いします。みなさん今日は流れを気にせず、思ったことをどんどん話してください。作者は意見を多くもらえる方が嬉しいと思うので。

6: ラジャです。


○あんな「ビートを鳴らせ」

イコ: まずあんなさんの「ビートを鳴らせ」から。感想などどうぞ。

Pさん: 相変わらず、独特の感性を持った良作と思います。グローバルな視点から場面を作っていると感じさせますね。

イコ: うん、あんなさんは芸風を確立した気がする。

Pさん: ただ、テーマとどこの部分が関わってくるのかがわからなかったです。

イコ: 「文学的虚構」(秋号特集テーマ)ですね。

る: 世界観はいいのだけれども掘り下げがうまくっていないように感じました。主題である「かなしみをうけいれない」というのは曖昧なままでいいと思うんですが、プラカードを掲げる人たちと運転手の男、がどのような対立項を持っているか、というのはもっと明示的であったほうがよかったようなきがします。一方で縁戚のおばさんが、「わたし、まだかなしいのかしら?」と言うシーンは色々暗示的でよかったと思います。人物に奥行きを持たせる、と言うのかな……。

彩: こんばんは。遅くなりました。

日居月諸: (今気づきました。用意はないですがとりあえず参加します)

イコ: 参加者続々増加に喜んでいます。どんどん書き込んでください。

6: 場面の立ち上がりがすごく伝わってきました。それぞれの情景に必要な小道具や仕草が具体的に書かれていて、あたまのなかでなめらかに映像として再現されていきます。一方で魅せ場のところでは抽象的・詩的な表現がひかり、具体的な描写のスパイスとして効いていたと思います。文学的虚構についてはこのあんなさん独特の抽象的・詩的表現の連続だったのかなと読みました。

イコ: その人物の背景を想像させる手掛かりのようなものが少ないのか、なまじ雰囲気が出ているだけに、作者が書きこんだつもりでも雰囲気に流されてしまっているのか。

Pさん: プラカードを持っている人と運転手の関係は、単に運転手が通りすがりにデモが邪魔になった人なんだと思っていましたが……。

る: 例えば「夫人」に関して言えば、上記の台詞ひとつで、夫に先立たれたかなしみが伝わるのですが。運転手の男はどんな背景があってああいう行動を起こすのか、何をしたかったのか、というのが不明瞭でした。

Pさん: 最後の方は、僕は夢の理論に則っているとしか思わなかったです。

イコ: 夢の理論とは?

Pさん: 理論っていうか、単なる通りすがりの何でもない人間が、急に陰が差してきて、何の理由もなく「ああ、実はハメられていたんだ」というのは、夢においてはよくあるパターンだな、と思ったです。

る: あとボクとプラカードを持つ人たち(おそらく小さな機械をくれた人と同じ?)との関係がどのように変遷して最後にいたったのか、という物語が継起してこない、というのも感想としてもちました。

彩: ちょっと分かりづらい箇所、というか、校正の不備かな? と感じる箇所がありましたね。

Pさん: 「見当もつかない」とすべきところが「検討もつかない」となっている所はありましたね。

イコ: 『突然照明が変わり、一心不乱に踊る二人の姿をシルバーの強烈な光が火花が散るように二人の顔の上に飛び散った。』←文章で言うと、この文章も推敲不足を感じる。すごくいい文章ばかりなんだけれど、ところどころもったいなく思えて、作品の世界に十分に浸りきれなかったところはありました。

る: 「が」が重複してますね。

彩: ちょっと気になった箇所をあげると、冒頭の機械? を口に放り込むところ、「放り込む」という表現が近くで二回出てきます。あと、女性がこの町に連れてきたけど、ダンスホールに連れてきたのは主人公、ですよね。なんだか分かりづらかった……。

イコ: あと、女性がこの町に連れてきたけど、ダンスホールに連れてきたのは主人公、ですよね。なんだか分かりづらかった…そうですね、これは自分も混乱しました。

ふかまち: こんばんは。

イコ: ふかまちさんこんばんは!

ふかまち: 冒頭がとても美しくて興味を惹かれたのですが、きれいな言葉の連なりであっと言う間に終わってしまっていたな、という感じで、かなしいという言葉が強調されていますがただ強調されているだけの、あまり効果的ではなかったように思います。

こんなふうな、ていねいに言葉が連なって、読んでいてするるっと浸透していく文章はうらやましいな、とあんなさんの作品を読むたびに思っています。

イコ: あんなさんの文章、ほんまにうらやましいです。

彩: 全体的にすごく引き付けられる世界観を最初に提示しているので、残念ですよね。あと、口の中に放り込む「機械」という表現も、そもそもちょっと違和感が……。機械って食べていいの!? みたいな。

イコ: 彩さん、その違和感もあんなさんの狙いなのかもしれないと思いました。

彩: あと、車が目の前で停まって、わざわざ降りてきた男の人が「なんだか表情が冴えないな」もちょっとおかしい(笑)舞台セリフじゃないんですし。

Pさん: それこそふかまちさんの作品みたいな、映画の記号的書割的効果をねらったのかも。

イコ: 死の瞬間、最後に口の中に放りこんだ機械が、ビート(機械的なリズム)を鳴らす。ビートに乗って踊っても薄まらなかった「かなしみ」を、ラストシーンに結実させたかったんじゃないかと思いました。

る: そのように読みましたが、その「かなしみ」に立体感がなかったかなぁと。>イコさん

6: 人物背景については、前回の作品は生い立ちや関係が書かれていました。人物背景があった方がいいかという点についてはわからないです。個人的には情景や物語を離れて言葉が独り歩きするような瞬間が、音楽の興奮のただなかにあるときにあってもよかったかなと思いました。

Pさん: もっとずっとわかりにくくても良かった。

彩: 世界観、というかこの話の中だけで通じさせようとしている確固たる真実があると思うんですが(「機械」と「かなしみ」ですね)、どっちかひとつに絞った方がよかったんじゃないかな、と思いました。

6: 「かなしみ」についてはそれがほかの言葉におそらく置き換え可能という点で弱さを感じますが、「かなしみ」を具体的に書けばよかったかというとそうでもなく、これは世界に蔓延しているイメージとしての抽象的な概念としての「声」みたいなものの皮肉な表現でもあったと思いました。なのでそれを具体的に書けば解決というわけではなくて、やはりその「かなしみ」という言葉の周囲を説得力ある形で描かなくてはいけなかったと思います。

あんな: こんばんは、ログ追います……。

Pさん: 今回は僕は詩的な飛躍がより少なくなっているのがすごい寂しかったです。

イコ: そうだなあ、太字でシミのように打たれた「かなしみ」にいやでも目が行くけれど、太字が周りの表現によってさらに滲みをまして、迫って来るようなものがほしいですね。ただ「かなしみ」のバイアスをかけられた(夫をなくした?)人物が、冒頭、「楽しいわ、とっても楽しい」と言っているところなど、自分は大好きなんですよね。この人物がそんなことを言いながら踊り続けるだけで詩的な感興をおぼえます。

る: わりに夫人はよく書けてたんじゃないかなぁと思います。

イコ: そうですね、自分もそう思います。反対に、「ボク」は最後までよく分からなかったです。

あんな: 校正箇所、気づいていたんですがまだ修正できてなくて……後ほど修正版貼ります。

イコ: さて、そろそろ40分ですが、言い残したことはありませんでしょうか?

ふかまち: かなしみをうけいれない人や町を(「西瓜糖の日々」の西瓜糖のように)もっと描いてもよかったと思います!

イコ: たしかに、書きこみがもっとほしかったかも。>ふかまちさん

あんな: 書き込み足りないの自覚してます。推敲し直そうかな(ぐちぐち)

る: その価値あると思いますよ!

ふかまち: うん。

彩: 校正のミスは後悔が残ります……。

イコ: 推敲校正ってことでいえば、自分の「鈍行にて」も今日読みかえしていて二箇所致命的なミスを見つけたので、悔しいです。

あんな: 日居さんがオッケーだしてくれたから油断した(笑)

イコ: 分かります。校正でオッケー出ると油断しますね(笑)でも最終的には作者の責任。

あんな: そうですね、確認し直します!

日居月諸: 私の言うことはもう信用しないでください。

イコ: (笑)


○新嶋樹(イコ)「鈍行にて」

イコ: よろしくお願いします。

Pさん: 電車内のリアルな光景が詳細に描かれた良作と思います。ボックス席の緊張感がひしひしと伝わってきました。

あんな: 言葉ひとつひとつを慎重に置いてる感じしました。電車内の会話、面白く読みました。

る: 人物造形がしっかりしてて突飛な人物が出てきても違和感なくすんなり読めるところはすごいことだと思います。ただパラフレーズとしておかれた物語がどう機能しているのかまったくわからなかった。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を意識したのかな……?

Pさん: 多岐川裕美のチョイスが絶妙だったです。この女の自己像の持ち方、リアルだなあ。

彩: よかったですよね。多岐川さん。柵を越えると動物になってしまう奇病真っ最中なのに、まさかの前田敦子も。

あんな: 途中まで「雪の練習生」みたく高度な擬人化かと思ってたけど全然違った。私も最後まで二つの話の繋がりがわからなかったです。

6: 二つの物語の並列の配置については、お互いが関係を結ばなくても、かけ離れた世界観を書いていたとしても奇妙な味わい深さがでることがあると思います。しかしこの作品においてはあまり感じることができませんでした。また細部についてどうしてそれをそこまで細かく描くのか。という疑問がいくつかありました。また視点の主は女性(だと思って読んだのですが)、男性的な視線が文章にあり、視点人物が女性ということにあまり説得力を持たせられていないのではと思いました。

あんな: 最後の似てねえ、は急に男性的に思いました。

Pさん: 概してtwi文部員は、というかたいがいの創作者が、固有名詞を避ける傾向がある気がするので。

彩: 最後の最後でつながるのかな? と思ったんですが。まず、この村は鳥取にあるのかいなか。気になりました。

Pさん: このパラフレーズされた寓話的並行ストーリーは、全て車内の光景のメタファーなのではないでしょうか。

ふかまち: 静かな出だしはタイトルの「鈍行にて」にぴったりで美しいと思ったのですが風景の描写がすこし説明的でぎこちない、とんとんとん、連なっていないところが気になりました。女を描写する部分になると突然文章がうまく連なるというか饒舌になるところは、わざと緩急を出していたのでしょうか。

女と彼女のやりとりの部分は楽しかったです。自分が誰に似ているとか似ていないとか、人が誰に似ているとか似ていないとかの、普段ちょっとする話をくどくどとしてしまうのは、ボックス席の空気にやられたからかな~(笑)

る: うん、わたしも関係を結ばなくてもいいと思うんだけど、6さんと似た感想かな。

男性的な目線というのは女性の脚に目がいくところとかですか?

6: そうです>るさん 

る: それは女性の脚が通常より毛が濃かったから、と思ってそんなに気にしなかったです。

Pさん: 「柵をこえるとたちまち動物になってしまう奇病が流行った村」というのは、電車の連結部を往復する子供が病的に騒いでいたという意味です

る: なるほど。

Pさん: ……っていうのは冗談ですけど、このパートは、あんまり忖度するのもアレだけれども、イコさんの社会システムに対する理想みたいなものが何となく反映されているのは感じ取りました。

イコ: (作者による皆さんの意見のまとめ)

・ボックス席の緊張感が伝わる

・言葉ひとつひとつが慎重に置かれている

・多岐川裕美

・女性の自己像の持ち方が独特

・詳細で感覚に正直な描写

・風景描写が説明的でぎこちない

・女の描写のときに饒舌になるのは緩急を出しているのか?

・男性的な視線があり、視線人物(女性)に説得力がない

・真っ先に脚を見ないんじゃない?

・偶数段落の物語はどう機能しているのか

・話のつながりが分からない

・2つの物語を置くことによる奇妙な味わい深さが感じられない

・作者の社会システムについての理想が反映されているのでは?

6: (女性になったことがないのでわからないですが)女の人はそういった肌とかよりも身に着けているものに目が入ったり、ある種の批評みたいなものが視線に漂ったりすると自分は思うのですが、それよりも直接足を見ていたのでなんとなく男性っぽいかもと思いました。

あんな: 肌の質感とか見ちゃうけど脚は真っ先には見ないかな。

Pさん: ほぼランダム・ピックですけど、“「わたしったら、やあね」酢のなおいが漂っている。木の割れる小気味よい音がひびき、彼女は見て確かめなくてもそれが割り箸であることや、女が食事を始めようとしていることが分かった”みたいな、詳細で感覚に正直な描写が自分はすごい好みですね。全篇通して、「これは現代の阿房列車だ!」と思いながら車窓を眺めるごとく楽しんでいました。

イコさんのまとめで気が付いたけれども、あれは段落ごとに話が切り変わってたんですね。

イコ: 恣意的なまとめですみません。話が途切れたので作者から……。偶数段落の奇病についての物語がなかった方がよかったでしょうか?

Pさん: どっちということもないと思います。ただ車内の風景がフィクションに引きずられるようなことがあったらもったいなかったです。

6: あった方がいいと思います。しかしもっと関係性をつくるか、何かのバランス関係を働かせるべきだったと思います。

る: 現状だと無いほうがいいかなぁと。

あんな: あった方が電車の場面が引き立つけど、何かしらの引っ掛かりが欲しかったかな。

6: あと視点人物が女性なのに、早口のおばさんのことを「女」という呼称で呼びつづけるのもなんとなく違和感があり、同じ女同士の場合はまた別の呼び名で読んだ方がいいのかと思いました。一人称ではないのでべつにそこまで気にしなくてもいいのかもしれないのですが、一人称の単元視点のためにそんなふうに思います。

イコ: なるほど……皆さんありがとうございます。

「仕事終わりに何倍かの麦酒」→「仕事終わりに何杯かの麦酒」

「片脚の男は村外れの廃屋に四肢をつながれた」→片脚なので四肢がない。

2つ大きなミスをしていました。すみませんでした。

Pさん: 「麦酒」の方に気を取られて気がつかなかった。

る: あ、四肢のところは気付いたけど上は気付かなかった。

イコ: ひでぇもんです(笑)

あんな: 気づかなかった。

イコ: 他にもあったら教えてください。さて、話が一段落したので、30分から「アレクサンドリア読解」にいこうと思います。みなさんありがとうございました! やっぱり合評はいいですね。たいへんな刺激をいただきました。


○あき「アレクサンドリア読解」

イコ: さてはじめます。映画を見てないホストですみません。

Pさん: 僕も見てないです。

ふかまち: わたしも見ていません。

あんな: 見てないです……。

イコ: 逆に見た方がおられれば、その方には大いに語ってもらいたい……。

Pさん: トレイラーはチラッと見ました。

彩: 同じく見てません。主人公はダニエル・クレイグの奥様? 彼女が主演した「ナイロビの蜂」なら見たんですが、確かにぴったりなほど知的で美人な方ですね。

る: 私も映画を見てないんですが。

最初に出てくる、「文明の対立」と「無知の対立」という区分けが、後の論展開にまったく影響を及ぼしていないように思っちゃいました。全体として、浅く、言い切りが少ない文だなぁ、と。もっと論が深化していくのを読みたかった。

Pさん: 話がすぐ、次、次、といってしまいますね。

る: 正直、その次項との連絡に有機的なつながりをあまり見出せてないです。

彩: うん。確かに。

Pさん: 文化論としてコアな所に単語では触れていつつ、数行おきに対立軸がいくつも立っていて、なかなか頭でまとまらない。

彩: 冒頭の「2001 年 9月 11 日のアメリカ同時多発テロ事件は、まさにハンチントンの提唱した「文明の衝突」として人々の眼には映ったのです。」からついていけなかった……。

イコ: そうですねえ、もう少し補足がほしいですね。この作品は「レビュー」とあったけれど、どういう読者を想定していたんだろう? という疑問がありました。

彩: レビューというか、せっかく映画批評なので、この作品を見たい、という気にさせる部分が多くれ少なかれあると思うのですが、これだけみんな見てないのはすごい(笑)

イコ: まだ見てない人にそのレビューを参考にしてもらって見てほしいのか、見た人に著者なりの映画の見方のようなものを伝えたいのか、それとも本格的な映画評論をやりたかったのか。

彩: ちょっとでもあらすじを入れてほしかったですよね。最初にネタバレしてます、ってあるけど、むしろ全然バレてません。

イコ: スペイン製作の映画であることはどこかに書いてほしかったけれど、こういうレビューのやり方がどこかの雑誌にあって、それを下敷きにされているのかな。

6: 「ヒュパティアの殺害方法を変えたのはなぜか」の答えがあとを読んでもわからなかったのですが、誰か教えてもらえませんか。

Pさん: 僕も校正の時に何度も読んだけどわかりませんでした……。

ああ、「女性性を一身に背負っ」ていて、「声を持つ唯一の人物」であるヒュパティアの「声」を奪うラストであるべきだった、ということかな。

6: 特権的な存在だったから、象徴的な死を遂げたということなのかな。

Pさん: みたいなことでしょうね。

イコ: 口を塞がれる→声を失うということですよね。

6: 短い量でしたがいろんな話題にふれ、多層的に映画を読んだのではないかと思います。面白かった部分もあります。評論のように読むのではなく、レビューとして書かれたもので、こういう構成でよかったのではないか、と思うところもあります。ただ、あやさんがおっしゃるようにこの映画を見たいという気持ちにはなれなかったと思います。

イコ: 神が女性性で描かれているというところはおもしろかったなあ。よく見ておられるなあと思いました。

6: 字幕と音声のところですよね。あそこ面白かったです。

イコ: ですです。細かいところを見ておられますよね。

る: 確かに見所の羅列、という意味ならこういう書き方でもいいのかな、と。

イコ: ここがおもしろかったんだ、というような著者の熱が伝わって来るようなものを読みたかったですね。そしたら見たくなったと思う。でもあきさんの狙いからはずれるんだろう。

日居月諸: 「ratio」を始めとした「理性」の性別が女性名詞である、っていうのが話題に出されないのはなんでだったんでしょうね。

イコ: ほう。>日居さん

日居月諸: 英語との関連で言えば、英語は物質に性別を持ち込まない言語ですよね。一応物質を代名詞で置き換える際にheやSheを使うときはありますけど。そのへんをせめてけば面白かったかな。

あんな: 映画を見てからならよく理解できたのかな。

Pさん: こう言うとアレだけどまず映画のチョイスじゃないかなと思いました……。せっかく、「この映画をレビューしてくれ!」と職業的に頼まれてる立場でもないのだから。

彩: いや、単純にこの作品が好きだからこそ、書いたんじゃないのかな?

Pさん: そうなんですかね。

イコ: そのへんはあきさんに聞いてみたいですね。>この作品が好きだから?

彩: カメラワーク的なことにも言及してほしかったですね。たぶんそういう部分もこの文章に影響していたはずなので。

Pさん: 自分的には、あきさんにとって、コアーな所を衝かれた! っていう感じの文章には見えなかったので、なんかそういうのが欲しかった。ジェンダー論がそうだったのだろうか。

イコ: 何かを魅力的に紹介するのって難しい……。(以前、紀行文で実感した)でもあきさんはtweetでは、飛浩隆作品や佐藤亜紀作品の良さを、すごく熱をこめて伝えようとしておられるからな……。やっぱり、狙いが違ったのかな。

Pさん: そこにしても、結局、男性性に女性性が縊り殺される場面について論じるというのは、何といっていいかわからないけど、現状追認? 的なものを感じました。なんかそういうベタな力関係から脱しようとするのがジェンダー論なんじゃないかと思ってた。僕はこういう風ないわゆるジェンダー論にくみしないけど。

イコ: とくべつそれでジェンダーについて訴えかけたかったのではなくて、こういう構造を持っていますよ、と話したかったのかな?

彩: ジェンダー論にフォーカスが当たってるわけではないと思うのですが……。ここを特に言いたいんです、という部分が分からないですよね。普通、自分が好きな作品を書こうと思ったら、熱がありすぎて空回りする傾向があるとおもうのですが、これは逆。かなりドライなかんじがします。

イコ: そうですね、丁寧な口調がとくにドライさを感じさせますね。

Pさん: 一応、レビューの焦点を探そうと思ったら、そこだったから……。まあ、論述って、「結局何が言いたいのか」だけではないというのはありますけどね。

イコ: 「文明の衝突」で片づけられないんだよ、というところをもう一度確認しておくと、冒頭が活きて、もう少しまとまったかもしれないですね。結論を最後に出す、というか。

Pさん: 例えば展開としてはそうですね。

イコ: 言いたいことがいくつかあって、それが並列されており、いずれも語りきられないうちに投げっぱなしで終わってる印象を受けるので、論点を整理して見出しをつけたりされるとよかったかもしれない。最後の段落は、もっときちんと語ればいいところを、わずか数行で、付け足した感じを受けてもったいなく思えました。

6: こんどはあきさんの大好きなものを語ってほしいと思います。

Pさん: 本質的なところではないですが、映画評の場面、「読解」って言葉使うのかな、とちょっと迷ってました。校正でいおうかどうか。

イコ: 「レビュー」や「読解」など、ちょっと違和感がありますね。なんというべきなんだろう?

日居月諸: 「批評」でいいんじゃないですか。

Pさん: そうですね。

イコ: 今調べてたんですけど、レビューは英語で「評論・批評」という意味があるんですね。もっと軽いイメージでしたが、これは使い方合ってるんですね。「読解」は「批評」に直した方がいいか。

る: re view で見直すって意味なのかな?

イコ: そうみたいですね。>るさん

さっきここ見て、勉強になりました。

る: ありがとうございます。

イコ: 色々意見が出ましたが、今回のあきさんの作品は、Li-tweetでは初のたいへんおもしろい試みと思い、新鮮な気持ちで読ませてもらいました。

さて、それではこのへんで合評を終わりにしましょう。ありがとうございました。

る: お疲れ様でした。

Pさん: お疲れ様でした。

 

【文責:イコ】