『結婚、とかなんとか』る
ホスト:あんな
あんな: では~作者不在ですがはじめましょう
大羽 左膳: えーと中盤から読みづらかった
あんな: みなさんどうでしょうか? 私は読みづらいというのはなかったです
神崎: 初めの方は少しとっつきにくいのですがその後はすんなり入りました。
小野寺: 文章のいいところもあるのですが、ストーリーが、いまいち把握しづらいです
小山内 豊: 夢と、現実を行き来する構成ですね 読みづらいというのは構成? 文体?
あんな: 把握しづらい、というのはありますね。短いし、掴みづらい。
大羽 左膳: ちょっと現実味が薄いかなって感じで
小野寺: 結局、妻はなんで死んだのですかね
大羽 左膳: 「母親」になりたくなかった、なれる自信がなかった 背負えそうになかった、怖かった
小山内 豊: 自殺したって書いてあるような……
小野寺: そういうことですか
あんな: 子供を堕ろしたことが何かしら関係あると思いましたが
小野寺: わからなかった ああ、なるほど
大羽 左膳: 怖かったけどまさかおろすとは、
小山内 豊: 四カ月前に、妻は、長女と、子宮を、摘出された。私は、有給休暇を使い果たして毎日病院に通った。けれども退院後、妻は二人の家ではなく、実家で養生することを決めた。「ごめんなさい」、妻は私に対してそれしか言わなかった、言えなくなっていた。妻の両親は、実の子のように私に接してくれた、けれども毎日のように見舞いに来ようとする私に、「今はあなたが来ても逆効果だから」と言って、門を閉めた。妻は自殺した。引用です
大羽 左膳: 自分の願望がかなってしまったのかと 苦しんだのでは
あんな: 小山内さんありがとうです
小野寺: でも、そうなると美里ってなんなのでしょうね
あんな: 美里については色んな見方ができると思いますね
小山内 豊: 職場の後輩ですね。「付き合おう」とかいうあたり軽すぎる気はしましたが、新しい恋人候補ですか
あんな: お互い好意を寄せてる感じはしますね
小野寺: 私は何等か美里との浮気がばれて妻が自殺したと思ってましたよ
小山内 豊: あ、本文では彼氏に立候補ということでした。
あんな: えっと、妻が自殺したことを後半ストレートに書いてますが、これは私は結構がっかり感ありました
小山内 豊: 露骨すぎるという?
あんな: 夢の文体や雰囲気が良くて、それを短い枚数で後半明かしてしまうというのは個人的に雰囲気が崩れるようなイメージありました
小山内 豊: たしかに説明してしまっている感がありました。
あんな: 対照的に出てくる美里との交流も薄いというか、、、
小山内 豊: 現実パートのつくり込みが浅いということでしょうか
小野寺: そうですね
大羽 左膳: だから現実味薄くてよみづらさが生じた
小野寺: 特に美里とのシーンは通俗的に思えました(自分の作品は棚上げですが)
小山内 豊: 夢パートとの対比という意味では、味気ないながらも一応意図的なのかなーと思わないでもないです
あんな: 意図的というのは感じましたね。しかし、左膳さんの言うように現実味はないですよ
小山内 豊: 作者の意図というのは、妻を失った苦しさを初めのうちに明かさずに、夢パートで暗示させて、そこにたいして現実パートでじわじわとお話を進めていくということだと思うんです。
大羽 左膳: それはわかりやすく書いてあることなんじゃ?
小山内 豊: それでいま指摘されているのは、その苦しみのところと、現実パートのお話が通俗的過ぎるということですね。
大羽 左膳: ????????
小山内 豊: 妻の死すら読んでなかったのでは>大羽さん
大羽 左膳: 意図って、だからそういうふうに書いてあるからいまさらな気がします全部読んでます 失礼な
あんな: 小野寺さんは今回の作品で前回よりも良くなったと仰ってたと思うんですが、意見を聞かせて頂けますか?
小野寺: ん?
あんな: あれ?違いましたっけ?
小野寺: ええ
小野寺: そうです全体的にバランスは悪いのですが
あんな: はい
小野寺: 文章は独りよがりな部分や感情的な部分からは前進していると思いました
あんな: たしかに、もっと俯瞰的にはなっています。言葉が選ばれている感じはしましたね
小野寺: ただ夢パートも表現がくどい部分もありますはじめの夢で「感触」という言葉が四度も並んでいる
小山内 豊: 扱っている内容に重みがありますね
あんな: 私はくどい表現結構好きなので(笑)逆に現実パートがやはり、通俗的だというのはあります。
小野寺: らかほっとして、女の子の頭に置かれた右手の感触を確かめようとすると、そこにはただ虚しく空を掴む感触があるばかりだ。
また、男は額を滴る汗の感触を確認する、これによってそれまで知覚できなかった時間の感触が幾分か現実味を帯びて彼に迫る。この部分です
小山内 豊: 妻を失ったという事実にたいして、一年でしょうか、それだけの期間で後輩に交際を申し出るというのはちょっと、感覚的に馴染めませんね
あんな: なるほど感触連呼は、気づきませんでしたが貼りつけて見てみるとやはり不自然だ
小野寺: 私は短い中で同語反復されると萎える方です
神崎: ふむ、確かに気が付かなかった。
あんな: しかしルビーの表現などはとても印象的でした結局美里の存在って一体なんだったのでしょう・・・?
小野寺: うーだから、小山内さんの読みで時間が美里との交際は妻の死後ということなんでしょうね
小山内 豊: あえて意味づけしようとしたなら、主人公には恢復の道が残されている、ということでしょうか
小野寺: 読めてなかったわ―
小山内 豊: 妻を亡くして、心療内科に通っていますからそのように理解しています
小野寺: それで左膳さんに云われたのですね
あんな: 立候補しようかな、と口では言っておきながら、弄んでる感じはありますよね。彼女のほうは明らかに好きな雰囲気だけど
小山内 豊: はーい。私の問題にしたいのは、この作品の価値ってどんなところにあって、意図がどんなところにあって、それから、それを察したときに作品として問題がどこにあるかです。それで、 妻がお産で亡くなっている、そうしたことを扱っていることにまず、作者のやる気見たいのがうかがえて、すごいなと思ったんですが、確かに現実パートでの美里の扱いは、よくわからない。
小野寺: 作者は美里とのことは深く考えていないようにも思えます。
小山内 豊: 私もそう思います。
あんな: 何かしら意図はあると思うけれど読者には伝わっていないということですね
小野寺: 文章表現、妻の死のネタバラシの部分に力を込めているかのような感があります
小山内 豊: 恢復が残されているという希望の話なら、ちょっとご都合主義的な登場人物です
小野寺: そうですね
『珍獣と握手』常磐
ホスト:あんな
あんな: では、時間ですのでそろそろ次いきましょうか「珍獣と握手」
小野寺: これも表現のくどい作品だなあ
小山内 豊: ありがとう>あんなさん
あんな: 私はこの作品はすごく好感を持って読みました
小山内 豊: とらえどころのない作品でした
神崎: 内容はともかく表現でいくらかひっかりましたね
Rain坊: よくわからない作品というのが第一印象です
あんな: みなさん、わからないという意見が多い感じですね
小山内 豊: ストーリーはあるんでしょうか 詩的な世界?
あんな: えっと、作品に戻りますと、先ほどのくり返しのくどさ、とは確実に違う次元で効果的な言葉の連鎖と読みましたうーん、言葉の連鎖…
神崎: いくばくかしつこい気がします。
あんな: この作品は主人公がいるようでいないんです。男というのは何度も覚醒していますが、そのたびに存在が歪んでいく感じ
小野寺: 動きがあるのでしょうか
小山内 豊: 男がよくわからない回路に内包されている、というか、組み込まれている? ええっと、一部であるようには読めるかな…
あんな: 組み込まれて増殖していく感じが面白いと思いました都会的な作品ですよね
小山内 豊: 脈絡のない風景は日本の都市に通じているかもしれませんね。それを書きたかったのでしょうか
あんな: 立ち上がってくるイメージが都市に隔離されてる男ですね緑川さんどうですか?
小山内 豊: 私も緑川さんに訊きたかった^^
緑川: 都会的≒人工的でしょうか?「人工的」って作中で実際に使われてる言葉ですがそしてそれが、作中で肯定的なものなのか否定的なものなのか如何でしょ?
あんな: 人工的や、人工の街というのは頻繁に出てきていますね
わざとらしくは感じませんでしたが
緑川: あんなさんの言われる「主人公がいるようでいない」に同意しますが、なんらかの主体はいます 読者にとってはそれなりに楽しめる都会的(人工的)な風景ですがその主体にとっては違和のある馴染めない世界かなと
小山内 豊: 肯定的とも否定的ともいえないですが、不気味な、グロテスクな馴染めなさは感じます。なるほど、そういう解釈は可能ですね
あんな: ではタイトルの珍獣とは、、、みなさんの読みが聞きたいな
小山内 豊: 緑川さんの解釈に拠ったら、都会のルーツの違う人たちと、和平を結ぶということでしょうか
緑川: 図式的ではありますが、人工に対する自然 かなと^^;
小山内 豊: あれ^^
緑川: ただ、この主体にとっては、やはりグロテクスな自然であったとどうかなぁ
神崎: 主体が知らないものだからグロテスクに感じた…かな
緑川: ん~、違和感のあるグロテクスな人工的な回路を抜けて、自然のある場所に出ても
小山内 豊: 構造からいえば、視点の男と、グロテスクな人工物と、それに含まれるグロテスクな住人ということで、自然は出てこないのでは? その自然も、主体にとってはグロテクスな「珍獣」であったと
あんな: 私も自然は感じなかったかなぁ
小野寺: 自然は感じられないですよ
緑川: かなあ、女の子は生きてるし
小山内 豊: その場合は、私とそれ以外ということで、上京した地方出身者が、東京で住人と景色に圧倒されたけども、ちょっと仲良くなろうと考えもしている、ということかな、恣意的な解釈ですが
小野寺: 都市の風景が人工であるばかりでなく部屋の内部も人工的といえなくはないですか?
緑川: だから、そう言ってますよ、小野寺さん
あんな: 珍獣というのが、私には主人公にとっての自由みたいに思いましたね
小山内 豊: 自由というと?
神崎: というのなぜですか
緑川: たとえば「獰猛な鳴き声」も、開放的な感じがするとか
あんな: ガラス球とガラス板というのはおそらく脱個性の世界(人工的)を現していると思うんですが、その中で最後珍獣とだけはやりとりらしいやりとりがあり、
あんな: 最後の文章では、愛しかったと書いてある。 命綱の部分とかもそうですかねぇ、なんとなく解放、というイメージがあった
緑川: そうなると、作者が、「珍獣」と呼び、グロテクスに描いている意図が次に問題になるかと
小山内 豊: たしかに、ガラス球やガラス板(谷も?)は、緑川さんメソッドでは説明しきれないところもあるような。
緑川: あぁ 私は、このガラス玉は作者が目玉のことを気取ってこんな書き方をしたのかと
小山内 豊: 「男とグロテスク=都会」はとてもすんなり理解できますが、あんなさんの問題提起はたしかにに考えさせます
小野寺: 私は「自分」らしさ探しの物語にも思えました
あんな: たしかに目玉なんですが、このくり返される色はガラスに映ったイメージですよね。目玉とは違う、反射した色しか見えない。=人工的な世界につながるんですが
神崎: ああなるほど。小野寺さん自分らしさ探しというと?
緑川: だからガラス玉は人工的な方に入れた上で言ってますけどね
小野寺: 都会的人工的なものに囲まれ生きているうちに珍獣がやってきて(これがまた人工であって)次第に自分がなくなっていく。そのうちに自分のような珍獣にも出会うというような…うーん自信ないわー
あんな: なんかムーミン谷みたい
緑川: 珍獣は自然に入れた方がいいかと >男が部屋を出てから、 で作品の世界が少し変わるので.. ん~、しかしムーミン谷か^^; ニョロニョロみたいのが いろいろ出てくるのかな
小山内 豊: 自然の象徴や暗喩はうかがえない気がしますが、やはり男と都会が一番しっくり来ます。ガラス球、谷の解釈は脱線かもしれない、かなぁ
小野寺: それがすべて常磐さんの顔なんですね
緑川: 最初から最後まで、男と都会の関わり方同じなのかなとあえて自然と呼びましたけど、人工物だらけの世界に、それらとは異質なものが、 その代表が珍獣であり、外の世界が男に関わってきた そう読んだんですよ、私は
あんな: なんかその表現だとしっくりきました>緑川さん
小山内 豊: 男はアイドルスターである、なんて可能性どうでしょう。珍獣は来客ですから
緑川: ふぅ、言い方難しいな^^;
小野寺: 男は部屋から出て人工物を征服したみたいに思いましたよ、緑川さん
緑川: 来客であり、事務所に束縛されているアイドルを外に連れ出す人、とか>小山内さん 征服したのかな・・・
あんな: すごい飛躍したなw
緑川: だけど、外の世界もまた、アイドルには別の意味でややこしい世界であったと
小山内 豊: うんうん、福山雅治の歌にメディアに吸い尽くされるなんてのがあるから、ちょっと思いついただけなんですけど^^
『工場の風景 エチュード』小野寺
ホスト:小野寺
あんな: 今回の作品はすごくバランスがいいという印象でした。細部もよく書かれていて、読み応えありましたね
小山内 豊: ストーリーを踏み外さない安定したお話でした
緑川: 使ってる材料は良いのですが(小野寺さんの作品にはわりといつもそう思うのですが)セリフが説明臭い
神崎: 所謂社畜の話である部分です。社会経験のない僕には書けない
緑川: 社畜というか、現代の会社員を中から描いているのは良かったです
Rain坊: 後半の人間関係をもっと詳しくみてみたかった
緑川: 言葉で済ませちゃってるんですよね >Rain坊さん
あんな: 最後の、俺もだというのは、俺もつまはじきにしている方ということかな?
緑川: エピソードで語るのではなくつまはじきにされているってことかと主任と同じく
Rain坊: 真ん中部分の工場?の説明を簡略して、後半部分を会話やしぐさなんかで不仲を表してもらいたかったです
小山内 豊: ラストのところだけ人間関係に意味があった気がします
緑川: いろいろと全体を描かれたかったんじゃないかと思うんですよね
小山内 豊: じつはこの話のテーマは、機械のオペレーターの心情ではなく、労働者間の摩擦にあるんじゃないかと予感させて、それで終わってしまう
緑川: でも、かなりの箇所が説明で済ませられちゃって、小説的なエピソードがあまり書けてないもちろん配分の問題だと思うけど
あんな: テーマがよくわからないというのはありました。
神崎: そうなるとやはりまいすうがたりないのかな
緑川: 冒頭の男と、主人公のもしかすると複雑そうな関係とかも、ちょっと提示されて、終わっちゃってるし
小山内 豊: 配分というのもあると思いますが、訴える力が、前半、中盤になく、緑川さんのおっしゃるような、全体的に語りたいということだと思うのですが、後半のみに気が引かれてしまう
あんな: 人間関係をそこまで重視して書いてないのかな、と取れましたね
小山内 豊: 逆に言えば、後半は面白さを作りかけているということですね
緑川: 野球を諦めて就職した主人公という設定も、もっと書き込めるはずだと思うし
Rain坊: 中盤に訴える力がない分、後半がより気を引いてしまうという考え方もできますね
緑川: 中盤退屈でしたか >Rain坊さん
あんな: 中盤面白かったけどな、私は。だからあのまま突っ走って欲しかったかも。
小山内 豊: 私は冗長で間延びしていると思いました
緑川: なるほど、あんなさんなら面白いと思うかなと、私は思います
あんな: 自分が工場とかで働いたことないぶん
緑川: 「バラメータは三種類ある」から、次の改行までが作品全体の中で、異様に長いなんらかの意図があるんだろうかこれが、小野寺さんの考える「前衛」なんだろうか、とか
Rain坊: 内容そのものは興味はありました。<緑川さん
緑川: ふむふむでは、描かれ方なのかな・・・
あんな: なんか、このロボットとかもっとフューチャーしても良かったかもと思いました。
小山内 豊: ちょっと長くなるんですが、黒井千次さんの初期作にメカニズム№1という作品がありまして、
Rain坊: 何かしら動きがあったらいいなと、個人的には思いました
緑川: あぁ、なるほど。視点が固定されちゃってることで、息苦しさを感じることもあるのかも
神崎: それはわざとそうしたのだと思います>レインボウさん
あんな: 動きはないですね。完全にメカニック、
あんな: の説明
小山内 豊: その作品でも工場の労働内容がけっこう長く説明されます。でも、それはあくまで工員の仕事を説明するためであって(この場合はその非人間的な環境)、それ以外に語るところがないというわけではないんです。そうした先例を踏まえて(個人的な視野になってしまいますが)このお話を読んだとき、中盤を課題と読まないでいいのかどうか。
神崎: その息苦しさがあった方が作風にあってる気がする
小山内 豊: 私はやはり、中盤の長さは、この作品の面白さ、というよりも課題だと思います。
緑川: 課題といいますと?
小山内 豊: 後半の人間関係の面白さを書くに当たっての、冗長すぎる部分。
緑川: どのような課題なんでしょ
あんな: (小山田浩子の工場思い出したな。あれつまんなかったな~)やっぱり工場内部を延々と語るとつまんないんだろうな、、、
緑川: あぁ、最後に触れられる人間関係を面白く書くためには、前段のここの書き方が課題になるということですかね >小山内さん
小山内 豊: そうです。
緑川: だから必要ではあるんですね
小山内 豊: 工場内の労働環境を紹介するなら、ルポルタージュでいいとおもいます。
緑川: そうですね
小山内 豊: 小説なら物語性で読者を引き込む魅力が必要ですそれを壊している、という課題。むずかしいけども。
あんな: 必ずしも物語性が必要だととも思わないんですよねただ中途半端は良くない
小山内 豊: もちろん、全部ではないです。書き方が悪かったことをあやまります。 詩的世界をかくのも面白さにつながります(私にはかけないけども)。しかし、この作品の場合は、中盤の冗長さは、茫漠としていて、当てがないと思います。
あんな: そうですね、中盤が面白い面白くないは人によりけりですが、終盤はやはり緑川さんが指摘したように説明くさい部分はあります。物語性を求める内容でもあるので、やはり中盤当てがないように見えてしまう。
神崎: 説明書じゃいかんということですね
小山内 豊: 起承転で終わるようなもったいなさです。
あんな: これが工場内部の描写から始まっていたらまた変わっていたかもしれません。しかし、冒頭は家族の話ですからね。
小山内 豊: 家族の話も、個人的には落ち着きどころがほしかった。緑川さんが、全体的に書きたかったのではとおっしゃって、ちょっと、考え直しましたが、くすぶっている感じです。
緑川: 派遣の話しとか、下請けの話しとかも面白いんですけどね家族にしても、主人公の個人史(野球とか)も、それぞれ面白くなりそうなエピソードを提示されていながら、
作中に取り込むというよりは、提示で終わっちゃってる感がありました
Rain坊: 確かに、掘り下げて行けば面白くなる要素は多々ありますね
小山内 豊: 感触を探るように書いて、アイデアを温存しておくというようなことを私はやったりしますが、そういうことかもしれない^^
『葬送』緑川
ホスト:緑川
小山内 豊: 古代でしょうか、文明の黎明期のお話ですね
小野寺: 私は、今回の「葬送」はタイトルは少し気に入りませんが、全体としては今回競作の中では群を抜いた出来栄えだと思います。なんといっても文章が過不足なく表現されています感服しました
あんな: どこの国のいつの時代の話だろうと思いながら読んでいました。綺麗な文章でした、
小山内 豊: 「彼女の内部の静かな奔流に身をゆだねた。」この死の表現は美しいです。
Rain坊: 遺体という、言葉は使ってほしくなかったです。最後まで直接的な死の表現をしてほしくなかった。
あんな: これ、燃やしたって解釈で合ってます?
小山内 豊: あんなさんはどのように思われましたか?
あんな: 炎は燃え尽き、とあったので燃やしてしまったと思ったらその後に遺体抱えてって出てくるので、ふあ?となりました。
小野寺: そうですね
あんな: あ、これ炎って夕焼けのこと??
小山内 豊: なるほど、わたしは燃やしていないと思いました。灰を遺体と書くかどうかあ、薪じゃ灰にはならないか
あんな: 焼死体wリアルw
神崎: そうですね、夕焼けであってるのかなそのあと太古の闇が~とあるので
小野寺: 炎は宴会の焚火なんじゃないの?
Rain坊: 遺体を燃やしたって表現はなかったと思うんですが……
小山内 豊: ちょっと、あんまりですねw それはまぁ、話とは関係ないかもしれないですけど^^焚き火でしょうね。
あんな: 燃やしたっていう直接の表現はないですもんね、私の読みが浅かった。
神崎: ますます調子に乗って騒ぎたてる二人の巫者は、そのきつい原色のメーキャップに加え、夕日の残照、燃え盛る炎、そして忍び寄る闇によって飾り立てられ、異形の様相を醸し出す。長を始めとするバンドの人々は、次第にその姿に気圧されつつも、ともかくも宴の進行に努める
とあるから宴の炎か
小野寺: このバンドは死をめでたいととらえるのが変わっていると思いましたよ
あんな: そういう風習みたいなのは実際ある気がします。どっかの国とか。曖昧だけど。
神崎: めでたいこととするかはともかく悲しいことにしない風習はいくらかの国で見られます。
Rain坊: それは日本でも同じようなものでは? 宗教的には違うかもしれないけれど<小野寺さん
小山内 豊: 死をめでたくとらえるというのも、死体を山に安置するのも日本ではないような。
緑川: あの世のこと「極楽」って日本でもいいますし
小山内 豊: 極楽は仏教の概念ですよね…
小野寺: 実際は悲しいんですが気休めでそういうんでしょうね
神崎: 古代エジプトでは太陽の船とかにのって天国に行きますね。
それはやがて戻ってくることが前提なのだけど。
あんな: ブータンだったけな?なんか死んだら幸せになるとか。生まれ変わって。
小山内 豊: あ、めでたいを説明することばとして、ですね? 作中に極楽ってない、ですよね?
神崎: 転生の概念が含まれることが多いですね、死んだら幸せになるってのは。
あんな: そうだと思います>小山内さん
小野寺: 「楽しいところ」という言葉はあります
神崎: 極楽こそ説明はしてませんが山に行けば
小山内 豊: うんうん。>小野寺さん
神崎: 楽しいとこに行きますね
あんな: 長とかって実際「~じゃ」みたいな話し方すんのかな(全然関係ないけど)
神崎: それ偏見だと
小山内 豊: 山の向こうが極楽アル、みたいな
小野寺: 転生いいなあ
小山内 豊: ……、まぁとかく、死を転生ではなく、極楽のようなところへと行くことだととらえるグループですね。
小野寺: この短さだとそれが目立ちますね
あんな: ちょっと、ありそうな話だなっていう既視感はあった。
小山内 豊: お話の筋道としては確かに、既視感がありました
小野寺: 疑問があるとすればセラはそれほど個性的なんだろうかというのがあります
あんな: なんか少しサプライズが欲しかったかな。
小山内 豊: サプライズをセラに求めるというような?死を送るからか淡々としていますが、話の起伏は欲しかったのかな。
あんな: すいません、文脈的におかしくなりましたが、話の起伏がですね
小野寺: セラはおとなしい女だったのなら大人しくない女ってどんなんだろうとか?まあ、いろいろ発展できそうな話です
あんな: セラは個性的というよりも大人しいイメージでしたが
小野寺: あ、それはおとなしいという属性がセラの個性なのか部族の女はそうなのかという意味なんですよ、あんなさん
あんな: なるほど
小山内 豊: 黎明の時代に大人しい人物を話の真ん中近くに据えるよりも、時代相応の荒々しさを前面にだして、それがなお、死というイベントにたいして葬送を形作る、おもしろそうですね>小野寺さん
小野寺: ええ、そこまで考えていたわけでもないのですが、面白くするとすればそっちのほうがよさそうに思いますそんな風に考えると、登場人物に教養がありすぎるかもしれない。
小山内 豊: いや、長老に、ですね
小野寺: セラの旦那が狩りで壮絶死を遂げる場面も書いてほしかった
小山内 豊: うーん、それは葬送にしっくりくるかどうか。
あんな: 長老は長老っぽいし、登場人物が型に収まってる感じは少ししたかなー
神崎: 旦那が死んだときは宴したのかしら
小山内 豊: らしいんですけど、縄文時代とか、平均寿命二十歳とかだし、やはり、暴力の時代だったと思うんです。
あんな: 狩りで壮絶死だから食われたのかあんな: これは縄文時代の話ってことで確定でしょうか
小山内 豊: それはわかりませんでした。セラもオビも日本的ではあります。小山内 豊: しかし、葬儀が日本的でない気がします
あんな: 名前が日本的でないけど縄文だったらありえる名前かもしれない
小野寺: けど日本人って踊るでしょうか?
神崎: 神話的世界であるかなとおもう
小山内 豊: あんな: 名前が日本的でないけど縄文だったらありえる名前かもしれない 私調べてことがあるんですが、その感覚からいえばありえる、かなーという感じです。
小山内 豊: もちろん縄文よりずっと後の時代ですけど。
あんな: 調べたんですね!すごい!
Rain坊: ちょっとした疑問ですがわざわざ現実に当てはまめる必要はあるんですか? 言及されていないからそういう部族のお話ではだめなんでしょうか?
小山内 豊: それでいいと思います>Rain坊さん
小山内 豊: 教養がどのくらいあったかという話でしたね。
あんな: 私もどっかの部族の話と思って読んでましたよ>rain坊さん
6: 僕もそういう読みでした。
小野寺: あと細かいことですが、文章として、「やがてほどなく」「もうずいぶん」など時間の経過を示す言葉が多いかなあと思いました
神崎: しかしどれもあいまいなひょうげんですね
6: それはマイナス?ってことですか?
小野寺: ちょっとくどいかなと6さんの感想は?
あんな: 時間の経過を感じれるほうがより立体感が出ていいと思いました(6さんじゃないけど)
小野寺: いえ、6さん、全体の感想を!
6: 特に気にならなかった気がします。あ、全体の感想はtweetでも述べた通り、異物感の欠如と理解できない論理構造の欠如がなかったことがもったいないとおもいました異物感と言うのは、単語でもっと意味不明のものが意味不明の論理に従ってなされていてでもそれは奇妙な説得力に満ちていて口をはさむ余地がないというようなことです。遠く離れた場所なので、ほとんど共感できない感性の連続だとおもうんですよそこがあったのは、最後になんでしたっけ巫女たちがふだんはさげすまれているのに、葬式のときはあがめられるというようなものかなでも文献とか真実とか気にしなくていいと思うんですその小説の中で説得力があれば何をしても許されると思うんですよそういう力をみたかったです。
緑川: なるほど・・・ありがとうございました
[0:04:29] 6: たとえば時間で行くとどんどん時間をようする語句はでてきていいんとおもうんですよでもえ!なんでその時間帯なの?ていうようなものがあればよかったと思うんですたとえば、適当な一文ですがタロウは正午から見た悪夢にずっと魘され続けていたというような一文の場合正午って絶対性はないじゃないですか、でも(この文章は失敗しているかもしれないけど)正午っていう時間以外には考えられない単語ってあるとおもうんですよすいません、なんか興奮して文章破たんしたこと言ってます。あとからよむとよくわかんないかも
小山内 豊: いや、伝わりましたよ。
緑川: んと差支えなければ、そろそろ時間ですのでいったん締めますか?
神崎: はい
小野寺: そうですね
緑川: どなたか、まだ発言したい方は?
あんな: 大丈夫です
小山内 豊: はい。
緑川: では、よろしいですかね
6: まんぞくです
小山内 豊: 締めてからでもいいです。
緑川: ありがとうございました