『世界が消えてしまえばいい』
と言う君に
かける言葉なんてなにもなかった
本当に君が望むならそうなっても構わない
それでも
ひとつ聞いて
私の前に延びた道はいつも石ころだらけだった
下ばかり見て走っていたのに
転んで擦りむいてばかり
気楽に生きるってことは案外容易いって聞いたよ
でも分かんない分かりたくない
『すべてを感じてしまっていたら疲れはててしまうだろ?』
いつも君の言葉は正しいね
だけどね
馬鹿な私
すべてを感じていたいんだよ
君と食べたお菓子の味も忘れない忘れたくない
君と私はおなじ人間じゃないってことが嬉しくて悲しくて
真っ暗な階段を一緒に降りてくれたよね
君が最初に描いた絵に塗り込められた汚い絵の具をゆっくり剥がすよ
私の前に延びた道は石ころだらけだったけれど
下ばかり見て走っていたから
色んなものを見つけた
私の宝石箱まるごと君にあげる
だから
もう少し笑ってほしい
君の望みがそれでも
世界を消すことなら
一緒に終わらせてもいいよ