Twitter文芸部5月東京オフ 第一日座談会 ログ
イコ→イ 小野寺→小 牧村→牧
イ「はい、こんにちはー。twitter文芸部東京オフにやって参りました」
小・牧「こんにちはー」
イ「ということで、今新宿の喫茶店に来ています!皆でちょっと座談会をやろうかという話をしていまして、今回は本の買い方・選び方について話していきたいと思います。よろしくお願いします」
小・牧「よろしくお願いします!」
イ「じゃあまず簡単に自己紹介からしていきます。今喋っているのが部長のイコぴょんです」
牧「はい、僕が新入部員の牧村です。マッキーと呼んでください」
イ「よろしく、マッキー(笑)」
小「(笑)えー、小野寺です。東京まではるばる来ました。荷物が重くて雨が降っていて大変です」
イ「愛知からいっぱい本を持ってくれました、小野寺さんです」
イ「じゃあ3人でやっていきましょう」
イ「はい、まずはですね。皆さん本屋にはよく行かれると思うんですが、本屋に入って初めに行くところって、どこでしょう?」
牧「参考書コーナーですかね」
イ「参考書コーナーですか(笑)」
牧「やっぱりまず自分の知的好奇心を一番に満たしたいからということですかね」
イ「受験関連のものですか?」
牧「もちろん受験関連のものも見ますけれど、資格試験関連のほうが最近は多いかな」
イ「ああいうのってパラパラめくってると勉強になりますよね」
牧「物語ではないのでそういう摘まみ読みができるとこが魅力です」
イ「雑学が身に付いたりしそうです」
牧「結構、目次とかだけでも面白いところがあったりして(笑)」
イ「小説を書くときの資料にもなりますしね」
イ「小野寺さんどうですか?」
小「私はまずは海外文学のところに行きますね」
小「なんでかというと、海外文学のコーナーって書店ごとの特色が出るんですね」
小「全くないところもあるんですけど、あるところは凄いんですよ」
イ「ダニエル・キースとかしか置いてないとこもありますよね。『アルジャーノンに花束を』とか」
小「でもマイナーなレーベルがほとんど置いてあるような書店もあるんですよね」
小「だからそのばらつきが面白さですね。文庫本もロクに置いていないのに海外文学がたくさんあるところとか」
イ「なるほど。ツタヤとかだと文学にあまり巡り会えない気がします」
小「でもツタヤでもマルケスとか置いてありますよ」
牧「ガルシア・マルケスですか。意外なイメージですね」
小「ツタヤごとに海外文学の棚はかなり違いますね。でも文庫本は同じような感じ」
イ「はい、参考書・海外文学と来ました。私はだいたい文庫本のコーナーに向かいますね」
イ「そして文庫本の新刊をチェックします。探していたものが意外にあったりするので」
小「この前話していた田中慎弥なんかも出ていましたね」
イ「田中慎弥の文庫本も『図書準備室』と『神様のいない日本』シリーズが出たので、買ってきました」
牧「よくやってしまうパターンですね」
イ「最近でこそハードカバーをよく買いますが、文庫本から文学に入ったクチなので、いまだに文庫本も買ってしまいます」
イ「それで文庫本の品揃いも書店ごとに違っていたりして。意外な作品なんか見つけると、つい興奮していまいますね」
小「確かに新刊のときは純文学でも多く見るのに、ちょっと経つと見なくなる作品というのはありますからね」
イ「純文学ってもともと新陳代謝が激しいというか、ある程度売れてはいるんでしょうけれど、すぐ絶版になっていたりする印象はありますね」
小「近年の作家は特にそうですね」
イ「そして最近思うのは、作者によっては文庫本になっていない作品も結構あって、文庫だけを漁っていても、その作者を網羅したことにはならないってことですね。それを感じるようになってからは文庫本以外の棚にも目が行くようになりました」
イ「では2つ目の議題に移りましょう」
イ「皆さんはジャケット買いというものをしますか?」
牧「僕はジャケ買いがほとんどと言っていいかもしれない。表紙とタイトルに目が行きますからね」
小「それは小説の話で?」
牧「そうですね、事前知識を入れてから書店に行くということをしないので、その場で見られるジャケットとタイトルに惹かれて購入を決めます」
イ「じゃあジャケットがよくない名作が埋もれているかもしれない」
牧「そうなんですよね(笑)僕の場合は」
イ「でもジャケットは大事ですよね。本を読む意欲につながるというか」
牧「僕の場合は本棚に並べたときにどうなるかっていうのも大事な点で、背表紙の色であったりとかデザインであったりとか、そういうところも見ますね」
イ「作家によって背表紙の色が決まっていたりもしますよね。あれって作家のイメージカラーみたいに出版社がつけているものだと思うんですけど、文春文庫だとか新潮文庫だとか、結構色が変わっているんですね。でもあれって出版社の色と作家の色が必ずしもマッチしていないと思うのでちょっと疑問が残りますね」
イ「比較的ジャケットはシンプルなほうがいいと思っています。装丁は色々とあっていいと思うんですけれど」
牧「そういうのを考えていくと、ライトノベルの多様さってのはありますね」
イ「やっぱりライトノベルっていうのは、その辺の多様さっていうか、文章と絵の合わせ技で売っているというところもありますしね。いかに話が面白くても絵が駄目なら売れない」
イ「小野寺さんはどうですか?」
小「ジャケ買いはあまりしないですよ。ただやるとしたら岩波文庫ですね。岩波は最近ジャケットに目が行きはじめて。まったく知らない作家のときなんかは特にそうですね」
イ「岩波といえば、最近はちょっと違いますけど粗筋が表紙に入っていますね。あれは作家を知るうえでいいものですよね」
小「粗筋の話でいえば岩波なんかは違和感ないんですけれど、新潮は違和感すごいですね」
イ「では3つ目の話題。衝動買いについて。皆さんしますか?」
小・牧「しますね」
一同「(笑)」
牧「ふらっと立ち寄った書店で目に付く本があったりすると、運命だなと思って買っちゃいます」
イ「小野寺さんはどういうときにしますか?」
小「長年、頭の隅で読みたいなと思っていた作家を見つけたときには買ってしまいますね」
イ「たまに昔の作品が不意に復刊されていますけれど、ああいうのもそうですね」
小「あとさっきも出ましたが、文庫になっているのを知らなかった場合もそうです」
イ「それと海外文学の棚に行くと、面白そうな本がごろごろしているので予定はなかったんだけど、買うか!となっちゃいますね」
小「特に海外文学なんかはいつでも買えるという安心感が薄いですからね」
イ「では次へ。皆さんは本をどのくらいのペースで購入されてますか?」
牧「平均して月4,5冊ですかね」
イ「買う以外の入手経路もありますよね」
牧「そうですね、人から借りたり」
イ「小野寺さんは?」
小「多いときは20冊くらい、少ないときはゼロ。なので平均して5冊前後です」
イ「俺はもっと多くて月30冊は買いますね。どんどん本棚が埋まっていきますが、結構マンガやライトノベルなんかも買ったりするので、それを入れるともっと買ってるかも。読めてはいないんですけどね(笑)」
イ「じゃあ皆さんはどんな本をよく購入されますか?」
牧「現代文学の文庫が多い。価格的にも内容的にも親しみやすいですから。あまり近代だとか海外には手を出さないですね」
イ「それって珍しい気がしますね。文学っていうといわゆる文豪の書いた小説だと思われがちじゃないですか。なんだか牧村さんの文学観に通じるものを感じます」
イ「小野寺さんはどうですか?」
小「現代文学も読まないこともないですけれど、近代文学が自分の中で完成していないので、そちらが中心になりがちですね」
小「集英社の『世界の文学』とか、ああいうのは全部集めたいと思っています。」
イ「となると新刊より中古が多くなりそうですね」
小「amazonとかですね」
イ「俺が現代も近代もばらばらで好きなものを買っていく感じです。新刊も文庫もハードカバーもばらばら。エンターテイメントはあまり読まないですが、最近は軽めのものも手に取るようになりました」
イ「はい、では次にいきます。出版社に偏りはあるか?」
牧「新書は偏っていますね。光文社文庫ばっかり。ただ普通の文芸書に関してはほとんどありません」
イ「出版社ってそれぞれに出す作品の系統がちょっとずつ違うじゃないですか。そう考えると自分がよく買うのは新潮文庫ですね。新潮ってちょっと堅い文学なんですよ。そういうのが好きなんだなあって思いますね」
イ「逆に角川文庫とかはめったに買いません。角川って娯楽向けなイメージでティーンエイジャーだったりエンターテイメントだったりするので」
牧「小野寺さんはありますか?」
小「今は本棚の一部を岩波コーナーにしようと思っているので、岩波文庫であれば無条件に買うというようなことをしています。同じように、講談社文芸文庫も買いますね」
イ「一冊が高いですけれどラインアップは最強ですよね(笑)」
イ「あとは最近であれば光文社古典新訳文庫は熱いと思います。今までの名作がちょっと違った印象になりますし。読みやすい」
牧「そういう視点、僕は大事だと思いますね」
イ「そうですね、過去の名作のいかめしい、言ってしまえば権威にまみれた文章だけではよくないと思います。もっとこう広く紹介されてほしいですね」
イ「では最後の話題です。一冊の本にあなたはいくらまで出せますか?」
小「ずばり3000円」
牧「それはどんな基準があるんですか?」
小「いや基準はないんですけれど、それ以上買うと月の出費に響くなって(笑)」
牧「僕は5000円くらいですかね。本当に読みたい作家でほかに手に入らないとなれば」
イ「俺は間をとって4000円くらいです。実際に高い作品といえば、海外のものとかあるじゃないですか。3000円代のものとか。だからそこはオーバーしてきますね」
小「でも今高騰している作品が昔安かったのを見ているから、ちょっと手が出ないですね」
イ「小野寺さんは昔のそういうよき時代を知っているから(笑)」
イ「昔と比べてやっぱり高いですか?」
小「高いですよ!昔は3000円くらいの本を買うのも死ぬ思いでしたし」
イ「まあ物価の変動もありますし、一概には言えないですからね」
イ「さあ、ここまで色々と語ってきましたけれど、語り残したことなんかはありますか?」
小「そうだ、皆さん古書店とか行かれますか?」
牧「いえ、全然行かないですね」
イ「牧村さんは関東在住なので行こうと思えば行ける環境ですよね」
牧「そうですね、だから少しもったいないとも思っています。けれどさっきも言ったように僕は現代文学を読むことが多いので、それであればチェーン店で事足りてしまいますね」
イ「やっぱり古書店っていうと近代文学が、こう箱に入って美しく並んでるイメージがありますね」
小「でもブックオフとかって純文学の匂いが綺麗に排除されてるイメージがあります」
牧「それはありますね(笑)でもたまにあるんですよ。すごくマイナーなレーベルのものが置いてあったりだとか」
イ「僕も去年まで関東に住んでいたので、神保町にはよく行っていましたね。ただ落ち着いて考えるとあそこで売っている本って高いんですよ。だから今思うともっと買うときに注意すべきだったなと思いますね」
小「あそこはブランド的な空間ですからね」
牧「でもまあその時のそこでしか出会えないタイミングってのもありますよね」
イ「なるほど。ではここまで語らってきたわけですが、僕らはこれから本を実際に買いに行こうという話をしているので、そこで皆さんの本の買い方や選び方を実際に見ていこうと思います」
イ「では行ってまいります」
小・牧「行ってきまーす」
イ「ではこれで座談会を終わります」