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作品紹介の資料(Skypelog)

ここはtwitter文芸部の議論の雰囲気を味わってもらうためにSkypelogのほぼノーカット版をこちらに保存します。

 

 

 

新年初のイベントってことで、盛り上げていきましょう

 

ここからプミシールの紹介 著「蜘蛛女のキス」


[19:35:23] プミ: はいっ! よろしくお願いしまーす
[19:35:31] だいぽむ: よろしくおねがいしますー
[19:35:54] 緋雪: よろしくお願いします~。では早速始めましょ~^^
[19:36:23] 緋雪: トップバッターはプミさん、よろしくお願いします~^^
[19:36:40] プミ: えっ、いきなりのご指名w わっかりました。
[19:39:11] プミ: えーと、では始めます。先に予告しておいたとおり、僕の紹介する小説は、
[19:39:23] 緋雪: はい~
[19:39:34] プミ: アルゼンチンの作家、マヌエル・プイグの「蜘蛛女のキス」です。
[19:40:03] だいぽむ: あるぜんちん・・
[19:40:04] イコ: これ、口をはさみながら聞いてもいいですか?>緋雪さん
[19:40:49] 緋雪: もちろん、紹介者に対して聞きながらの方が盛り上がりますから。
[19:41:34] イコ: よし、じゃあそういうことで、随所にツッコませてもらいますよ
[19:41:54] プミ: はい(ドキドキ)。ではいきますね。ご存じのように、僕は、小説について、いつも技術のことを云々しますが
[19:42:09] プミ: 今回もたぶんそうなると思います。
[19:42:15] イコ: テキスト論ってことですね
はい。そうです。で、まずアルゼンチンの作家ってことで、ラテンアメリカ文学というくくりにされる小説なのですが、
[19:43:24] プミ: これは、ラテンアメリカ文学の代表とされるガルシアマルケス、あるいはバルガスリョサのように、
[19:44:05] プミ: 土俗的、というか、ラテンアメリカの土壌を活かした、小説ではありません。
[19:44:28] プミ: プイグはよく、都会的、スマート、などと表現される作家です。
[19:45:35] プミ: はっきりと、いろいろな技巧を使って小説を構築し、その技巧が作品の性格ととても合致しているような印象を僕は持っています。
ここで対話文についての説明が入る。
[19:46:19] プミ: 冒頭の部分で二人の人物が会話しているシーンなのですが、
[19:47:08] プミ: 実は、この小説の、ほとんどの部分は、この二人の人物の会話で構成されています。
[19:47:15] プミ: 地の文がないのです。
[19:47:33] プミ: ただし、ほとんど、というのがミソで、それは後から説明しますね。
[19:47:40] プミ: で、もどりますと
[19:48:11] プミ: なぜこのような構成にしたのか、
[19:48:16] プミ: 考えてみました。
[19:49:13] プミ: 昔僕が読んだ、小説の書き方の本に書いてありました。小説を書く初心者は、描写ができず、セリフだらけの小説を書くと。
[19:49:40] プミ: つまり、それだけ、地の文=描写が小説にとって重要だということですね。
[19:50:26] プミ: ここで、一般的な小説において、セリフと地の文が混じっている部分のことを想像してほしいのですが、
[19:51:20] プミ: セリフの合間合間に、登場人物の表情や動作、あるいは心情、あるいは登場人物たちが今いる場所、見る風景の描写などがなされるはずです。
[19:51:28] イコ: そうですね
[19:51:37] 緋雪: ええ
[19:52:58] プミ: そういう描写があって、話している登場人物たちがいる世界が立ち上がってくるわけです。風景描写がそのまま心情を表すことなどもあるので、さきほど挙げた描写の種類はシンクロしあっているとも言えますね。
[19:53:15] プミ: それらを、会話の小説だと、すべて捨てている訳です。
[19:53:22] プミ: ただし、
[19:54:08] プミ: 例外はいくらでもあると思いますよ。小説はあくまで自由な表現なので、会話の小説でもうまくやれば、もちろん、それらをうまく表現できるはずですがね。
[19:54:15] プミ: で、この小説は、
[19:54:58] プミ: 描写をせず、会話だけですすめることにメリットがあるから、やっていると思われるのです。
[19:55:05] プミ: それを説明しますね。
[19:55:52] プミ: まず、描写がないということは、明確な読者への語り手がいなくなります。
[19:56:08] イコ: ふむふむ
[19:57:11] プミ: 語り手は、それが一人称でも三人称でも、描写することによって、何かを選択します。
[19:57:33] プミ: その選択の対象が、だれか人である場合、
[19:57:51] プミ: 人に、優劣がつきますね。
[19:57:58] イコ: 優劣とは?
[19:58:52] プミ: うーんと、重要な人物と、そうでない人の差というかな。
[19:59:09] イコ: たとえば「主人公」と「脇役」のような、ということですか
[20:00:12] プミ: そうですね。
[20:01:10] プミ: 一人称の小説だと、明らかに登場人物に(その主人公の視点の)選択が入るというようなことでもあります。
[20:01:43] プミ: で、語り手がいない場合
[20:02:39] プミ: この選択は行われないため、読者にとって、セリフだけで出てくる登場人物たちの距離は、等しいということができると思うのですが…いかがでしょうか。
[20:03:38] だいぽむ: 神の視点的3人称でも可能とは思いますけどね
[20:04:01] だいぽむ: まぁ確かに
[20:04:09] だいぽむ: 距離は均等になりますね
[20:04:17] プミ: うん。そうかもしれない。これだけが特別な方法ではないと思う僕も。
[20:04:21] プミ: で、
[20:05:41] プミ: 描写がないということの他の利点としては
[20:06:06] プミ: 読む流れを止めないということです。
[20:06:23] 緋雪: 大事ですね
[20:06:36] プミ: 小説の読者で、たまに、風景描写は飛ばして読む、などという不届き者がいますがw
[20:06:42] イコ: ww
[20:06:48] プミ: そういう意見がでるほど、
[20:07:25] プミ: 描写というのは読む流れをすこし、ゆっくりにさせる効果があるのは確かです。もちろん、それはいい意味でもあります。
[20:07:37] プミ: むしろすごくいい意味です。
[20:08:24] イコ: 読むスピードを調節する。これは作家にとって意識的であるべき課題ですね
[20:09:01] プミ: ただ、これを省くと確かに登場人物たちが(セリフだけではあっても)、読者にストレートに伝わってくる気がします。その意味でいうと
[20:10:12] プミ: 語り手がいる場合、読者はセリフであっても描写であっても、その語り手から語り聞かせられているという形になる、と言えると思います。
[20:10:43] プミ: 「~」(と言ったんだよ)みたいな
[20:10:55] プミ: でも語り手がいないと、
[20:12:01] プミ: 登場人物たちのセリフを、僕たちは盗み聞きしているような感じになると思うんです。登場人物たちのセリフは、絶対に僕たちに向けて発せられてない。
[20:12:29] プミ: 相手に向かって発せられているのがはっきりすると思うんです。
[20:12:45] 緋雪: なるほど
[20:13:43] イコ: そうですねぇ。ただおれはこの会話を見てて思ったんですが
[20:14:00] イコ: やけに説明的、表現的なんですよね
[20:14:25] だいぽむ: 説明してるシーンだからじゃね
[20:14:26] イコ: 一方が説明している。一方が必要な情報を聞き出すための質問を投げている
[20:14:41] だいぽむ: 終始こんな感じなのかな
[20:14:46] イコ: なんだか読者に親切だなぁとw
[20:15:04] イコ: 人の会話ってのは、盗み聞きしてるとわかるんですけど
[20:15:11] イコ: かなり他人には不親切なんですよ
[20:15:16] プミ: イコさん、さすがです。その通りです。
[20:15:26] プミ: これは、普通の会話ではないんです。
[20:16:39] プミ: えーと、どう話せばいいかな。
[20:16:58] プミ: 実は、これ、牢屋の中で二人の囚人が話しているんです。
[20:17:25] プミ: この二人がどんな主人公か言いますね。
[20:17:50] プミ: ①モリーナ37歳。ホモの男性。少年への性的いたずらで8年の懲役。映画が大好き。心臓病を患う母を持ち安否を気にしている。
②バレンティン26歳。男性。政府転覆を狙う過激派のメンバー。政治犯。
[20:18:01] イコ: おもろっw
[20:18:10] 緋雪: 設定すごいなw
[20:18:19] プミ: というようなことが、これから続く会話でだんだんと分かってくる。
[20:18:29] プミ: その会話がとても自然なのです。
[20:18:38] プミ: ここが説明的なのはなぜかというと、
[20:19:21] プミ: モリーナがバレンティンに自分の好きな映画を「説明している」からです。
[20:19:51] プミ: 牢屋の中、過酷な状況です(寒いらしい)。
[20:19:59] プミ: 夜もなかなか眠れない。
[20:21:16] プミ: それで、モリーナが自分の好きな映画のことを語り、バレンティンがそれを聴く。まあいわば、寝る前の時間つぶし、といった状況なのです。
[20:23:25] プミ: この小説は、このようにモリーナがバレンティンに映画を語って聞かせる、という展開で進んでいきます。全部で6本。
[20:24:04] プミ: 先ほど説明していた、語り手のいない、セリフだけの展開、それって映画みたいだと思いませんか。
[20:24:48] プミ: この小説は、映画を語るという意味も含めて、すごく映画的な小説だと僕は思うのです。
[20:24:58] イコ: ふむふむ
[20:25:47] プミ: 先ほど言った読む流れを中断しない、というのも、映画では地の文はないし(独白がある映画もあるが、だいたい独白がある映画はつまらないと僕は思う。だって映像で表現できてないってことだもの)
[20:26:53] プミ: 映画のセリフも、語り聞かせられているんじゃなくて、盗み聞いてる感じですよね。
[20:28:10] プミ: また、場所を牢屋に設定してしまうことにより、場所は固定された密室になります。
[20:29:04] イコ: 物語のなかに物語が発生していくわけですね
[20:29:18] プミ: だから、風景描写をほどこすことにより、場所のダイナミクスというか、そういう風なことを表現しなくて済む。だからセリフだけで進んでいけるんです。
[20:29:33] プミ: そうです。物語内物語ですね。
[20:29:39] プミ: じゃあ、そっちに話を移します。
[20:29:49] プミ: まず、その効果として
[20:30:00] プミ: 普通に、その物語が、おもしろいww
[20:30:22] イコ: その登場人物は語りがうまいんですねw
[20:31:10] プミ: そうです。モリーナはとてもロマンティックな人間で、
[20:31:37] プミ: 思いだしながらなのですが
[20:31:57] プミ: とても生き生きと語っていくわけです。しかしバレンティンはまあ、いわばテロリスト。
[20:32:37] プミ: とても現実的で、映画の人物の行動を心理学的に説明しようとしたりします。それでモリーナと衝突したりする。
[20:33:18] イコ: 会話によって、登場人物の行動原理や性格が浮かび上がってくるんだな
[20:33:41] プミ: そうですね。実はこの小説はこの二人が、映画を語り、聴いていくなかで、関係が変わっていく話なのです。
[20:35:21] プミ: そして、物語内物語の効果のもう一つとして、その映画内容自体が、登場人物の心情や、環境とシンクロしているということが挙げられます。
[20:35:59] イコ: そうでしょうね、数ある映画のなかから、それを選んで語るわけですから
[20:36:58] プミ: その映画たちが、二人の関係の変化を裏打ちしていきます。それは、ここであきらかにはしません、ぜひ読んで確認してほしいww
[20:39:33] イコ: ラテンアメリカ文学って、やっぱ方法に意識的な作家が多い印象を受けますねー
[20:40:11] プミ: そうですね。プイグは特にそれを前面に押し出した作家のような気がします。
[20:40:29] イコ: プミさんの紹介文を見てわかるんですが、この小説、単に会話だけじゃなく、手紙や報告書という形式になったりするんでしょう?
[20:40:45] プミ: そうですそうです。では続き行きますww
[20:41:57] プミ: まず、ざっと引用②、これは映画の語られ方が引用①と違う部分で、本文でもこのように、太字で示されます。
[20:42:45] プミ: 太字の前の、普通のセリフで分かると思いますが、これはモリーナが自分の頭の中で映画を思いだしているところなのです。
[20:42:59] プミ: セリフではない。
[20:43:21] プミ: つまり、これがこの小説で、心情描写のかわりになるものです。
[20:44:08] プミ: プイグは、このように技法を用いて、セリフでできた小説(地の文のない小説)の問題点を、解決していくのです。
[20:44:15] イコ: 映画と主人公が、シンクロしてる感じですね
[20:45:14] プミ: そうですね。この引用部分では、盲人のわたし、と、メイドのあたし、がまるで自分であるかのように思いだしている。
[20:45:55] プミ: そして、ここでは言いきれませんが、先に言ったように、この映画のストーリー自体が、モリーナの心情とシンクロしているのです。
[20:46:43] プミ: で、やっとほとんどセリフでできている、のほとんどの部分に触れられますがww
[20:47:13] プミ: セリフ以外のテキストが、この小説には混在しています。
[20:48:30] プミ: 引用③は映画や演劇の脚本のような対話です。看守、被告人、などと書いてあるだけで、何か先ほどの二人の会話より、冷たい感じが出ているように僕には思われます。
[20:48:48] イコ: なんだか簡素ですね
[20:49:22] プミ: これは、この先の内容を言うと、小説のネタばらしになるので、ここしか引用できなかったのですがw
[20:49:28] イコ: 囚人同士の、パーソナルな会話に対する、オフィシャルな会話という印象
[20:50:23] プミ: 確かに、同じ会話でも、話す相手により、その「あたたかみ」が違う。そういう差をつけるための導入だと思います。
[20:50:44] イコ: これは導入なんですね
[20:51:01] プミ: はい、この先は、非常に重要な、部分が書かれています。
[20:51:18] イコ: それは実際手にとって、ってことですねw
[20:52:24] プミ: そのとおりw語られる映画もそうなのですが、非常にロマンスと、サスペンスあふれる小説だと言っておきます。これも、この小説が映画的だと思う理由の一つです。
[20:52:49] プミ: では引用④
[20:53:41] プミ: これは、ある被告人を見張っている警官の提出したレポートという形式のテキストです。
[20:54:29] プミ: これがかなりの長さで続くのですが、
[20:54:53] プミ: ここはレポートらしい、非常に冷徹な印象があります。
[20:55:56] プミ: この部分が冷徹に表現されなければならないのは、
[20:56:44] プミ: 過度なカタルシスを避けるため、とだけ言っておきたいと思いますw
[20:56:54] イコ: はー
[20:58:40] プミ: とにかく、セリフだけの小説に、このような様々なテキストをコラージュすることにより、非常に豊かな小説世界を作り出している。映画的であるが、こうしたことができるのは小説だけです。なので、映画的であり、かつ、大いに小説的である小説だと、僕はこの「蜘蛛女のキス」を考えています。
[20:59:05] イコ: なるほどー
[20:59:34] プミ: レジュメでまだ説明できてないところがありますが、
[21:00:08] プミ: 様々なテキスト、の中の脚注(後注)にだけ触れておきます。
[21:00:29] プミ: セリフの部分の何箇所かに※マークがあり、
[21:01:05] プミ: 後ろのページに説明があるのですが、
[21:01:50] プミ: この部分のテキストを読むのと読まないのとで、小説の印象ががらりと変わってしまう、可能性があるというものです。
[21:02:26] プミ: この小説のあるロマンティックな部分を、裏打ちするとも言えるし、また、ぶち壊すともいえるものです。
[21:03:55] プミ: (注)を飛ばして読む人と、そうでない人がいますが、どのように読むかは、人それぞれ。
[21:04:07] プミ: いろいろな読み方が可能な、小説だと言えます。
[21:05:16] プミ: これくらいで、いかがでしょうか。長くてすいません。メインストーリーにほとんど触れられなかったですがw
[21:05:40] だいぽむ: すごいっす
[21:05:48] イコ: いやー、大枠は分かった気がします。読みの視点を教えていただきました
[21:05:59] プミ: 読みたい、と思って、いただけました?
[21:06:03] イコ: もちろん
[21:06:05] だいぽむ: 読みたいです
[21:09:54] 緋雪: ではこの辺で終了とさせて頂いてもよろしいでしょうか?

 

ここからイコの紹介で著、丸山健二「夏の流れ」

 

[21:33:34] イコ: 丸山健二さんは芥川賞を23歳でとった人で
[21:33:46] イコ: まぁ相当若い、ということでもてはやされたそうですが
[21:34:04] イコ: 【はじめに】にもある通り、おれは若いからどうっていう議論をするつもりはありません
この人の『夏の流れ』は講談社文芸文庫で手に入ります
[21:35:13] イコ: けっこうあると思うので、ぜひお手にとってほしいと思います
[21:35:27] イコ: ちなみに、他の作品も近年次々と復刊されまして
[21:35:35] イコ: ハードカバー版ならほとんどの作品が手に入ります
[21:35:50] イコ: いい時代です。文壇には見放されてるのにね。
[21:36:09] イコ: この人は今、文壇ぎらいで有名でして、
[21:36:20] イコ: 長野県で孤独に庭いじりばっかりしています
[21:36:34] 緋雪: 良い!!
[21:36:44] イコ: 馴れ合いなんぞやるかっていうね
[21:37:03] イコ: まぁ、そういう姿勢があらわれてるんですよ、作品にも
[21:37:16] イコ: 基本的に初期作品がとっても評価が高いんですが
[21:37:37] イコ: 今回はそのなかでも、とくに評価の高い、そしておれも面白いと思う、「夏の流れ」について紹介します
[21:37:58] イコ: おれひとりが語るより、どんどんみなさんに振っていくので
[21:38:01] イコ: 寝ないでくださいね
[21:38:25] イコ: さてでは、まずごく簡単にあらすじを
[21:38:35] イコ: 「私」は刑務官です
[21:38:39] イコ: 夏です
[21:38:44] イコ: 囚人の監視をしています
[21:38:52] イコ: もうすぐ3人目の赤ん坊が生まれます
[21:39:01] イコ: 堀部や中川という同僚がいます
[21:39:07] イコ: 死刑囚がいます
[21:39:16] イコ: 死刑の担当になると、臨時手当がでます
[21:39:31] イコ: 「死刑の担当になりたいなぁ」ってぼんやり思います
[21:39:34] イコ: なります
[21:39:42] イコ: 死刑囚を殺します
[21:39:45] イコ: 以上です
[21:40:23] イコ: ざーっと言ってこれだけのあらすじなので、はっきり言ってしまって、重厚な物語を期待するのは間違っています
[21:40:37] プミ: ふむふむ。
[21:40:51] 緋雪: ふむ
[21:40:55] イコ: 80ページほどの作品ですが、会話や歯切れのよい文体で、あっというまによめるはずです
[21:41:21] イコ: おれの初読は1時間。二回目は30分、三回目は20分でした
[21:42:04] 緋雪: 早い
[21:42:20] イコ: さてプミさんの対話体への言及にもありましたが
[21:42:38] イコ: この「読みやすさ」とは、一体なんのためにあるんでしょうか?
[21:43:17] イコ: ラノベって、ほとんどは読みやすいですよね、緋雪さん
[21:43:24] イコ: なんで読みやすいんですかね?
[21:44:12] 緋雪: オイラは世界観が想像しやすくて、文体が幼く比喩的なものが少ないからだと思っています
[21:44:20] イコ: ふむふむ
[21:44:36] 緋雪: そして、対話が多いw
[21:44:54] イコ: 会話の多い小説は、下手である、と、小説の書き方本にのっていたそうですねw
[21:45:04] プミ: うん、載ってたww
[21:45:17] イコ: マルケンさんの「夏の流れ」は会話が多いです
[21:45:30] イコ: じゃあ作者は、下手くそなのか?
[21:45:54] イコ: プイグは下手くそなのか?
[21:46:08] だいぽむ: ロシア文学系も壊滅するねw
[21:46:13] プミ: 下手じゃないねえ
[21:46:19] イコ: 世界観はね、想像しやすいですよ。夏の流れ。
[21:46:41] イコ: すっごく装飾のない文章で、ボクサーがジャブをうつようにたたみかけてきますね
[21:46:55] 緋雪: じわじわくるのか~
[21:46:56] イコ: あっさりイメージがうかんできます
[21:47:21] イコ: でもね、イメージを浮かばせる文体であることはたしかなんですけど
[21:47:53] イコ: おれはこれを、下手くそだとはとても思えない
[21:48:02] イコ: タイトルは「夏の流れ」なんですよ
[21:48:27] イコ: そして流れるようにページをめくれる文章
[21:48:36] イコ: そこに描かれる刑務官の日常
[21:48:58] イコ: プイグでもありましたが、方法は常に意識的に選択されるものなのです
[21:49:23] プミ: 名作は、方法が、表現したいことと合致してるよね大体。
[21:49:35] イコ: 方法が必然的でない、つまりただ拘っているだけの作品は、名作にはなりえません
[21:49:54] イコ: 内容と、方法がうまく合致することが重要です
[21:50:05] プミ: その通りですね
[21:50:08] イコ: さて、ではこの日常を通して、何が語られるのか?
[21:50:55] イコ: 導入部分は平和な日常からスタートします
[21:51:09] イコ: 刑務官である「私」に、子どもたちが抱きついてくる
[21:51:22] イコ: 朝、奥さんと会話する
[21:51:49] イコ: そこに、ヒビのようにあらわれてくる対立を、見逃さずに読みとれるかどうか
[21:52:32] イコ: 殺人を犯した人間が収監される話のくだりで、奥さんが、人を殺した人間のことを「人間じゃないわね」というんですよ
[21:52:47] イコ: 「私」はそれに対して、「人間さ」という
[21:52:56] イコ: 問題提起です
[21:53:07] イコ: ・人を殺して刑務所に入った者は「人間」ではないのか?
[21:53:38] イコ: さて、奥さんはどうして殺人をおかした人間を「人間じゃない」というのか?
[21:53:53] イコ: ヒントは、奥さんが身ごもっている、ということ
[21:54:22] イコ: そして殺人者が、子どもを手にかけた、ということ
[21:55:03] イコ: このように、問題提起をただ機械的に行うのではなく、きちんと登場人物の行動原理、性格がうかびあがるように書く
[21:55:27] イコ: この「私」がまた複雑な人物で
[21:55:44] イコ: 「人間さ」っていうんですけど、そのあとすぐに席を立ったりして、そっけない
[21:56:17] イコ: かれは囚人を監視しながら、
[21:56:34] イコ: 「子どもも三人目だ、たいへんだなぁ」「もっと死刑の仕事したいなぁ」
[21:56:37] イコ: なんて考えます
[21:56:51] イコ: 死刑の仕事をすると臨時収入が入るんですね
[21:57:12] イコ: さて主人公は、囚人を本当に人間だと考えているんでしょうか?
[21:57:26] イコ: ・それでは死刑を執行する立場は、「人間」なのか?
[21:57:40] イコ: このような問いを小説の中で、いくつも立てていく
[21:58:28] イコ: おれはこのような問いが、小説をおもしろくしていくと考えます
[21:59:34] イコ: 死刑制度については、みなさん一度は考えたことがあると思いますが
[21:59:48] イコ: だいぽむは賛成?反対?
[22:00:02] だいぽむ: うーん
[22:00:07] だいぽむ: 反対
[22:00:34] イコ: なぜ?簡潔でもいいですよ
[22:01:13] だいぽむ: 難しいなw
[22:01:39] だいぽむ: まぁ法<命かな
[22:01:47] イコ: ふむふむ
[22:01:48] だいぽむ: 俺の中の価値基準は
[22:02:02] イコ: 法のもととはいえ、人を殺すのは間違っている、と
[22:02:08] だいぽむ: んむ
[22:02:19] イコ: そしたらこの小説では、中川に近いかもしれないですね
[22:02:27] だいぽむ: へー
[22:02:35] イコ: この小説には、三人の刑務官が出てきます
[22:02:59] イコ: さっき言った「私」と、もっと快楽的に死刑をとらえる「堀部」
[22:03:12] イコ: そして、入ったばかりの若い「中川」
[22:03:23] イコ: これがそれぞれ、立場がちがうんですよ
[22:03:42] イコ: 小説を深くするためには
[22:03:48] イコ: 問いを立て
[22:03:58] イコ: それに対するさまざまな考えの人間を配置する
[22:04:11] イコ: これが重要なんじゃないかと
[22:04:37] プミ: 多声的といえるのかな?
[22:04:39] イコ: ドストエフスキーの罪と罰が評価されるのも、同じような理由だと思うんですよね
[22:04:51] プミ: あ、ポリフォニーだね。
[22:05:07] イコ: 三田誠広もその言葉を使っていました
[22:05:25] イコ: これは短い作品だけれども
[22:05:42] イコ: 短いがゆえに、よりその「問い」と「立場」が、剥き出しにあらわれてきます
[22:06:05] プミ: なるほど。カラマーゾフでは長い長い対話を読まなければならないねw
[22:06:12] イコ: では作家は、どのような立場をとっているのか
[22:06:36] イコ: 作家は誰にもよっかかりません
[22:07:21] イコ: 殺人者が人間か否か、刑務官が人間か否かという問いは、投げ出されたままです
[22:07:32] イコ: これはネタバレでもなんでもないです
[22:07:45] イコ: 文学とは、そういうものだと思うんですが、どうでしょうか
[22:08:23] プミ: 常に一つの答えがある、訳でない、だから解釈が多様になるんだものね。
[22:08:40] 緋雪: 確かに落ちはいらないんだよね。解釈は人によってさまざまだから
[22:08:45] だいぽむ: まぁ答えが一つしかない問題は深まりをうがないしね
[22:08:54] イコ: 作家が、「こんな殺人に手を染めるなんて、刑務官は人間じゃありません!」って
[22:08:58] イコ: 言っていいでしょうか?
[22:09:36] イコ: みなさんの言うとおり、やっぱり解釈を広げる、考えさせるということが作家にとっては重要なのじゃないかと
[22:09:49] イコ: そうじゃないと、「ああ結局この人は、こういうことが言いたかったのね」と
[22:09:53] イコ: なるでしょう
[22:10:30] イコ: だから、読者はこのなかの登場人物の誰に自分の思いを重ねてもいいし
[22:10:34] イコ: あるいは重ねなくてもよい
小説は流れていくように進んでいきます
[22:11:14] イコ: 刑務官なんていう、どぎつい題材を扱っているのに
[22:11:30] イコ: どぎついことをどぎつく書きません
[22:11:53] イコ: 庄野潤三を読んだことがある方はいらっしゃいますか
[22:12:08] 緋雪: ないで~す
[22:12:22] プミ: 読んだことありますよ。プールサイド小景とか、新潮文庫のやつ。
[22:12:25] イコ: おー
[22:12:47] イコ: プールサイド小景を、想像してもらえれば、少しわかりやすくなると思います
[22:13:04] イコ: 平凡な日常の「流れ」に、落とし穴がひそんでいるのです
[22:13:35] プミ: とにかく、淡々としていたのを思い出す。でも何か不穏なものを感じた。ちょっと覚えてないんだけれど。
[22:15:33] イコ: 小説には書かれることと書かれないことがあって
[22:15:46] イコ: 書かれる、ということは、すなわち、それ以外のことが書かれないということなのです
[22:16:15] イコ: あえて波乱ではなく日常を選択して書くことには、作者のそれなりの意図があるのです
[22:16:29] イコ: 日常の行間を、よーく読んでほしいのです
[22:17:00] イコ: ただ「あー、丸山健二のこれ、読みやすくておもしろいね!」とは言ってほしくないのです
[22:17:31] イコ: 流れのなかに、さきほどの「人間かどうか」という問いや、「生」「死」といったさまざまな要素が、かくれているのです
[22:18:03] イコ: 問いは単純であっても、どんどん流れのなかの深みを探れる作品なのです
[22:18:33] イコ: 丸山健二の『夏の流れ』の作品集のなかには、そういう作品がいっぱいあります
[22:19:22] イコ: 自動車教習にきた数人の男女の話とか、ただ教習を受けるだけなんですけど、それぞれの立場の違いが会話や行動にあらわれていて
[22:19:31] イコ: 非常におもしろいです
[22:19:48] 緋雪: 読みたくなってきた
[22:20:18] イコ: じわじわと、ジャブのようにきいてくる作品集です
[22:20:32] イコ: 本人はボクシングをやっていたとかw
[22:20:42] 緋雪: ネタ!?w
[22:21:35] プミ: じゃあ、質問。
[22:21:39] イコ: どぞ
[22:22:26] プミ: 内容をきいているかぎりだと、この小説は三人称で書かれてもおかしくなかったような気がするのですが、一人称小説であること、に意味はあると思いますか?
[22:22:43] イコ: そうですね
[22:22:49] イコ: 意味はあると思います
[22:23:03] イコ: この「私」が、中川や堀部と比べて、複雑な人物なんですよ
[22:23:15] イコ: 妻に対して「人間さ」と言いながら
[22:23:32] イコ: 「あいつらは人間じゃない」と言うところもある
[22:23:54] イコ: この人物の思考を追いかけることが、問題を考えることにつながっていくと思います
[22:24:23] イコ: ただ事象を投げ出すんじゃなくて、小説としての、時の変化による意識の流れを重視した作家でもあります。
[22:26:07] プミ: なるほど。常に平等な人物配置ではなく、一人の複雑な主人公を糸口として、考えることにつなげていく、というようなことだと理解しました。
[22:26:25] イコ: そうですね
[22:26:49] 緋雪: 三人称じゃない方が逆に考えることにつながるかもしれませんね
[22:26:51] イコ: プミさんの上の語りに、似てるとこもあります。偶然囚人ネタがつづいてしまったw
[22:27:03] プミ: でも外と内
[22:27:14] イコ: そうそう、逆なんですよ、方法はw
[22:27:36] プミ: あと、ちょっと補足しておくと
[22:27:54] プミ: さきほど会話の多い小説は下手、という風な表現をしましたが、
[22:28:11] プミ: 意味のない会話、がだらだら続く、という意味で会話が多いということで、
[22:28:22] プミ: 会話が多い=下手ではないです。念のため…
[22:28:28] イコ: なるほどw
[22:28:35] イコ: 意味のない会話ねぇw
[22:28:45] プミ: 相槌とかやたらでてきたり…
[22:29:00] イコ: 作家の、表現への意識のない会話ってことですかねw
[22:29:29] プミ: そういうことだねw
[22:30:01] イコ: かなりチャットスピードをあげて駆け足でやったので、だいぶ飛んだとこもありますが、だいたい以上ですよ
[22:30:33] プミ: スマート!すばらしいです。

 

ここから緋雪の紹介で著、石垣りん「「永遠の詩シリーズ5 石垣りん」

 

[22:35:47] 緋雪: 石垣りんさんという詩人のCDでいうならBEST版でしょうか
[22:36:10] 緋雪: 石垣りんさんをご存じの方はいらっしゃいますか??
[22:36:19] イコ: 知らないです!
[22:36:28] プミ: 名前しか知りません。詩は読んだことないです。
[22:36:39] だいぽむ: しらないですー
[22:37:03] イコ: 今ネットで少しチェック
[22:37:36] 緋雪: 彼女の詩は「日常」を描いた作品が多いです
[22:38:20] イコ: シジミ、不穏!
[22:38:34] 緋雪: w
[22:38:49] 緋雪: そう、タイトルも普通なものが多い
[22:39:25] 緋雪: 詩人といえば貧乏などの生活環境が悪い人が多いですが
[22:39:53] 緋雪: 彼女は裕福な家庭に育っています
[22:40:01] 緋雪: で・す・が
[22:41:04] 緋雪: 父親(母親かも)が3回変わるなどの家庭環境の変化などが起こります。
[22:41:41] 緋雪: その中で、14歳から銀行勤めを始め、定年まで仕事を続けます。
[22:42:35] 緋雪: その仕事をしながら描いた詩は「日常」を描いて誰しもに分かりやすくイメージできるものになっています
[22:43:54] 緋雪: オイラは自分が詩を描く上で誰かの詩の影響は受けていないと感じてます。
それでも無意識に影響を受けているとしたら、石垣りんのみです。
[22:44:43] イコ: なるほど・・・
[22:45:22] イコ: ネットで読める詩をいくつか読みましたが、こりゃものすごいですね
[22:46:05] 緋雪: 最初、引用しようかなと思ったんですが
[22:46:27] 緋雪: 自分で探して読むとそのすごさが分かります
[22:46:34] 緋雪: ザ・普通
[22:46:50] 緋雪: でも描けそうで描けない世界
[22:47:09] 緋雪: 平凡な日常の中からでしか見えない景色。
貧乏でもそれは金銭的に貧しいだけで、心まで貧しく卑しくはない。
生活が不自由でも真っすぐな強さを貫いていく詩がそこにはある。
家族に縛られつつも、そこを感謝して自分という独りの存在とともに
歩んでいく。
[22:47:51] イコ: 社会や世間を意識した詩が多いように思いますが
[22:49:10] 緋雪: 社会・世間を描いているのは多いかもしれないですが、それも彼女の中での「日常」だったと感じますね
[22:49:34] イコ: ふむふむ
[22:50:09] イコ: 緋雪さんは、この人の描く「日常」にどのような魅力を感じるのですか?
[22:52:29] 緋雪: 生まれる時代が変わっても「日常」の中で根本的に考える・悩む問題って同じなのかもしれない。
どんな形でも良いから、強さと優しさをもって人生を歩んでいくのが楽しいと詩を読むと言われているような気がするところですかね~
[22:53:14] イコ: メッセージ性があるんですね
[22:54:03] 緋雪: メッセージ性はありますね~。この本を紹介したのは純粋に読んで味わってほしかったからなので
[22:55:05] プミ: ネットで読める詩を何篇か読みました。強さ、をすごく感じます。
[22:55:28] だいぽむ: シジミいいっすね
[22:55:33] イコ: なんか衝撃を受けましたよ。「貧しい町」とかやばいですね
[22:56:02] イコ: 「儀式」とかにも強さを感じます
[22:56:33] 緋雪: 彼女と一緒の時代や風景の中を生きていないのに、なぜかその時代や風景を感じて
[22:57:13] 緋雪: 背中をたたかれて、「さあ、生きよう」というメッセージ性を感じます
[22:58:52] 緋雪: ぜひ、詩集をご賞味あれw

 

ここからだいぽむの紹介で著、ジャン・ジュネ「花のノートルダム」

 

[2011/01/15 23:24:55] だいぽむ: ジャン・ジュネってのはフランスの作家で
[2011/01/15 23:24:58] だいぽむ: あ、よみきってない!
[2011/01/15 23:25:03] 緋雪: w
[2011/01/15 23:25:05] だいぽむ: しかし凄いからすすめる!
[2011/01/15 23:25:05] プミ: ww
[2011/01/15 23:25:28] だいぽむ: ジャンジュネは捨て子で
[2011/01/15 23:25:45] だいぽむ: 子供の頃から泥棒を繰り返し
[2011/01/15 23:25:55] だいぽむ: 何度も施設に入れられては脱走したりしてます
[2011/01/15 23:26:02] だいぽむ: 教育はないです
[2011/01/15 23:26:14] だいぽむ: 18で軍隊に入りますが、そこも脱走
[2011/01/15 23:26:27] だいぽむ: 窃盗・逮捕を栗買え派ながら
[2011/01/15 23:26:30] だいぽむ: くりかえしながら
[2011/01/15 23:26:36] だいぽむ: 男娼もやったりと
[2011/01/15 23:26:45] だいぽむ: めちゃくちゃな人生送ってます
[2011/01/15 23:26:59] だいぽむ: 彼の文学の特徴は、比較を絶する孤立性
[2011/01/15 23:27:21] だいぽむ: 要するに誰にも似ていない
[2011/01/15 23:27:47] だいぽむ: 文学史の流れから隔絶した異質な作家
[2011/01/15 23:28:01] だいぽむ: 実際僕が読み通せないのも、
[2011/01/15 23:28:13] だいぽむ: まったく想像を絶する世界と表現だからですw
[2011/01/15 23:28:34] だいぽむ: これほど変な作品はちょっと読んだことがない
[2011/01/15 23:29:02] プミ: おお、そこまで言うとは…
[2011/01/15 23:29:11] 緋雪: すげえ読みたいw
[2011/01/15 23:29:18] だいぽむ: ジャン・コクトーから怪物作家と呼ばれてますね
[2011/01/15 23:29:28] だいぽむ: 三島由紀夫も絶賛です
[2011/01/15 23:30:08] イコ: おれはかれのを借りて少し読ませてもらいましたけど、まず比喩がすさまじいですね。どれも見たことない比喩でした。
[2011/01/15 23:30:13] だいぽむ: 花のノートルダムは、懲役を受けた囚人が、独房の中でひたすら妄想し、小説をつづる小説です
[2011/01/15 23:30:39] だいぽむ: 中条しょうへいは超絶技巧の比喩っていってるね
[2011/01/15 23:31:04] 緋雪: イコ&だいぽむは囚人が好きなのかw
[2011/01/15 23:31:07] だいぽむ: ww
[2011/01/15 23:31:09] イコ: でもだいぽむの苦難は、想像がつくというか・・・読むのはつらいだろうなぁw
[2011/01/15 23:31:38] だいぽむ: 囚人の主人公は、ひたすら悪に憧れるんですよ
[2011/01/15 23:32:00] だいぽむ: 独房の中で、新聞から凶悪犯の写真を切り抜いて集め
[2011/01/15 23:32:16] だいぽむ: その凶悪犯が目の前にいると想像し
[2011/01/15 23:32:48] だいぽむ: そのイチモツをしゃぶりまくったり、凶悪犯にひたすらバックから貫かれる妄想を繰り返すw
[2011/01/15 23:33:13] イコ: 緋雪さん以外みんな囚人の小説だなんて、とんでもないイベントだな
[2011/01/15 23:33:20] だいぽむ: w
[2011/01/15 23:33:35] だいぽむ: そして凶悪犯の一人を主人公にして小説を書きはじめるんです
[2011/01/15 23:34:13] だいぽむ: 主人公はディヴィーヌ
[2011/01/15 23:34:21] だいぽむ: おかまです
[2011/01/15 23:34:38] だいぽむ: この女の一生を、檻の中の「私」がかきます
[2011/01/15 23:34:50] だいぽむ: ここで変わってるのは
[2011/01/15 23:35:19] だいぽむ: 大半はディヴィーヌのパートの小説が記述されるですが
[2011/01/15 23:35:34] だいぽむ: 作者の私が、色々とその小説に介入するんです
[2011/01/15 23:35:53] だいぽむ: 私の作品だから私が好きにすると
[2011/01/15 23:36:05] だいぽむ: ドストエフスキーもよく作品内で
[2011/01/15 23:36:18] だいぽむ: 解説者みたいな立場で作者が介入してきますが
[2011/01/15 23:36:36] だいぽむ: 花の―とルダムはもっと極端です
[2011/01/15 23:36:36] プミ: でてくるでてくる
[2011/01/15 23:36:59] だいぽむ: 突然自分の妄想の男を登場人物して追加したり
[2011/01/15 23:37:14] だいぽむ: その男がディヴィーヌの男と駆け落ちしたり
[2011/01/15 23:37:48] だいぽむ: 「私」の妄想がディヴィーヌの世界に縦横無尽に
[2011/01/15 23:37:51] だいぽむ: 介入してくるんです
[2011/01/15 23:38:02] だいぽむ: だからますますへんちくりんなことに・・・
[2011/01/15 23:38:28] だいぽむ: 突然「あなた」って読者に呼びかけてきたりね
[2011/01/15 23:38:46] だいぽむ: これまでの小説の常識を覆します
[2011/01/15 23:39:00] だいぽむ: そして比喩もおかしいw
[2011/01/15 23:39:28] だいぽむ: 「あなたって美人よね」そして、こう付け加えた。「おちんちんみたいに」
[2011/01/15 23:39:37] 緋雪: w
[2011/01/15 23:40:31] だいぽむ: ミニョンか「真珠が落ちた」とか「真珠が出るぞ」というとき、それはとてもおだやかにおならをするということであり、音をさせずに屁が出たことを意味する。
[2011/01/15 23:41:02] だいぽむ: 彼はまた、うんこをしたいときにこういうのだ。「唇の先に葉巻がぶらさがりそうだ]
[2011/01/15 23:41:15] だいぽむ: 比喩じゃないかw
[2011/01/15 23:41:35] プミ: とてもいいと思います。ほんとに。
[2011/01/15 23:41:54] だいぽむ: 終始そんな調子なのです
[2011/01/15 23:42:04] 緋雪: 巧いな~w
[2011/01/15 23:42:38] だいぽむ: ある無頼漢がディヴィーヌにこう言った。「どっちがいい?かまを掘られるのと、尺八させられるのと?」
[2011/01/15 23:42:56] イコ: 下ネタばっかしか!
[2011/01/15 23:43:12] だいぽむ: 食いしんぼうのディヴィーヌは、真剣になって、両手を合わせ、口をとがらせてこう言った。
[2011/01/15 23:43:21] だいぽむ: 「お願いだから、両方とも」
[2011/01/15 23:43:32] だいぽむ: 全体の8割は下ネタです
[2011/01/15 23:43:58] だいぽむ: これが延々500ページ
[2011/01/15 23:44:03] 緋雪: !?
[2011/01/15 23:44:16] イコ: すごく下ネタの大好きな人に、ものすごい表現力がついたらこうなるんだな。
[2011/01/15 23:44:48] だいぽむ: 天才的な表現力で、わけわからん視点で、強烈なシモネタが延々と続く・・・
[2011/01/15 23:44:53] イコ: しかしおれたちはそこからなにを学べばいいのだw
[2011/01/15 23:45:02] だいぽむ: こんなの誰にも真似できません