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ゴルフ格差社会:小野寺 那仁

 私の属する世界の住人はゴルフが大好きである。ひところに比較するとゴルフをしなくなったものだが、五、六年前は盛んであった。だいたい月に一度のペースで行っていた。多いときには三回というのもあり、プライベートもしていた。

 学生の頃はゴルフをするようになるとは夢にも思わなかった。始めたのは三十代半ば過ぎてからである。あんまりひどいのでその頃は毎晩練習に行ったものだ。クラブが今と違って芯に当てないとまっすぐには飛ばすにOBになってしまう。今は、すごく改良というのか、インチキクラブというのか、そういうものがあって大体、適当に打ってもまっすぐに飛ぶのである。最近のクラブは一万五千円ので十分だと思う。私は過去にドライバー一本だけで五万円、私の親は五十万のクラブを持っていたが、それほど変わりはしない。

 以前はボールも高くて新品だと一個で千円くらいした。今は三百円くらいだ。それでも新品はもったいないので(すぐになくなる)ロストボールといって練習場でボロボロになったボールやゴルフ場で池やラフや崖下に落ちて持ち主の諦めたボールが売られている。これなら十数個いりで千円なのでこれを買うことにしている(すれば。の話である)

 ところでスコアだが私は一〇〇を切ったことがない。百三十から百五十は打ってしまう。一度だけ百六で回って優勝するかと思った。コンペではハンデがあるので過去に下手であると優勝のチャンスがあるのだ。でも書いていて思うのだけどゴルフをやったことのない人にはまったくわからない話だな。これは。百三十はだいたいビリラインである。コースはパー七二で通常設計されている。プロのイーブンが七二。私たちのコンペで巧い人は八〇から九〇くらいで回ってくる。七十台の老人でも八十くらいで回る人はさらにいるので恥ずかしい限りだ。私は一緒にプレーしてまったく歯が立たなかった老人たち(といっても六〇歳台だが)が翌週や翌月に亡くなったという経験もある。もう亡くなったが車椅子のプレイヤーもいて、ショットの時だけ車椅子から立ち上がって打っていた。その人にもとうてい及ばず大差で負けた。そうかといって若い人でもうまい人も多く、まあなんというかセンスの必要なスポーツである。キャッチボールできないのにゴルフはできる人もいるくらいだ。そして私の二倍の二〇〇以上たたくプレイヤーも数多くいて、そういう人はたいていゴルフをやめてしまってコンペには現れない。苦痛以外の何物でもないだろう。それにしてもかれこれ一〇年くらいはやっているのにちっとも上達しない。昨今は小説の読み書きに忙しいのでますます下手になっているだろう。金のかかる遊びであることは間違いない。一度は北海道でプレーしてみたいのだが。